これらは昨年の十和田湖での試作品での実釣テストの成果です。
トップコート未の急造品でしたが、手ごたえを感じさせるのに十分でした。
今回の量産品は昨年のテストを踏まえ、もっとこうしたら使いやすい・釣れるはずというアイデアを追加しています。
接岸した個体を狙うとはいえ、湖で使うものなので、なるべくキャスティングのストレスの少ないものにしたい。
これには、ウエイトを少し後方に配置したことに加え、この後ろ寄りにボリュームを持たせたボディデザインが効果的なのです。
キャスティングの際にはお尻が前を向いて飛んでいきます。
当たり前ですね。
流体抵抗を少なくするには、進行方向に対してボディが前後対称ではなく盛り上がりのピークが前寄りにする必要があります。
分かりやすい例として、高速で泳ぎ続けるマグロやカツオの体形を想像してみてください。
前後対称ではなく、ボリュームが前寄りになっていますよね。
アマトンのボディは、これを反転させたようになっているのです。
リップもなるべく寝かせて飛行時の空気抵抗を受けにくくなっています。そうなると水噛みが悪くなりそうですが、水中では常に前傾姿勢をキープし続けるのでそうはなりません。
フローティングのバルサボディのミノーですが、安定した飛行姿勢で飛んでいきます。
最後にカラーリングについて。
ヒメマスは蛍光色に好反応を示します。
どういう理由かは分かりませんが、とにかく彼らはこんな色のものが目の前を通ると我慢できなくなるようです。
好都合なことに人間の側からは視認性が良く大変見やすく、魚の反応を確認しやすくなります。
ただ単に釣るだけなら、蛍光色べた塗りで事は足りそうですが、魚側からの視点から考えるとどうでしょうか?
蛍光色のべた塗りは目立ちはしますが、ルアーがモコモコと泳いでいることは分かるものの、動き自体を目で追うのは意外に難しく感じます。
どうせなら彼らに的の動きを認識してもらった方が、フッキング率は向上するはず。
ベースの蛍光色の上に何かしら、クッキリとした色で何かしら模様を入れてやるとルアーがどんな動きをしているのか判別しやすくなります。
コンデックスキングのテントウムシカラーやクロコダイルスプーンのハハハ模様、セルタのブレードの縞模様、タスマニアンデビル・・・これらは昔からあって今も現役です。
名作として生き残ってきたものには釣れる理由がちゃんとあって、これらのカラーリングについては模様は違えど同じ考えなんだと思います。
こういうものを目の前で、何度もチラチラ・ゆらゆらとされると彼らは堪らずバイトしてしまいます。
産卵のために浅場に危険を覚悟の上で接岸してきているのだから、特に雄は邪魔者が近くに来たら我慢できずに排除しようとします。
人も離れていれば気になりませんが、ハエや蚊が顔の周りを飛ばれるとイライラして思わず叩き落としたくなるのと似たようなものなのではないでしょうか。
アマトンは、イーハトーヴ釣具店さんにて販売中です。