オールラウンダーじゃつまらない Cypris 55S

前回の続きです。

 

Cypris 55S キプリスについて。

原型を作ったのは1年近く前の2012年の春、完成して間もなくスイムテストを行いに残雪残る川へ向かった。

取り敢えずはまっすぐ泳ぐようにアイ調整済みであったけれど、フィールドで実際投げてみなければ分からないことがたくさんある。

Cypris 55S マルーンヤマメ
Cypris 55S マルーンヤマメ

堰堤上のプールへ。水は多く、雪代の影響か白く濁っていて透明度はイマイチだ。水温はもちろんまだ低い。

対岸のボサ下目掛けてキャスト。

僅かな距離をタダ巻きした後、連続でトゥイッチを入れてみる。

するとボディ側面を真上に向けるほどの倒れ込みを見せた。左右へバッタンバッタンと周りへ光をまき散らしながらアピールする。中々前へ進んでこないので強いアピールで時間を掛けて誘うことが出来るようだ。

 

下からミノーの数倍のきらめきがギラリとしてミノーを引っ手繰った。

手元へ寄せると20cm弱のヤマメだ。全体的に肌が白く冬の名残が見て取れた。

 

その後もシーズンを通してRhetenor 48Sと合わせて使ってみた。様々なポイントへキャストしアクションさせヒットさせたり、バラシたりを繰り返した。

そうやって使ってこのミノーの個性がはっきりした。

 

最も個性が発揮されるのは、やはり堰堤やプールといった流水抵抗があまり大きくないところだ。

ギラギラとさせながらもゆっくり引いてこれるので長時間魚にアピールさせることが出来る。

ということは瀬でのアップストリームにも有効であるということだ。

ダウンストリームにも対応しているけれど製作当初からその使い方はあまり想定していない。

そのために作ったそういうミノーじゃないのだ。

上記のようなシチュエーションでガンガンとトゥイッチさせて誘うためのミノー。

個性を強調させる。

全てをそれなりにこなす優等生より、私はそんなミノーが好きなのです。