人にはそれぞれ好きなカラーや信頼しているカラーが有ると思います。
個人的には見やすい色が好きなのでチャート系・ピンク・オイカワ・CBRといったカラーを投げることが多くて主力となっているのだけれど、カラーローテの最後の一手として最近はブラックチャートを選ぶことが多い。
渓流でよくあるシチュエーション、水深は膝上程度で数mの瀬でヤマメがミノーに反応した。
最初は勢い良く反応してくれたけど口は使ってくれない。
そうして何投かしているか内に沈黙していく・・・。
そこで色を変えてみる。
シルバー系からゴールド系へだったり。
或いはその逆だったり。もっと別な色だったり。
もちろんそういうことも試すけれど最後はブラックを結んで投げる。
するとどうだろう。ヒットまでするかどうかは別としてまた反応してくれることが多いのだ。
これはどういうことなのだろう。
この理由は予測するしかないのだけれど、
先ずひとつは今までこんな色のミノーを見たことがないために魚に取って新鮮に映り、興味を取り戻してくれた。トラウト用のミノーでは珍しいカラーでこれを主力として投げる人は殆ど居ないであろうということ。
それと、黒という色は魚にとっては最も見やすい色なのではないかということ。
ミノーは通常、魚と同深度から上を泳いでいる場合が殆どであるだろうから、魚は前方向・左右の水中の景色と水面方向、つまり上の方を見ていることになる。魚の頭と眼の付き方から考えても下方向を見るのは重視されていないと思う。
ミノーが魚より上のタナを泳いでいる場合は、魚は水面方向にミノーを見上げているわけだから空の青白く波立つ水面をバックに黒いミノーを認識する。
白っぽいバックに黒い物体が動いている状況。これは魚にとって一番ミノーがはっきり見えているはずだ。
これがお腹が白いシルバーベースのミノーだったら、輪郭がぼやけてしまっているのではないか。
分かりやすい例として、ハエが天井に止まっていても比較的簡単に見つけることが出来る。
たった数mmしかない虫なのに 「あそこに居る」 と分かるのは、ハエの体色が黒く天井の色とのコントラストが強いからだ。
この黒いミノーが周りの情景よりも圧倒的に濃い色であるから魚はミノーをしっかり認識することが出来るのだ。
これが重要なのだと思う。