鱒釣りの道具にはウッドが良く似合う。
考えてみればこれほど親和性が高い釣りは他には無いのではないか。
最近のロッドのリールシートは大抵、銘木やら何らかのウッドが使われているし、ランディングネットももちろんウッドだ。
リールのノブにもウッド製のものがあるし、プライヤーもグリップがわざわざウッドでカスタマイズされているものもある。
おそらく殆どの人が何らかの形でウッドが使われている道具を持っているはずだ。
リールシートやネットのフレームなんかは機能的にはプラスチックで十分だし、コスト的にも有利なのだろうが、それでは何ともそっけなく見た目も淋しい。
たぶん、そういうロッドはブランクが良くても売れないだろうなと思ってしまう。
プライヤーなんかはラバーグリップの方がよっぽど実用性が高いと思うけど、それでも好きで花梨なんかのグリップにカスタムしたものを使いたいという人は少なくない。
鱒釣りの道具は実用性だけではなく雰囲気も同様にあるいはそれ以上に大事にする遊びなのだ。
見た目も性能の内ということか。
上の写真もウッドである。 (海外サイトよりちょっと画像を拝借)
随分と色鮮やかなものが並んでいるが、右上・右下・左下辺りのものは色合いもよくリールシートに使ったら似合いそうだ。青や緑は奇抜すぎる。
これらはスタビライズドウッドといって、サラサラな樹脂を真空含浸させた後に硬化させたもの。
それによって杢目を強調させたり、ある程度自由な色に染められるのだ。
加工前後でこんなにも鮮やかに杢が浮かび上がる。
樹脂が中まで滲みこんでいるので防水性は良好だし強度も上がっている。
その分重くなっているがリールシートなら掌に収まるパーツなので重くは感じないはず。
上の4点なんか個人的にそそられるサンプルだ。
スタビライズドウッドは日本ではあまり馴染みは無い様で、日本語検索してもそれ程ヒットしない。
ナイフの柄やフライのリールシート、アクセサリーとかで幾らか使われているようだが、ルアーロッドのリールシートではまだまだ使用例は少ないよう。
その内、有名ショップのオリジナルロッドでどっかが採用してくるんじゃないかと思っているのだけれど。
海外では結構ポピュラーらしく、加工済みのウッドだけではなく樹脂そのものも販売されている。
調べたところ真空ポンプさえあれば十分に個人でも製作可能らしく、そういった動画も見つけることが出来る。
これでまた悩みの種が出来たぞ。