要は、現状の中々滑り出さないドラグワッシャーの材質を摩擦抵抗の少ないものに変えてやれば良いと考えた。
摩擦抵抗が少ないある樹脂のワッシャーを製造会社に注文して取り寄せた。
組み込みで融通が利くように厚さ違いで2種類。
とにかく滑り出しやすいようにしてやって、止まらない様ならブレーキを掛けるようなものを追加すればいい。
最大ドラグ力は下がってしまうが実釣で重要なのは調整の利く実用ドラグ力なのである。
渓流での使用ラインは太めでも6lb程度(モノフィラの場合)だと思われる。
ラインを通し、ロッドに負荷をかけてみるとわかるが500gの負荷でもかなりロッドが曲がる。
バットの強いレボでも結構な負荷が掛かる。
実際に魚を掛けた時でもここまで曲がることはめったにない。
この事から、おおよそ設定が最大300~400gまでのドラグ負荷で滑らかに滑り出し調整が利くようにすればよい。
2kgのドラグ力なんて必要ないのだ。そんなに負荷を掛けたら渓流用ロッドは折れるんじゃないか。
ここで先日のペットボトルが活躍する。
これを重りにしてドラグの調子を見る。
容量が300mlなので最大で約300gの負荷になる。
これをラインの先に結んでドラグを滑らせるのだ。
取り寄せたワッシャー(以下Wワッシャーという)を早速組み込む。
組み合わせを何回か試して、純正1枚Wワッシャー3枚の4枚仕様とした。
次にロッドにセットして滑り出しを確認する。
負荷は200gちょっと。それでもこれ位曲がるのだ。
始めは300まで水を入れたがロッドがずいぶんと曲がってしまったため、この程度とした。
ラインはVEP5lb。
まずはしっかりと締めこんで滑らないようにしてボトルを釣り上げる。
ドラグノブを1ノッチ毎に緩めていく。
今までの純正ならばあるところで一気に、ジッーとなってボトルがそのまま落ちてしまう。
カチ、カチ、カチ。
ジッ、ジッ、ジッ。
ドラグが滑り出した。ボトルはゆっくり落ちていく。
さらに1~2ノッチずつ緩める。
ジジジ。
バネの音が少しずつ繋がっていく。ボトルの落ちるスピードも早くなる。
緩めていくと連続してジッーと滑るようになった。
今度は逆にボトルを下においてティップ近くまでラインを巻いてスプールを抑えて、ボトルを持ち上げる。
スプールを開放しボトルを落としながら今度はノッチを少しずつ締めていく。
ジッー が
ジジジ になり、
ジッ、ジッ、ジッ
となった。
純正から比べるとかなり滑り出しは向上したように感じられる。
実釣テストはまだなので実際の使い心地は分からないのだけれど今から楽しみだ。
まずはこの仕様で試してみてセッティングを詰めていこうと思っているが、さらに微調整が利くアイデアが幾つか浮かんできているのでそれも試してみたい。
なので、夏あたりにその6があります。
カーディナルは何回も復刻されてますが色を変えたりだとかサイレント仕様にしたりだとか、あまり実釣では関係ない部分にお金を掛けたりしています。
3万円以上するのにドラグ性能なんかは国内メーカーの1万どころか5千円クラスのリールにも勝てないのはいくら何でも淋しいと思います。
構造が違うので同レベルというのは難しいでしょうが、メーカーだからこそ改良できる部分というのがたくさん残っていると思うのです。
(メーカーならではの変更はXシリーズくらいではないでしょうか。)
でも、あまり大胆に仕様変更すると”カーディナル”ではなくなってしまうのかもしれませんが。