モノを作ることにおいてすべてが良品となることは無く残念ながら不良品が生まれてしまう。
外観については見る人によって基準が曖昧で、比較的大らかな人もいればデリケートな人もいる。
感覚的な問題でもあるので人によって様々だ。
しかし、機能面については基準が設けられているはずだ。
定規は正確に長さを計れなければならないし、真っ直ぐ線が引けなければならない。
それがどの程度正確に測ることが出来るか、どれだけ曲がりなく線が引けるのが問題でメーカーが設定した規格内に収まっていれば良品ということになるのだろう。
しかし、そうやって出荷され市場に出てきたものがユーザーが疑問を抱くような仕上がりである場合、はたしてそれが良品であるといえるのか。
ずっと以前に鱗目用に単目ヤスリを通販で取り寄せた。
左と中央の2本だ。右には比較に同じ単目のニコルソンを置いた。
さて使おうと思って作業机に置いてみたらカタカタと落ち着かない。
よく見ると捩じれるように歪んでいる。確認したらもう1本もそうなっている。2本共だ。
削るという本来の目的で買った物ではないのだが、これはどうか。
ユーザーがこれにどのような印象を抱くかは決まっていると思うのだが、メーカーから直接購入した2本ともこうなっているのだからメーカーはこれでも ”良品” と判断して出荷したのだろう。
だが、これでは綺麗に削ることは難しくムラが出来るに違いないし、手元がぶれて使用感も悪い。
工具なのだからきちんと加工できるものでないと良品とは言えないはずだ。
目に見えて歪んでいるのだから規格に当てはめるまでも無いと思うのだけれど。
これで勉強したと思って以来、工具等は極力直接自分の目で確認してから購入するようにしてます。
私はユーザーが疑問を持つようなものは規格内であろうとなかろうと良品とは言えないと思うのです。
この事についてハンドメイドルアーは手作業による仕上げによりどうしてもばらつきが避けられないことと、ビルダーの好みが反映される商品であるが故に難しい問題です。
色が流れている・傷があるといった外観問題は程度に依りますが誰の目にも見えること。
ですが、泳ぎに関しては正にビルダーの好みが反映される部分でしょう。
ビルダーが想定した状況から離れた使用条件で使えばあまり良い印象は受けないかもしれません。
ダウン用のミノーをアップで使っても使用感は良くはないでしょう。無理があります。
モルフォのミノーには適合使用ラインlb数やフック、シチュエーションを記載してあります。
その範囲内であれば本来の泳ぎ・パフォーマンスを発揮するということです。
このような条件で使っていただきたいという勝手なお願いではありますが、ばらつきを抑え性能向上を目指して製作しております。