2013年9月22日
岩手県内陸河川
前日に引き続いて今日も釣り。
禁漁まであと少しなのでこの時期はいつもより頻度が増し気合も入る。
だが今日は何日か前の強力な大型台風により、かなりの降水量がもたらされた地域での釣りになる。
知り合いの方2人と川を巡る。 私の知る地域ではないので河川の選択はお任せ。
途中、車中から見える本流の増水の後が痛々しい。 大きく曲がったカーブは外側が大きくえぐられている。
相当量の水と土砂が流れていたようで川原が均されてしまっている。
この感じだとこの本流は来年はずっと何処かしらで工事が行われていそうだ。
当然、支流筋での釣りになるが何処もかなり増水した後が見えて状況としては厳しい。
流されてきた土砂によって岩盤の凹凸や大小の岩、淵が埋まり平たい瀬になってしまっている様子が初めて訪れる私にも分かる。
川の元の姿が無くなりポイントとしてのメリハリが乏しい。
何本か川の様子を探るが釣果としては3人ともパッとしない感じ。
知り合いの方にプロトのミノーを貸して具合を見てもらうがこの日は普段釣ることがあまりないニジマスもいたけれど、釣れてくるヤマメ・イワナの数は少ない。
やはりかなりの数の魚が流されてしまったよう。
次の川は周りが畑や田んぼの脇を流れる小さな川。
田んぼ側の片面が護岸になっていたりする。
私が護岸をズリッと下りて釣ってみることにして2人は上から見学というか監督というか。
前は短い区間ながらかなり遊べたそうなのだが、この川もメリハリが無くなっている。
打つべきポイントが少ないので進むのは早い。
少し進んでいくと、上流がカーブしてそこまで深くはなさそうだが何とか淵と言えるものを形成している。
(足元には砂利が多いので前より結構埋まったはずだ)
カタに立って流れ込みに向かってレテノールを投げる。
ほんの少し沈めてからトゥイッチしてアピールさせる。
上から見ている二人から、
追ってる、追ってる! 結構大きい!
と声が掛かる。
が、こっちからは水面は白く反射して足元近くにミノーが来ないとさっぱり見えない。
初めての川なので元がどういうポイントなのか分からないので殆ど想像で誘う。
そのままミノーは帰還。
さて、どうしよう。
ミノーに興味は示してくれている様なのだがバイトまではしない。
私は大抵、より派手に動くミノーに換える。
次は2013年プレゼントミノーのキプリスをプレゼント。
これにもヤマメは反応しているそうだが(2人からは見える)、まだ口は使わない。
派手なのに変えてまだ反応はしているがヒットしない。
んじゃあ、次はレンジを下げてやろう。
Kさん、さっきのあれ、返してください。
護岸上のKさんから朝に貸したプロトを受け取る。
プロトに付け替えて1投目。
着水とグリグリっと巻いて潜らせて何回かトゥイッチした後、ガッ!とミノーが掴まれた。
年に何回も無い狙い通りの展開にテンションは急上昇。
ハンドルを巻いて寄せてやっと姿が見えるところまで近づいてきた魚体を確認する。
グッグッと首を振って抵抗するのは雄のヤマメだ。
そのまま浅場に誘導してフィニッシュ。
これは・・・。
上で見て(監督)していた二人が下りてきて
尺あるんじゃね~かぁ?
と声を掛けてくれたのだが、
いや~、無いです。
ファイトの最中からこれは尺には少し足りないことは分かっていた。
なぜなら前日に同サイズのヤマメを釣っているから。
サイズを計ったら、やっぱり29cmなのだ。
増水中は餌を取れなかったのかお腹が凹んでいる感じだけど、イイ顔してる雄ヤマメ。
結果より嬉しいのは狙い通りにヒットまで持ち込むことが出来たこと。
こういう状況を想定して試作したミノーにヒットしたこと。
今までの苦労が報われた瞬間だ。
Tackle
Rod Casket Revolution RB55MS
Reel Abu Cardinal 33
Line ナイロン5lb
Minnow Rhetenor 48S Arrow53プロト Herena53SMDTプロト Cypris55S
2013年9月21日
岩手県内陸河川 北上川水系支流某沢
数日前に非常に勢力の強い大型台風が上陸した。
岩手県北部には相当の降水量をもたらし河川に深い爪痕を残された。
私の住んでいる地域には目立った被害はなかったが、本流での水を見るに今シーズンは強制的に終了となるかと思われた。
それでは沢はどうか。あと1日置いた方が良いかと思われたが友人に行かないかと誘われたので規模の小さなダムに注ぎ込む小渓流に足を運んだ。
現地に着いてゲーターを履いてタックルをセット。
川に降りるとやはりまだ増水していたが、釣りは出来る。増水で底が洗われ川底が白っぽくなっている。
濁りは問題なし。
ミノーをポイントに打ちながら進んで行くが、カーブや落ち込みが砂で埋まりかなり浅くなってしまっている。
小渓流なので水位が膝上もあれば1級ポイントになりうるのだが、以前のそれの数は減少してしまった。
元の深さ近くまで戻るには何年もかかりそうだ。
ヤマメもまだ付き場には戻れてはいないようだ。ダムへ流された個体もいるだろう。
おそらく深さがあり流れの緩いポイントに避難しているかその前後のポイントに散らばっていく最中だろう。
そんなことを考えながら歩くと最初の堰堤にぶつかる。
この川にはいくつかの堰堤と魚が容易には越えることは出来ない滝があり、それらによって区切られている。
またしばらくすると二つ目の堰堤が現れる。
ここまでは何匹かのヤマメとイワナを釣ったのみでこれといった釣果は無い。
堰を越えると状況が変化しだす。
カーブの深みや淵、ストラクチャー周りから高確率で魚が顔を出し始めた。
僅かばかり勾配が緩くなってきたので瀬にも魚が戻ってきているようだ。
3つ目の堰堤下では水の押しが強くミノーが通しにくい状況だったが友人と共に4匹程度釣り上げることができた。いつもは殆ど出ないことが多いのだが増水によりスレがリセットされたか。
釣れたのは8寸程度だが雄は婚姻色に染まり季節の変化を感じさせる。
2つ目の堰堤と3つ目の区間で今日、この川での今までで1番のヤマメと出会った。
写真中央より少し上流にレテノールをプレゼントし、トゥイッチしながら巻きはじめてから直ぐに上流からスーと今までよりも大きな魚が追いかけてきた。
予想に反して奥の岩盤沿いではなく手前の浅い砂地からの登場に、
おおぅ!
と声が出る。
そいつはそのまま躊躇することなくミノーを咥えこむ。
流れが緩い浅場なので丸見えだ。
アワセを入れてやる。カーディナルのドラグが少し鳴った。
ぐねぐねぐね。
抵抗の仕方と色からそれが色付いたヤマメの雄だとすぐに分かった。
掛けた場所もあって直ぐにネットに納まったが、魚体を見るとえらく太い。
浅場に石を組み上げて生け簀を作り上げる。
ヤマメをそこに放し、メジャーを当てる。
29cmだ。あと1cm足りない。
ネットの中に収めた時は太さと重さから尺上だと思われたのだが。
厚みがとてもあり腹を下にして立つほどだ。頭蓋骨ががっしりしている。
パーマークは縦に流れ、背中の黒点は紅が滲んでいる。
見事だ。1cmの問題など大したこと無いと思わせるほど見事な魚体だった。
この川では最大9寸程度だと決めつけていたのだけれど。
この台風を生き抜き、今まで釣り人からも逃れてきたヤマメ。
水量も少なく、堰堤で区切られ自由に移動できない不便な水域だが、こんなヤマメも潜んでいる。
それが分かったのが嬉しかった。
今シーズン出逢った魚の中でも特に印象に残った1尾である。
帰り道は林道を下る。
街から数十分でこんな景色があり、あんなヤマメが居る。
車まではずいぶんと歩くことになったけれど足取りは軽快だ。
Tackle
Rod Casket Revolution RB55MS
Reel Abu Cardinal 33
Line ナイロン5lb
Minnow Rhetenor 48S Arrow53プロト その他プロト
2013年9月9日
岩手県北部内陸河川
9月に突入した。もう少ししたら禁漁という意識が頭を支配しようとしている。
今年は残念ながらまだ尺を釣っていない。
実はこれより少し前にとある本流筋で明らかに尺上であろう雄ヤマメを掛け、手元でバラした。
全身が淡く赤く発色しているのがはっきりと見えた。
さっさとネットインすれば良かったんだ。
同行していた知り合いの人(Oさん)に見せようと声を掛けようと思ったらこれだ。
全ては自分のミス。あれは冷静にしていれば獲れたヤマメだったんだ。
ちょうど試作品のシェイクダウンにあまりにも出来すぎな魚がヒットしてアドレナリンじゅるじゅるでテンションが上がっていたんだ。
ずっとそのことが頭から離れない。
尺ヤマメとはどうしてこうも悩ましい存在なのだろう。
今日はあの時と同じくOさんが一緒だ。実に心強い。
この日周るのはOさんの勝手知ったるところだけど私は初めて訪れる川ばかり。
もちろん気合を入れて早朝からだ。
さっそく1カ所目。
本流に注ぐ小さな沢筋。
釣り始めてしばらくは魚の姿が見えなかったけど、岩盤の縦のスリットから最初のヤマメがアタックした。
26cm程だったけどシルクのような肌をしていて朝日を浴びてとても輝いていた。
最初の1匹目がこんな魚だと気分が良くて、今日はイケるんじゃないのかと期待してしまう。
でも、この川は数は釣れなくてOさんが最後の方に9寸を越えるくらいの雌ヤマメが釣れたくらいだった。
(何気なく貸したオイカワカラーの試作品でしっかり釣っていた。作った人より良い魚を釣っちゃうのである。
フクザツな気分だが嬉しい。)
移動する。
次も規模は小さい方。魚はチラホラ見えて8寸程度が反応してくれたりしたが、釣れてきたのは15cmだ。
しかも堰を越えるときに太ももの筋を変に伸ばしてしまった。
痛いぞ。
この日はそれから暫く痛みと付き合うことになった。
また移動。
すこし水が増えた。ここはヤマメよりイワナが多いらしい。実際釣れたのはイワナで、他に見えたチェイスもイワナ。依然とは渓相が変化したらしく浅くなって魅力が減ったとのこと。
1時間もしない内に見切りをつける。
またまた移動。
Oさんは引き出しが多いです。色んな川を案内してくれます。
今度は里を流れる細流。
大きな石は無いけれど所々深くなったり、定期的に表れる落ち込みが主なポイント。
正直かなりやり難い。
枝や葦が邪魔をして私のキャスト技術では手に余るポイントもたくさん。
こんなところルアーでやろうと思う奇特は人は我々以外にはなかなか居ないですよね~
そう話しながら、ポイントの難易度に度々悶絶しながら釣り上がっていく。
ここではOさんが先程イワナを釣ったのみだ。
何番目の落ち込みだろう。
左右に分かれて水が流れ落ちている。
左の方が流れがはっきりしている。そちらを先にアプローチした。
幸いなことにキャストをいじわるする枝などは無い。
何度か投げ入れるも今までのポイントと同じように沈黙。
続いて右側だ。
そんなには深くは無いのだろうが底の様子は見えない。朽ちかけた杭が刺さっている。
ヒュッとミノーをプレゼントして2、3回トゥイッチを刻んだ直後、ガッタン!と一気にロッドがベリーまで引き込まれそうになる。
アワセも必要ないと思われるほどの衝撃の後、水中では赤い影が踊っている。
小さな落ち込みに走り回る程のスペースは無いからその場でもんどりうって針を外そうと必死なのだ。
既にヤマメは目の前、左手で背中のネットに手を掛けようとしていたところ、
そのままズリ上げたほうがいい!
Oさんがアドバイス。
確かにこの状況ではそっちの方が早かった。後ずさりしてロッドをぎゅーとあおって溜りに誘導した。
すかさず二人ででヤマメの逃げ道を塞いだ。
ネットに入れてフックを外す。
アルカトラズのような堅牢な生け簀を作り上げネットを移動する。
婚姻色に染まってきた雄だ。
Oさんが言うにはココのヤマメは赤いのが特徴的なのだそうだ。
サイズを確認すると何とか尺あった。
何枚も撮影した。
しかし、この発色をうまく写すことが出来ない。
もっと内側から滲み出すように紅が発色しているというのに。
そして釣り上げた直後から少しずつ色が変わってきている。
興奮しているのか、ストレスからか。
もう十分。
これ以上消耗させるのはかわいそうだと両手でそっと抱えて元の落ち込みに放した。
Oさんと握手をがっちりと交わす。
なんとか尺が釣れました。めぼしいポイントを殆ど譲ってもらえたから。
素晴らしいヤマメに会わせて頂きました。
Tackle
Rod Casket Revolution RB55MS
Reel Abu Cardinal 33
Line ナイロン5lb
Minnow Arrow53プロト その他プロト
2013年8月20日 1日目
岩手県内陸河川
ここ最近はまとまった雨が降っていなかった。シーズン中に何度か訪れるこの川も渇水状態だ。
だが、去年に比べればかなりマシな方で昨夏は悲惨な状態だった。
川幅も1~2m程しかなく水深も10cm程度で小川の様になっていたのである。当然の様に水温はかなり高い状態であったはずで、そんな状態の川を見てロッドを振ることも無く引き返していた。
今年は釣れないのではないかと思っていたのだが、シーズンが明けて雪代も落ち着き始めた頃に様子を見に行ってみるとヤマメとイワナがいつものようにルアーを追ってくれたのである。
安堵感と彼らの生命力に驚かされた。
そんな川をしばらくぶりに釣りに行った時の話。
昨晩から当日の午前中にかけて雨が降った。
ムクムクと釣りに行きたい衝動に駆られる。午前中に作業が区切りのよいところまで行っていたのでそそくさと準備を始める。(こういう時の行動はすこぶる早いのだ)
13時出発。14時前に現場着したのだが、駐車したところでアブの大群に取り囲まれる。
これではゲーターを履いている内にかなり被弾してしまうので林道の入り口まで一旦引き返して、そこで準備を整えて再度アタック。
ベストやロッドを降ろす時に車内にテロリスト共の侵入を許したが、被弾せずに車を離れることが出来た。
川の状態はどうか。
雨は降ったが水量は少ない。これでも幾らかマシになったのだろう。濁りは全く入っていない。
ガイドにラインを通しスナップを結ぶ。短い瀬にアップでレテノールをプレゼントすると1投目からコンタクト。
3投目で20cm無い位の可愛いヤマメが掛かる。他にも2匹ほど見えていたから活性は悪くなさそうだ。
釣り上がっていく内にはっきりしてきた。
渇水はしているが活性はすこぶる良い。渇水のため暫く釣り人が入っていないのだ。
足跡一つ見られない。
活性は良いのだが渇水しているため1つのポイントで誘える距離は長くても3m程だ。
平均2mで魚に見つけてもらいバイトに持ち込まなくてはならない。
こういう状態を苦しいと思う人もいるだろう。それは人それぞれだが、私はテクニカルで面白い。
小渓流なので目で見える範囲ですべてが展開される状態にアツくなりテンションが上がる。
攻略出来た時にはこんな風にご褒美がもらえる。
釣れてくるのは20cm前後が殆どなのだが狙って釣った感が高いので気分がイイのだ。
写真のもので26cmだった。この日の最大魚だ。
高活性の要因として午前中からの雨から続く曇り空があるのだろう。軽く白い靄がかかっている区間もあった。水面の照り返しが少ないのでこちらとしても助かる。しかも、全然暑くなく涼しいくらいだ。
誘える距離が短いのでチェイスさせてもバイトに持ち込めなかったのもかなり有った。
それでも、2時間半程度の釣行で15匹は釣れた(20はいってないはず)。
そして、この日の状況を楽しめたので良かった。
水量豊富な本流でのやりとりも魅力だが、今日のようなテクニカルな状態もいいものだ。
要は自分が楽しめるかどうかと思うのだ。
1日目終了
2日目へ
2013年8月22日
前から試してみたいことがあった。
自分が通うことによってその川へどれだけプレッシャーを掛け、スレさせているのか。
それを確かめてみること。
2日後、前回と同じ川へ向かった。
前回入渓した地点から少し下流から今回は釣り始めることにする。そして、前回の区間に突入してから魚の反応がどのように変化するのかを観察する。
前回と今回の間に誰にも手を付けられていないことが前提ではあるけれど、ここしばらくはこの川は釣り人は少ない様だったからやってみることにした。
今回は朝から川へ降りる。
前回よりも数cm減水している。探るべきポイントがさらに短くなっている。
今日も活性は高い様ですぐさまチェイスが見える。
サイズは相変わらずだが、もの凄いスピードでチェイスしてくる。
しかし、追ってくれる範囲は短くそれが過ぎれば同じく凄いスピードで戻って行く。
胸鰭を張り出して応戦する姿にこちらのスイッチも入ってくる。
上の写真のようなところは結構な大場所で2匹がチェイスした。
真ん中に筋が通っていて邪魔するものが無いので比較的キャストはしやすい。
川幅は3mよりは大きいかなという位。水深は筋の中央で20~40㎝。
川幅は大体これ位で続いていくが、広がったところでは水深は浅くなり10㎝も無くなってしまう。
こんなポイントも有ったりする。
岩盤帯に出来たポケット。左側が上流。直上には枝が張り出して意地悪している。
左奥の白泡目掛けてプレゼントして斜めに横切らせる。
80cm。時間にして2秒あるかないか。そんな状況でも魚は気付いて下からもんどりうって出てくる。
3投目で掛けることが出来た。
今回はこちらの釣り人側の勝利だ。
そうしながら、前回の区間に突入する。
あれから人は入っていないと思うのだが、やっぱり反応が鈍ったのを感じる。
それらしいポイントには魚が入っているのだが追ってきたときのミノーとの距離がこの前よりも空いている。
スピードもおとなしめだ。
小さい川なので人一人が歩いただけでもそれなりにプレッシャーは掛かっているのだ。
渇水なので魚が動いたともあまり考えられない。
ということは今反応している魚は、前回も私のミノーを見た可能性が高いのではないか。
自分が通うことによってフィールドへスレが蓄積していく・・・。
そんなことを考える。
でも、鈍くはなっても反応してくれているので、今ある技術で何とか乗り越えたい。
自分が与えたプレッシャーにアプローチの仕方、トゥイッチのリズム等を前回のとは変化させて挑もう。
区間を変えればもっと簡単に口を使ってくれる魚に出会えるだろうけど。
今回のハイライト。
倒木が川を横切り落差は低いものの落ち込みを形成している。
左側は枯れ枝が邪魔をして誘える距離が無い。
手前はかなり浅い。奥と手前では底石の色が変化しているのが分かるだろうか。
ヤマメはそこでUターンする。右手に第1投目のアプローチでやはりその反応だった。
ビューっと白泡の中から出てきて手前で急ブレーキ。
2投目もほとんど同じところに入ったが無反応。
3投目、右手の白泡が切れる奥へ入れた。
ヤマメはミノーが再び射程内に入ったと見るやアタックしてきた。
わぁーおぅ!!
こんなヤマメとのやり取りに釣り人は歓喜する。
Tackle
Rod Casket Revolution RB55MS
Reel Abu Cardinal 33
Line ナイロン5lb
Minnow Rhetenor 48S Arrow53プロト その他プロト
2013年6月中旬某日
北上川水系支流上流域
去年開拓を始めたばかりの川なのだが雪深い地方を流れるだけあって雪代が長く続いていて手が出せなかった。
実は今回の少し前にも行ってきてはいるのだが水温がまだ低くイワナの活性は高いがヤマメのチェイスは見えなかったし、途中の入渓点から他の釣り人に入られてしまったので今回はそのリベンジなのだ。
(途中から入渓した人の車が田畑の脇に止めてありましたが明らかに私有地の中でした。地元の方の迷惑になる場所へは駐車しないようにしましょう。釣り人はその土地に行って遊ばせてもらっているのですから)
さて、今日はどうだ!?と期待して入渓して間もないポイントで早速1匹をバラす。あ~あ、とか言いながらも今日は大丈夫そうだと思っていたらくっきりと新しい足跡を発見。
おいおい、昨日今日は平日だぞ、と軽くショックを受けるが時間的に今日のものではないと考えられたのでこのまま釣り上がることにする。
前回よりも水温が上がっているのでヤマメのチェイスが見られるようになっている。だが、プレッシャーがまだまだ抜けていないようで釣れてくるのはチビばかりだしちょっとした竿抜けポイントからしか反応がない。
足跡の立ち位置から見ておそらく同じルアーマンなのだ。エサだとしたらかなり上手い人だ。
なので釣りあがるペースが速くなるが、しばらく歩けばあそこなら大丈夫だろうというポイントがある。
小さな落ち込みだ。リトリーブする距離は1mしかない。
2投目で黒い奴が追ってきた。3投目でヒット。目の前で掛かるのでネットインまで10秒もかからない。
やっぱり居た!
悪くないサイズで32cmだった。これでひとまず安心だ。
相変わらず川は渋い状態だけれど、緑に染まった山と川を歩くのは気持ちがいい。
時折釣れてくるチビヤマメに相手にしてもらいながら釣りあがっていく。
川がカーブし大きめの淵を形成している。結構深いのでちょっと時間をかけて探ってみることにした。
流れも結構あるので前日の人も探りきれてないと思ったのだ。
10投近くして何も反応がない。
それならば流れ込みの上にキャストしてドリフトさせながら沈めてみる。10秒程沈めてからトゥイッチ開始した直後にいきなりミノーがガツッと止まった。
大きく合わせを入れハンドルを2回回した。その2秒後にロッドはまっすぐになった。
ラインが切れたのだ。
ぅああぁぁ~!!
リールを巻いても全然寄ってきた感じはしなかった。さっきの32cmとは比べ物にならない手応え。
姿は見えなかったが40位はあったんじゃないだろうか。
根がかりではないはず。沈ませていたとはいえミノーが泳いでいたのはせいぜい1m位の深さであり、淵は水深2mはあったのだ。
凹みそうになりながらも問題はなぜラインが切れたのかだ。
スナップとの結束が弱くなっていたのかもしれない。結び変えてから時間が経っていたから、その不安はある。
でも合わせの衝撃と直後の2回転のハンドルに耐えてから切れた事を考えると、おそらく歯で切れたのではないか。
リップ付けたばかりのミノーを持ってかれた。チキショ~!
魚の方が上手だったのだ。いつまでも立ち止まっているわけにもいかないので先へ進む。
いつの間にか足跡は消えていた。そのせいか主にイワナだが反応が良くなってきた。
大きな堰堤に行き当たる。今まではここで終了としていたが今日は高巻きして突破してみる。
先人の残したロープを頼りに急斜面を上って堰堤の上に出た。
堰堤の上は渓相が違っていた。下流は岩盤が絡んだりして岩も転がっていたりするいかにもな渓流なのだが、上流は大きな石は少なく丸い小さな石ばかりで大きくてもこぶし大程度のものだ。
勾配も緩くなっている。かといって魅力がなくなるというわけではなくオーバーハングがあったり適度にカーブしているのでポイントの数は少なくなるものの楽しめそうだ。
堤上にプールはなかった。オーバーハングに打ち込む。そこからミノーが抜けてくると2匹チェイスしてきた。
おおぅ!
すぐ隣のオーバーハングに入れても同じだった。
結局、ヒットはしなかったが1投目の反応は素晴らしく良い。でも、すごい勢いで出てくるがあと1歩という感じなのである。
それならばとレテノールからミノーをチェンジだ。
アローの53だ。ちょうど最終調整中のミノーなのだ。
これが当たりだった。目に見えてヒット率が上がった。アクションのタイプの違いによる変化なのだな~と実感する。
それから釣りを終えるまでアロー53で通した。上流は8寸無いくらいがアベレージか。カーブした淵などにはそれなりのサイズが入っている。
尺上2本、それ以下多数。
どれもピカピカである。コンディションは文句なしだ。
それから2、3時間したところで崩落したワイヤーの吊り橋があったので登山道が離れた林道まで繋がっていると思い吊り橋の根本まで行ったが道らしきものは無かった。
どうしてこんなところに作ってあったのか不明だが、おかげで川通しで戻ることになり帰りは大変だった。
Tackle
Rod Casket Revolution RB55MS
Reel Abu Cardinal 33
Line ナイロン5lb
Minnow Rhetenor 48S Cypris55S Arrow53プロト
2013年5月6日
岩手県内陸北上川水系支流
何日か前に友人と新規開拓として目を付けていた川があった。
そして、当日その川へ行ってみると先行者らしき車を発見し出鼻をくじかれることとなってしまった。
地図を睨めっこし現在地からそれほど離れていない川へ向かった。
2本目の川も経験に無いところだ。
適当に橋の近くに駐車し入渓し釣り上がる。この時期は水量が多めで直線的な渓相もあって釣りにくいところも多かったが8寸9寸クラスも顔を見せていた。
そのまま数時間釣り上がって堰堤で終了とした。
これは6日に一人でその堰堤上を開拓した時の記録。
前回、退渓した堰堤から今回はエントリー。午前6時開始。
大きな堰堤の上はプールは無く砂や砂利が溜まっていたがすぐに良いポイントが目に入った。
緩い瀬にレテノールを対岸のオーバーハング目掛けてプレゼントするとかわいいサイズのヤマメがじゃれついてくる。
まだしばらくはヤマメが狙えるということに気分が幾分高まる。
少し進んで行くと上流から流れがカーブし程よい深さの瀬が現れる。流れと並行して流木も沈んでいて良い感じだ。
キャストするが狙ったポイントから30㎝右にずれて着水した。3投目で狙ったコースをトレースできた。
流木に沿って流しターンさせる。
ぶわり、と今までよりも大きいヤマメが白い腹を見せつける。しかし、ミノーと口までは少し距離が有る。
同じコースを通せばまた反応するが、次第に遠ざかっていく。そして、沈黙。
ヤマメの付き場の読みは間違っていない様だったから1投目で狙ったところへ入っていたら釣れていた魚なんだろう。でも、最初の2投で中途半端にスレさせてしまったのだと思う。
キャストの重要性を思い知らされる。もっと上達しなければ。
そのポイントを後にして釣り上がる。
20cm無いくらいのヤマメに相手にしてもらいながらどんどん進む。
今日は開拓が目的だから粘らず距離を優先する。ポイントを発見して次回以降にじっくり攻めればいい。
上流からカーブし勢いよく幾分の白泡を巻き込みながら流れてきている。
間違いなく魚が居るであろうポイント。
カーブの始まりにキャストしかけ上がりを横切らせる。ミノーはトゥイッチと流れによって派手に踊っているはずだ。
ドッ! と体当たりのようにアタリが伝わる。合わせを入れた途端にラインが引き出されている。
そんなにゆるい設定ではないはずとハンドルを回すがドラグはずるずると魚は下流に走っていってしまう。
ドラブノブを締めてみる。かなり緩くなっていることに焦るがいつもと同じくらいに締め直し、ハンドルを急いで回す。
魚はまだ付いているだろうか。バレたか。
ミノーの抵抗よりも重い。良かった!バレてはいない。
そのままハンドルを回すと魚体が見えた。水面で暴れたが急いでネットに掬った。
慌てさせてくれた正体は33cmのイワナだった。
少し細い感じもするが尾びれは立派であり、ポイントの1等地に居たところを見るとすぐに肉付きも良くなるだろう。
ドラグが緩くなっていたせいでフックが少し伸びていた。もう少しで逃すところだったのかもしれない。
家に戻ったらカーディナルをばらさなければ・・・と思いながらもその後も釣りを続ける。
堰堤を幾つか超えるとヤマメよりイワナが次第に元気になり渓相もまたそれらしく変化した。
数時間後、今の水量でウェーダーでは突破できないところに行き当たってしまったので、少し引き返し林道に上がった。
これより上流は水が落ち着いてからだ。
Tackle
Rod Casket Revolution RB55MS
Reel Abu Cardinal 33
Line ナイロン5lb
Minnow Rhetenor 48S Cypris55S
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