シングルフックとトレブルフック その2

シングルフックとトレブルフックにはそれぞれにかかる抵抗に大きな差がある。

 

実はこのことがシングルフック標準のルアーが少ないということの理由なんじゃないだろうか。

メーカーがルアーを販売する時、トラウト用です・シーバス用といった対象魚という大まかなジャンル分けをしたとしても川専用です・港でのみお使い下さいといった説明はあまり見掛けない。そのルアーをどこでどんな風に使うかはアングラーの自由であるため、メーカーはどこでも使えるように安定性をある程度重視しなければいけないのだ。そのためにはトレブルフックの抵抗の大きさを利用してルアーを安定させるのだ。それにトレブルのほうがシングルよりも針に掛かる確率は高い訳であるし、合わせたけれどすっぽ抜けてきたというのはアングラーにとって気分が悪い。当然確率は高い方が良いに決まっている。このように書くとシングルフックはトレブルに対して劣っているという風に感じてしまうかもしれないけれどこれは形状による性質の違いであってフックの優劣ではない。

 

フックは魚を掛ける以外にも大きな役目をはたしているということ。

 

フック交換でトレブル⇒トレブルが理想なのだけどトレブル⇒シングルにしたいという人も少なくない。

シングル化によるメリットとして、リリースし易さによるダメージ軽減や力が一点に掛かることによる貫通力の高さ・根掛かりのし難さ・ボサや枝に絡んだ時の回収率upなどが挙げられる。何を目的にするかは人によってそれぞれ。

問題はシングル化によって少なからず失われている安定性だ。気にならない程度ならいいがそうでない場合はそれを補ってやる工夫が必要ある。

シングル化によって減少したフックの重みと抵抗を高めるのだ。

重みを増やすには太めのフックを選ぶこと。太軸によって刺さりが悪くなることが心配されるが一点に力が集中するシングルフックではそこまで心配する必要はないはず。

もう一つはスプリットリングのサイズを一つ上げること。リングというのは2重巻であるため直径の6倍以上のワイヤー長があり見た目以上に重みがあるし、サイズupによる抵抗増にもいくらか期待できる。

抵抗を補う方法として写真の様なスイミング仕様にするとフックの抵抗を高めることができる。バレ難さを語られることが多いものだけれどこういう効果もあるのだ。

最終手段としてミノーのベリーに重りを張り付けるという方法もあるけれど、これはミノー自体の重量upになるので動きのキレが悪くなってしまいます。

 

シングルフックへの交換の際に参考にしてください。