ハンドメイドミノーを作っていることもあってか渓流では殆どミノーばかりを投げているのだけれどスプーンも結構好きなのです。
渓流ルアーを始めた頃はスプーンやスピナーの方が出番が多かったかもしれない。
好きなスプーンはいくつか有るのだけれど、思い入れの深いのはダーデブルなのだ。
左3枚 オリジナルペイント5430 中央4枚 コピーキャット7300 右4枚 ルーハージェンセン クロコダイル
ダーデブルを知ったのはとある雑誌なのだけれど、初めて見た時に強烈に惹きつけられるような感じがしたのを覚えている。どうやらアメリカ製で古くから作っていたものらしい。
知り合いに古くからやっているフライとルアーのショップがあるのでそこで探してみたが見当たらなかった。昔のラパラなんかはまだ置いてあったが、昔のスプーンは無いと言う。
どうせなら中古ではなく新品を手に入れたい。
その後もしばらく探したのけど見つからなかったので諦めかけていた。
そして遠征先でとあるお店に入った時についに見つけたのだ。
海に近いところのお店なのだがサクラマスで有名な河川が近くにあるのでトラウトルアーもそこそこ置いてある。店内を一通り見て回る。
写真のダーデブルのスプーンは店の隅にひっそりと追いやられた回転ラックに架かっていた。
やっと見つけたダーデブル。
それも望み通りの新品だ。だがパッケージは大分傷んでいる。ラミネートのプラスチックは劣化して黄色くなっているし、台紙もよれよれだ。
お店に入荷したのはいつなのだろう?20年か30年位は経っていそうだ。
不思議な巡り合わせを感じずにはいられなかった。残りは10枚有るか無いか位だったので全部買ってしまおうかとも思ったけれどそれはやめることにした。
私みたいに探している人が他にも居るかもしれないと思ったから。
色違い4枚をレジに持っていき会計をする。
お店の人が
これはいいスプーンですよ。
と声をかけてくれた。これが売れたのはきっと久しぶりなのだろう。
驚いたようであったし、ちょっと嬉しそうにも聞こえた。
なんか気分がよかった。
家に戻ってスプーンを取り出す。劣化したパッケージはすぐに破れた。
でも中のスプーンは力強く存在を主張していて塗装も傷んではいなかった。
悪魔がこちらを睨んでいた。
リングを交換しフックを通してワレットに並べた。
これから悪魔がその爪に鱒を捕えてきてくれる気がして頼もしかった。