2012年10月上旬某日
宮城県荒雄川C&R区間
ちょっと前の釣行記です。
9月も終わって10月になると、トラウトを狙うことのできるフィールドはかなり少なくなってしまう。
それは淋しい限りだがヤマメやイワナ達にとって秋は産卵を行う大切な季節だ。
10月からの禁漁期間は必要なものだ。
そうは言っても今年の夏は雨が降らずに渇水が続いていたので、やり残した感が有ったのも事実。
そこで8月にレインボーを狙いに荒雄に行ったのを思い出し、また行ってみようかということで友人と話が纏まる。
当日、まだ暗い国道を南下していく。
数日前に台風が通過して増水からの減水中であるタイミングを狙ってのスケジュール。
途中で遊漁券を購入し、現地に着いてロッドを繋いでウェーディングシューズの紐を締めこむ。
はたして川はやはり増水していた。
8月に来た時よりも10㎝は水位が高い。そして、白く濁り気味。
ピークではかなり増水したようで渓畔林まで水が来た跡が残っている。もっとも、ずっと渇水傾向であっただろうからこれは魚にとって悪い状況ではない筈。あと1日経てば濁りも消え、水量も釣りやすくなったか。
下流の堰堤下からエントリー。
そこではヒットしなかったが上の瀬でヤマメがじゃれついてくる。対岸の葦際を狙ってスピナーをキャストしてリトリーブして引いてくる。
途中その後ろから40クラスの黒い魚影がチェイスしてくる。随分太かったものだから最初気付いた時は鯉?と思っていたがどちらもニジマスだった。
活性は悪くなく、この水量と若干の濁りが好影響を与えているようだ。
ヒット!
ミノーに付け替え、アップで今度は自分側の葦際をトレースさせてみた。
根元の影に身を寄せている個体だ。
30数cmといったところなのですぐにリリースして上流へ進んで行く。
しばらく進むと大きな堰堤から続くプールになる。
そこで友人が良いサイズのレインボーを掛ける。大きくロッドが曲げられドラグも出されている。
しばらくして手元に寄ってきた魚を写真に収めに岸へと向かう友人。
今度は私にきた。アップクロスにスプーンをロングキャストしてドリフトさせながらリフト&フォール。
感度抜群のPEが手元に違和感を知らせ、アワセの力をダイレクトにフックに伝える。
ジャンプはしなかったがスプールから何度もラインを引き出すダッシュを繰り返す。
これだ。このスピードとスタミナがレインボーの魅力なのだ。
もしこれが、北海道のワイルドだったりカムチャッツカのミキージャだとしたらどれほどのファイトをするのだろう。
そんなことを釣り上げた魚を写真に収めながら想像してしまう。
45㎝程だ。中学生くらいだろうか。出来れば50㎝以上の高校生サイズの顔を見たいものだ。
だが、8月に比べればコンディションは良くなっているし力も3~5割増しになっていると感じる。
その後も順調に友人と共にヒットを重ね、希望通り50㎝まで顔を出した。
C&R区間の最後まで上がり、一旦下って最下流に入り直す。
おいしそうな深瀬を流すもしばらくは魚からのコンタクトは無い。絶対入っていると思うのだが。
淵が現れた。押しの強い流れが続いている。
ここでも先に友人がヒットさせた。これもよく引く。40クラスか。
友人はさらに続けて2度3度ヒットさせ、残念ながらラインブレイクもしたり。
増水中に避難してきたか深いところにストックされているようだ。
淵の途中から差してきている支流の流れ込みにキャストして、流れの抵抗でスピナーのブレードを回す。
流下させるようなイメージで流しているところにガツッっと衝撃が伝わる。
反射的にアワセを入れ、フックアップさせる。
直後、そのレインボーは上流に向かって走り出す。上流側手前には岩盤が見える。
咄嗟に腕を伸ばしてロッドを突出し、ラインが擦れないよう耐える。
早くこっち(下流)へ来い!
レボリューションのバットを曲げられながらも耐えていると、これ以上は上れないと悟ったのかこちらへ向かってきた。それに合わせて足場の良い下流の弛みに急いで移動する。
何回もドラグを引き出しヘッドシェイクをしてくるが、ここなら自由にロッドを捌ける。
獲れる。
やっとコンクルージョンに導いた魚体は今日イチのプロポーション。
筋肉質な身体、尖ったヒレ、黒点が多くみっしりと詰まった鱗。
サイズでいえば40前半だがこれまでの中で一番のファイターであり野性味を感じさせる雄。
相手をしてくれてありがとう。
そう思いながら流れに帰っていくのを見送った。
Tackle
Rod Casket Revolution RB55MS
Reel Shimano COMPLEX 2500HGS F4
Line PE 8lb リーダー ナイロン6lb
Minnow Rhetenor 48S
Spinner セルタ パンサー ブレットン (糸撚れしにくい様に改造)
Spoon 3.5g~5g各種