レテノールには他ではあまり見かけない柄の友禅紙を使用したパターンがある。
これを作ってみるきっかけになったのは、画材屋さんで何かルアーに使えるかモノが物色しているときに見掛けて面白そうだと思ったのが始まり。
見た目にも鮮やかで和風で、日本の鱒類をこれで釣ったら楽しいんじゃないかとやってみたのだ。
友禅紙はアルミ箔に比べると厚みがあるので貼り付けた後の段差消しには通常よりコーティング回数が多く必要となる。外殻がその分厚くなっているのでヒラウチの立ち上がりが通常モデルより若干マイルドになる。
友人なんかは問題なく釣っているのだが、横から見たりしていると作り手として改善したい・しなければという風に思ってしまう。
主にその部分を改善できないかと思って、最近はあるところをちょっと弄って製作している。
実釣面においてなのだがアルミモデルとはやはり刺激するポイントが違うのかなぁと思う時がある。
黒なんかは虫をイメージして夏に有効なんじゃないかと思っている。
渇水した渓流で魚の意識が水面を向いて落ちてくる虫ばかりに集中している場合がある。
恥ずかしい写真を晒すのだけれど(クリックして拡大してね)。
私は小渓流が好きなのでそんなところによく行くのだけれど、そんな所は夏場に晴天が続くとすぐに渇水になってしまう。(写真のポイントは川幅2mあるかないか)
そういう状況では水生昆虫よりも上から落ちてくる陸生昆虫がメインベイトになっていると思われる。
キャストして上流の瀬の始まりを狙ったのが思ったようなライナーにならず、枝を跨いでしまった。
下手くそだと思いながら、するするとリールを巻いて回収しようと枝を跨いだラインは吊り橋のワイヤーのようだ。
直後、ミノーは流れに押されるように水面を付近をフラフラと向かってくるときヤマメが水面を割って食いついてきたのだった。反射的に合わせて魚が宙ぶらりんになっていたところにシャッターを切った。
昆虫をイメージしてこの時は黒いミノー(BCT)を使っていたけれど、ここまでの餌への執着には驚いたのだった。
この日は半日で終えるつもりだったので、適当な堰堤で上がることにした。
渇水で堰堤下は流れの押しは弱く案の定目立った反応は帰ってこなかった。
もしかするとと思って、先ほどのミノーを結び流れの弱いところに落としてやる。
潜らせないようにロッドを高く掲げ、細かくシェイクしてみる。リールは極力巻かない。
落ちてきた甲虫(コガネムシやカナブンとか)が水面でモゾモゾしている様をイメージして誘う。
このボリュームの虫は頻繁には落ちてこないだろうから餌だと認識してもらえれば我先にと・・・。
すると、今までシブかったのに2度も水面が割れたのだ。
残念ながら2度もすっぽ抜けだったけど(アワセが早かったかな)。
別の機会にも似たようなことをやって確かにこのやり方に好反応する魚が居たのを確かめたのだった。
こういう時にはやっぱり黒や緑がベースのルアーが有効だ。
こういう時にレテノールでは友禅黒モデルYZBK(あるいはBCT)はピッタリじゃないかと思ってる。細かく動かせば友禅の柄が複雑怪奇に変化して見えるのではなかろうか。
甲虫の脚や外殻に光が反射している様を演出できないか。
この使い方に限って言えばベリーも黒や緑に塗ってしまえば良いのかもしれないがそうはしない。
それでは見た目があんまりよろしくないと思うのと通常の様にヒラを打たせてオレンジで興奮させてバイトに持ち込んで釣りたいというビルダーの都合。
ピンクや紫のモデルは意外と視認性がイイ。
こちらから見える割にはギラギラとしているわけではないので、アピールを少し押さえたい時に好都合だ。
こんな柄のミノーは普段見たことないだろうから魚にとって新鮮に見えるかもしれない。
そして、こういうので釣れたら楽しいのである。