#1 あの川、あの区間、このタイミング

2021年7月2日 北上川水系支流 19年7月19日と同じ川

 

一度、壊れた川。数年経っても中々改善しない環境に、何とか見つけた可能性。

あの時(19年7月19日)と同じ状況が、この日揃った。

前日から気になって、天気予報と水位計を何度も確認。雨によって平水以下だった水位が増水し、期待通りの水量となっている。濁りが行ってみないと分からないが、経験上大丈夫なはず。

あの時と同じ7月、同じ曇り空。

高揚感でふわふわした気持ちで車を走らせ、現地の橋の上からのぞき込むと期待通りの水量と薄い濁り。

手早く準備を済ませ、少し下流に回り込んでエントリーして釣り上がっていく。

濁りは瀬ならば気にならないレベル、立ち位置によっては白い反射で水中が見えない。

いつものナイロンではないPEの感触を確かめながら、本命ポイント近くまで足を進め、途中8寸を合わせ損ねて、やっぱり乗りが悪いなPEは・・・と、特性を再確認。

砂が流れたのか、以前より深くなった場所を迂回して再エントリー。

その場所は、岩盤のV字に掘れた淵だ。ここも砂が流れたか深くなったように感じられ、白っぽい濁りで底まで見通すことが出来ない。

真ん中から淵尻まで探るも気配は無し。

それならばと、頭までロングキャスト。PEならではの飛距離とレスポンスの良さで立ち位置を変えることなく遠くを狙う。

着水してから、2、3m助走して潜行したミノーの姿が濁りで見えなくなったところで、手元にガァンッ!!と殴られたような衝撃が伝わる。

反射的にロッドを煽り、ハンドルを回す。

ドラグに仕事をさせて、どんどんと引き寄せてしまう。

淵から浮いてきたのは、とても太いヤマメだった。

やっぱり、今日は当たりだった。

この川で掛けたヤマメでは、今までで一番の大きさと重さだった。

34cm内径に僅かに届かないが、本流と行き来出来ない小渓流で育ったとは思えぬプロポーション。

見事な幅と厚み

日の当たりやすい淵で育ったせいか、パーマークは薄め。

この角度だと、大きいパーマークが透けて確認できる。

期待感から、強気のタックルで臨んだ。

アマトンSTのリアにセットしたのは、ツインテールフックのプロトタイプ。

刺さりの良さと2本掛かりによるバラしにくさで安心感のあるやり取りが出来た。

濁りの時はレッドベリーが効くと感じているので、今日はこのカラーだけで通した。

 

予感が的中したこの日、やはりこの川のこの区間は7月の増水後が最大のチャンスであり最後なのだ。

 

Tackle

    Rod Espada51MLⅡ

    Reel COMPLEX2500HGS

    Line PE0.8

    Minnow   Amathon50ST(ツインテールフック仕様)