一旦、車に戻ってタックルを詰め込んでキーを捻る。
移動と言っても車で10分もかからない。
次の岬へと通じる道の近くへ車の鼻先を入れて駐車した。
前回の群れがまだ接岸しているという前提で合わせて3セットのタックルを準備する。
渓流ロッド(レボリューション)+カーディナル、 本流ヤマメ用ロッド、 ジギング用(サクラロッド トライアンフ)
それらを持って白樺やブナの林を抜ける道を通って湖岸へ向かって下りていく。
目の前が開け岬の根元近くに出て、今度は先端を目指していく。
先端に着き、先ずはポイントを観察する。40cmクラスの大型はまだ居るだろうか?
群れはまだ居る。しかし、数は少なくなっている。前回見られた40cm以上の大型の雄は居ないようだ。
大型の雄はどこかへ行ってしまったのか。
たぶん、釣られてしまったのだろう。
ジギングから開始するが、やはりこの前よりは反応は少ない。
なので釣ることよりもジグのアクションの確認やテストを優先することにする。
5g~8gの同じスプーンを2枚重ねてスプリットリングで繋いだものも試した。
これには鱒もヒットして使えないこともなさそうだ。シルエットが小さいので遠投性は良いが、フロントにするかリアにするかアシストフックのセッティングに悩む。
今後の検討課題だ。
一通りの確認が終わったので試作品のスイムテストを兼ねてミノーイングで狙ってみる。
今日は40クラスは居ないようなので、いつものレボリューションにカーディナルの渓流タックルで十分だ。
ミノーは試作品の50mmシンキング。ノーマルとヘビーシンキング。
見える範囲に投げ、泳ぎを見てみる。タダ巻き、トゥイッチ、ジャークやフォールの様子を見てみる。
中、小型の雄や雌が試作品に興味を示し、口を使ってくれた。
取り敢えずは結果は出る出来のようだ。
HSも投げたがやっぱり結構飛ぶ。
ヘビーと言っても4.3~4.4g位なので市販品のプラに比べたら軽いかな。それでも私の感覚には結構重く感じる。レスポンスは悪くない。
30cmまでの個体は結構相手をしてくれるので、ミノーへの反応を観察する。
あえてフックに掛けないようにして。
すると、
雌や小型の雄は足元、水深20cm位になってもチェイスしてくる。
しかし、ちょっといいサイズ(30cm以上)となると棚にシビアになる。上には追わない。
ジグやスプーンをしゃくった後の一瞬の間、ミノーをアクションさせた直後のポーズの瞬間にヒットする。
確実にそのタイミングを計ってアタックしている。
色は赤、オレンジ、ピンクや黒にやはり反応が良い。
大体こんなことが分かる。
これだけ分かれば、ある程度釣り分けることが出来るはずだ。
どうせなら群れの中でも大きな雄が釣りたいのだ。
硬い顎に確実に貫通させるためカーディナルからPEが巻いてあるコンプレックスへリールをチェンジする。
底近くを通すので根掛かりしても力ずくで回収できるようにして。
1回1回のアクションを大きくして雄の目の前を通す。波立つ素面下を偏光越しにギリギリ目視できる。
今日は最大でも35cmあるかないかというところだった。
40クラスを釣りたかったのだけれど、この盛り上がった背に紅く染まった身体、力強く張り出したヒレを見ていると満足してしまう。
見惚れつつも写真を何枚か収めた後に優しく手を添えてリリースした。
その後の掌には僅かにヌメリが残った。
それから何匹か似たようなサイズに逢うことが出来た。
これでもう十分じゃないか。