渓流用のミノーは50mm前後のものが殆どですね。
これはなぜなのでしょう。
渓流用とされているミノーでは、ハンドメイドも大手のインジェクションも揃ったようにこれ位の大きさです。
既に市場に出ている商品が50mm前後であるから、後発商品もそれに合わせてくるというのも理由としては少なからずあると思いますが。
モルフォのレテノールも48mmであり、50mmに近い大きさです。
どうしてこの大きさになったのか。
私が新たにミノーをデザインする(落書きみたいなものですが)時に意識することは・・・。
そこら辺に転がっている試作品とかを並べてみました。
下から 43mm Rhetenor48S 50mm 53mm 55mm 60mm(没になったRhetenor60S) Arrow67S
先ず考えるのが対象となる魚の大きさとフィールド、それから導かれるフックの大きさ。
レテノールの場合、対象は渓流のヤマメであるから、そのサイズは20cm~20後半がメインであるとして、大きく見積もっても35cmを越える位。
となるとフックは中軸のトレブル#12が適当か。
渓流であるから飛距離はそこまで重視しなくていいが弾道は安定してほしい事と、着水後の水馴染みを良くしたいから軽めのシンキングに決定。
・・・となるわけです。
それから、レテノールはヒラ打ちを重視するため体高を上げた扁平ボディにしたかった。
となると体高が高めなのでフラッシング面積が大きいから、過度のアピールを避けるためボディの長さは少し短めに。
それでいて、12番フックが絡まない前後のアイの距離を確保した全長が48mmでした。
前後のフック同士・ベリーフックとリップの根元が絡まないというのは結構重要と考えています。
泳がせているときに絡んでしまったりしたら魚は釣れませんし、キャストを止めて直すのもストレスです。
市販のミノーでそういった問題を抱えている製品が時折見かけます。勿体ないですよね。
メーカーならCADの段階で寸法から簡単に割り出せるはずですし、実釣テストを1度でもやれば必ず分かる問題です。
使う人のストレスが少ない方が良いに決まってます。
Arrow67の場合も同じように。
本流と湖を想定して対象サイズは30後半から50弱。フックはトレブル#10~8となる。
広いフィールドであるから飛距離が必要で、ボディにはそれなりの重みを持たせる。
空気抵抗を考慮してストレートに近いデザインが有利。
しかし、流水抵抗の少ない湖で、ある程度のスローリトリーブにも対応してほしいからベリーに緩いアールをつけてアクションしやすくする。
そのほか色んなことをあれこれ考えて決定したのが67mmとなった。
とこんな感じでデザインと寸法が決まっていくわけです。
こういう風に考えていくと渓流用ミノーが50mm前後に収まっているのは必然なのです。
市販されている渓流用ミノーが45~55mmの範囲にほぼ全てが入っているでしょう。
あなたのルアーケースやワレットに入っているミノーもそうであるはずです。