2012年9月某日
某三陸沿岸河川 & その支流
この夏は記録的な渇水が続いている。内陸の地元河川は厳しい状態のままだ。
魚はいるのだろうけれどこんな状態ではミノーにロクに反応してくれない。
水のあるところは何処かないかと探していたところ、三陸のとある本流筋が頭に浮かんだ。
あの川なら渇水になっても十分釣りにはなるはずだ。
そう思ったら、夜明けに間に合うように深夜の国道を車を走らせていた。
予定通りに現場に着き、最初のポイントにレテノールをプレゼントする。
すると、連続で4バイト3キャッチとなり、これはスゴイぞと思ったら反応が有ったのはそこだけで釣り上がっても、雰囲気がある深瀬を流してもそれから本流は沈黙してしまった。
水温が高いようだ。朝の段階でも20℃近く感じるし、ちょっと泡が立っているところもみえ、薄く濁っている。この濁り方は良くない。
こういう流れでは粘っても無駄なことが多いので、さっさと本流を見切って上流の支流へ向かう。
地図から地形をある程度判断して、良さそうなところに先ずは適当に車を停めて入渓する。
この支流も例年に比べれば渇水だが、元々水量が多く釣り上がりに苦労することもあったので逆に助かる。それに渇水してるとはいえ本流に比べれば水温は若干低いし、なにより流れが生きている。
只、長い間増水していないせいか底石の苔が多く足が滑る。
入渓してから200m位は魚が見えなかったが、あるところから状況が一変した。
瀬の石の周りから何匹もヤマメが現れては、ミノーに絡みついてくる。大きい個体は見えないけれどチビは少なく、7寸前後がキャストするたびにチェイスしヒットしたりUターンしていく。
10m進むまでに3バイト4バイトもしてくるのだから楽しくて仕方がない。
ヤマメ達はかなり御機嫌な様子なので、いろいろとミノーを試し変えてやってみる。
ゴールドよりもシルバーの方が反応が良いようだ。それとアップよりもクロスに近い角度で投げて時間を掛けた方がバイトに持ち込みやすい。
そうと分かれば、それで集中攻撃するのみ。キャッチしてはリリースを繰り返しながら、目につくポイントへミノーをプレゼントしていく。
殆どがヤマメだがイワナも顔を出す。
この辺の区間が魚影が多いことは十分確認できたので一度川を上がる。
車で少し上流へ移動して再度入渓する。
この辺は岩盤底が多いようだ。ここら辺は岩盤底に変化が少なく、ヤマメの影がまばらだったがしばらくするとスリットが現れ始めた。
ヤマメ達はそのスリットの底に入っていた。
スリットにミノーを横切らせると下から一気に喰い上げてくる。
まるで目標に向かって打ち上げられた対空ミサイルだ。1つのスリットから3匹前後がアタックしてくる。
ここでもアベレージは変わらないが、魚影の濃さはピカイチだ。
今日はなんていう日だろう。
こんなに素直なヤマメ達に逢うのは久しぶりだ。キャストのし過ぎで右手首が少し痛くなってきた。
そうなってしまった手元を見て、ちょっとおかしくて笑ってしまう。
気付けば夕暮れだ、そろそろ川を上がらなければ。
少し先に退渓できるところがみえる、あそこまでにしようと思ったところで本日最後のヤマメに出逢えた。
肉付きがよく背中の盛り上がった綺麗な魚だった。身体はくすんだベールを纏っているようで産卵へ向けた準備中のようだ。
数年後にはこの魚の子供に逢えるように願って流れに帰した。
Tackle
Rod Casket Revolution RB55MS
Reel Abu Cardinal 33
Line ナイロン5lb
Minnow Rhetenor 48S 試作品42mm