その鳥は、狂おしく身をよじるように泳ぐという。
水辺の黒い怪鳥、カワウ。
ここ数年で、随分と数を増やしてきていて本流筋や開けた川で釣りをすれば必ずと言っていいほど姿を見ることが出来ます。
ハッキリと増加を意識したのは5年くらい前でしょうか。
10年くらい前なら、気になるほどではありませんでした。
岩手で初めて見かけたのは、閉伊川でサクラマスを狙っていた時。ゆったり館前の淵で釣っていたところにやってきて、潜ったと思ったら30秒ほどでウグイか何かを咥えて浮かんできました。
その頃は、大したもんだなー位にしか思いませんでいたが、彼らは1日に500gとか食べるらしく数が増えた現在の影響は大きいものになっています。
本流において影響が顕著なのか、淵で以前は見られたウグイ等の雑魚がめっきり少なくなりました。もちろん、鮎やヤマメも。
河川環境の悪化ももちろん大きく無視できませんが、膝くらいの瀬からは釣果があるのでカワウが泳ぎ回りやすい淵や深瀬では食害が大きく、逃げてきた魚が浅場に寄っているんだと思います。
以前、和賀川に中州があり、カワウの営巣地になっていました。そこに重機を入れて雑木林を均してしまい、居場所を無くしたカワウが拡散してしまいました。
何のための工事だったのかよく分かりませんが、困ったことに分布拡大を早めてしまったことになります。
現状、放流してもカワウに餌をやっているだけなのでは?とか思ってしまうのだけど、いつまで数が増えるのかというとピークに近づいてきている気がします。
餌の量には限りがあります。細い支流やダム上の沢筋、用水路でも見かけるようになってきました。という事は、今までの本流筋では餌が足りなくなったため、取り合いに敗れた個体がやむなく泳ぎにくいであろう細い流れまで遠征してきているのではないかと。
近い将来、魚も少なくなりカワウも減少する?のかもしれません。
その時には、釣果を得るのが今以上に難しくなっているのかも。