色流れを防げ その1

残念なことに  色流れの一例(背中)
残念なことに  色流れの一例(背中)

こうなるともうダメである。商品にはならない。残念ながら私のワレット行き決定。

 

塗装の後のディッピングでの色流れだ。

オールセルロースでラッカー系塗料を使った場合、こいつとの戦いは避けては通れない。

今回は色流れ防止の方法について私なりに気を付けていることを書いてみる。

 

まず、セルロースの特徴として、

前回のコーティング表面を溶かしながら一体化し最終的に1つの層となる。

 

これが、セルロースの長所であり色流れを起こす厄介な原因でもある。

 

ということは単純に考えるなら、ディッピングした時に溶かすコーティングの厚みより分厚く色止めしてやれば良いということになる。

これは確かに効果がある。製作の条件は人それぞれなのではっきりとは言えないが色止めの噴き付け回数は5回では足らないはず。私はもっとやっています。

 

 

塗装の際にも気を付ける点がある。

厚塗りしないことはもちろんだが。塗料を希釈する溶剤(ラッカーシンナー)は必ず第1石油類を使用すること。第2石油類を使ってはいけない。セルロースの成分表を見れば大抵、第1石油類と書かれているはずだ。

溶剤の溶かす強さは、

第1石油類 > 第2石油類  なのだ。

 

第2石油類のシンナーを使っても希釈は出来るが、塗装した際に下地のセルロースをあまり溶かすことが出来ないので食いつきが悪くなる。それだけでなく後でディッピングした際に、セルロースは強い第1石油類なので余計に色流れしやすくなってしまう。

塗装の食いつきをなるべく良くしたいので塗料にはリターダーを少量入れることもポイント。

白濁防止でも役に立つものだけれど、リターダーはラッカーシンナー以上にセルロースを溶かすのでそれを塗料に混ぜることによって下地との食いつきが良くなるのだ。

 

                                                        その2へ続く