帰宅して早速現物を確認する。
いつも使っている復刻版33のものと比べると、白っぽくアルマイトしたもののように見える。
判別方法は重量測定による。
アルミならば真鍮の1/3以下になっているはずだ。(比重 アルミ 2.7 真鍮 8.45 )
結果、やはり購入品はアルミ製だった。
いつも使っている復刻版33と予備の04年(たぶん)復刻3のものと比べると、0.9g軽くなってます。
本来ならこれで終わる話なんですが、見てて少し違和感があったんですよね。
よく見てみると寸法が変わってるところが有りました。
スクリューの裏側にあるベールスプリングのL字ポイントを逃がすための溝です。
見難いですが写真を拡大すると、購入したアルミ製のものと04年復刻の3のものと同じように見えます。
この二つと比べると、いつも使っている89復刻33のスクリューの逃がし溝は、外径が僅かに広く浅くなっています。
さらに注意して見ると、04年復刻3の溝外周にL字ポイントが擦れて削れた跡があり真鍮の地肌が出てきています。
つまり、復刻3と同じ寸法であろうアルミ製のものでもL字ポイントと干渉する可能性が大きいということです。
89復刻33(760301)のスクリューは、僅かに溝が広いためか長年使っていますが削れた様子は無く綺麗なものです。
溝底と干渉するならL字ポイントを少し短くしてやれば簡単に解決しますが、外周となると個人では手を加えることは困難で何ともならないでしょう。
グリスをしっかり塗って位しかすることはありません。神経質な人はリューターで削るとか。
カーディナルは個体差があるので(ありすぎる?)、アルミ製と復刻3だからといって全てが干渉するわけではないでしょう。
実際干渉しているけれど気づかないまま使っている人も多そうです。
普通は寸法に少し余裕をもって設計するものだと思うんですが、なぜこの部分の寸法を変更したのか。
復刻33に付いてるスクリューの形状のほうが安心で、こちらをベースにすべきでしょう。
気になるのは、33や3の補修パーツとして注文した釣具店に納品されたのがすべて真鍮製からアルミ製に置き換わっていたことです。
アルミ製スクリューが登場したのは3Xの時が初めての筈ですが、少し前から(いつからかははっきりしないが)メーカー(瑞穂?)がベールマウントスクリューの補修パーツとして生産しているのはアルミ製のみということになります。(たぶんね)
勝手な予想ですが、「2種類を作り分けてこれから在庫管理するのが面倒だからさ、もう作るのはアルミ製だけにしちゃえ。気付く奴もいないだろ。」・・・という事なんじゃないかと。
本当のところは分かりませんが、こういった変更情報が販売店にも公開されていないことを考えるとあまりいい事とは思えません。
1g軽くなるからと言ってリールの軽量化できると喜ぶのは早計。
このアルミスクリューだけ交換するとローターバランスが崩れるので、ブレが少し大きくなります。
何を重視するかは人の自由ですが、全体の事を考えてやらないと本来のチューニングとは言えないですよ。
以上、マニアックすぎる話でした。
ちょこっと追記:
どうやら3X以降の復刻版には今回取り上げたアルミ製スクリューが標準で組み込まれているようです。同様に反対側のスクリューも頭が厚いものに変更されています。(新たに部品番号が当てられている模様)
目的は当然ローターバランス改善です。(軽量化にはならないはず)
よって、交換する場合は左右セットでの取り付けをお勧めします。
ローターバランスが改善されれば、多少ですがピニオンギアブッシュの寿命が延びる筈です。