TIPS
ちょっとした小技・思った事などのお話
毎シーズン、何種類かの針を試しています。
数百本購入して、自分で使ったり、ちょっと誰かに配ったりして具合を確かめていますが、この釣りにハマる針を見つけるのは、難しくシーズン1種類見つかるかどうかというところ。
今は、ツインテールフックシステムで新たに使えるのが無いか試しています。
スレッドを巻いて、接着剤を塗って固めていますが、一般的なノズルタイプよりも刷毛の物の方が個人的にはやりやすい。
注射器のような極細ノズルもしばらく使ってましたが、刷毛の方が早い。
慣れてしまえば細かい部分にも塗布出来ます。
難点があるとすれば、接着剤の容器の口が大きくなるので、湿気の影響を受けやすく使い始めてからしばらく経つととろみが強くなってきて塗りにくくなる点。
写真の製品で、400本は塗れますが、流石にその本数を一気にやることは稀。
ドロドロにならないようにどうしてるかというと、ビンの中に乾燥剤と一緒に入れて保存しています。
こうすることで、消費期限を延ばすことが出来、最後まで使い切ることが出来る様になりました。
開封した時の状態が長続きして使えるのは気分がいいものです。
先日、塗装器具が壊れて、部品を頼みましたが中々発送されず待たされてしまい乾燥が遅れましたが、近日中にミノーが仕上がる予定です。
暖冬なのかな。
最近はあまり雪が降ることがありません。今日は風が吹いていて寒さを感じましたが、気温はそこまで下がっているわけではない気がします。
例年ならもうすぐ寒さのピークだと思うのですが、週間予報を見ても特別厳しい寒さにはならなそう。
でも、雪は2月になってから、どさどさ積もったりするかもしれないから油断ならないですね。
スタメンのキプリス48Sがボロボロだ。そろそろ自分用のを作らないといけない。
リップなんて3回付け直しているので限界に近い。
近年はサーチベイトとして、キプリスを使うことが多いのだけど、中でも緑金に信頼を置いていて一日の多くの時間にこれを使っていることが多い。
1つのポイントで粘るということはあまりしないため、カラーチェンジはそれ程しないでポンポン投げていきます。
なぜ、緑金を多く使うのかというと一番の理由は、視認性の高さ。
多少の濁りがあったとしても、金色の反射は遠くまで届いてくれるので目で追いやすく、見失うことが少ない。ルアーを見失うことが無ければ、その周りの魚の反応やチェイスにも早く気づけ確認しやすくなるということです。
これが凄く大事。
それと、Gベースのルアーは天気やポイントの影響による視認性があまり変わらないということも大きなメリット。
光量の少ないマヅメ時や日陰になっている場所でも見失うことが少なく、逆に開けた瀬や明るい場所・水面の白いギラツキが多い様な場所でも金色の反射は区別することが出来る。
明暗が強いと視認しにくくなるカラーがあったりするけれど、緑金はオールマイティに使えるのだ。
ここぞ!という場所に当たった時には、やっぱりコレを投げてしまいますね。
渓流ルアーは、アワセのタイミングがずれると途端に釣果に差が出る釣りだから、自分が見やすいルアーを投げるというのは重要なんです。
咥えて反転するタイミングで針先を叩き込むことが出来れば、一撃で貫通させられます。
それと釣り人のルアーケースの中は、通常圧倒的にシルバーベースのミノーが多いから、他人とは何か違うのを投げたいという天邪鬼的な性格も影響してます。
遠野とかの激戦区なんかではスレているのを強く感じます。
皆と同じのを使えば、結果も似たようなものだろうと思っているんです。
キャスティングの腕を上げるのは難しいけれど、カラーを変えるのは手軽に出来ます。
最後に、ウグイが掛かりやすくなるのが困るという話をチラホラ聞いたりします。
流れの緩いところなんかを通すとちょっかい出されることも多く、確かにGベースのルアーは彼らにも好評だと感じます。
そんな時に全体の釣果は多少下がるけれど、ウグイを避けやすくなる方法があります。
いつもよりも大きく激しくルアーを動かしてやって、わざとバイトさせにくくするんです。
速く泳がせるんじゃなくて、左右にダートさせる幅を大きくするとかそんな感じ。要はウグイがついてこれないようにして、より運動性能に優れるヤマメが掛かる確率を上げてやる。
もちろんこれは、アピールも上がってスレやすくもなるし、すでにプレッシャーを感じていた魚は警戒を強めることにもなるかもしれない。
でも、ウグイを連続で掛けてしまったら、結局その場は沈んでしまうことに変わりは無いので、やってみる価値はあると思いますよ。
もうすぐ、キプリス48Sが完成します。
今まで、プレゼントやイベントの機会向けに作ってきましたが、今回はある程度の数量を作りました。
釣りをしていて、手元に大きく感触が伝わってきているのに、どうしても乗らないアタリというのがあります。
ガツン!とこちらがビックリするほどの衝撃で、これだけの力ならば勝手にフックが貫通していてもおかしくないのにさっぱり掛からない。
釣り人に興奮と残念な気持ちにさせるアレ。
個人的には魚が直接目視できていないブラインドの状態での経験が多い気がする。
普段、小さく浅い川での釣りを好んでいるので魚が目視できることが多い。
静かにアプローチしていれば、キャスト前に定位してる者やライズを確認できること珍しくない。
それで、テリトリー争いなのかヤマメ同士が追いかけっこ・喧嘩しているシーンに運良く遭遇したことも何回か。
面白いので、どうなるのか見ていたところ、結局はどちらかが優位に立ち片方を追い払うのだが、相手を攻撃する方法に噛み付きと体当たりがあることが分かった。
回数を数えたわけではないので憶測の域を出ないのだが、体格差がある場合は噛み付きの場合が多い。
同程度の体格の場合は、体当たりをすることが増える気がする。
それはもう、結構な勢いで相手に突っ込んでいく。相手の側面を狙っているようにも見える。
これが乗らないアタリの正体のような気がするのだ。
つまり、凄い勢いでアタックしているにもかかわらずバイト(噛む)でなはいので針掛かりしにくい状態になっている。
ルアーそのものに体当たりしている。
激しいアタリで乗った場合に、スレ掛かりが珍しくなかったりするのもこういうことなんじゃないかと。
ルアーを食べようとしているのではないのですね、きっと。
体格差がある場合に噛み付きが多いのは、大きい方が有利なのが当たり前なので相手にちょっと痛い目に遭わせれば大抵はそれで決着がついてしまうからだろう。
同程度の相手では、ちょっかい出す程度ではなかなか優劣が決まらず、はっきりと自分の力を相手に分からせる必要があるのだと思う。
本日は久しぶりに30℃を超えるところまで気温が上がってました。
気温の上昇と共に湿度は下がり、コーティングに支障のない値になり不安なくドブ漬けが出来ました。
来週はまた気温が下がっていく様なのですが、湿度はあまり上がりませんように。
質問いただいたのですが、他のビルダーさんの作品を買ってみて重さを測定してみたら、カタログ値と違っていた。こんなもんなのか、それともいい加減なのか・・・。
私はそのミノーの現物を手にしたことは無いし、そんな批評できるほどの腕でもないので何とも回答しかねるのですが、作り手側からの意見を申しますと・・・
所謂、バルサ・ウッド系のセルロースやウレタンを重ねてコーティングしていくハンドメイドミノーの場合、完成品の重さの基準値から多少の増減は避けられません。
よく言われるのは、製作毎に素材の比重をぴったり揃えることが難しい事があげられますが、その他にもボディをすべて手作業で削り出すフルハンドメイドの場合はどうしても微妙に個体差が生じてしまう事。
コーティングの回数も毎回一定とは限らないこと等、複数の原因があります。
これらの原因が累積したりして、段々と誤差が大きくなっていきます。
個人的な考えとしては、基準値から10%ぐらいまでは問題ない値なんじゃないかと思います。
4g設定のミノーなら、4.3~4.4g程度までです。
大抵は基準値を大きく下回るものは少ないはずです。
なぜなら、基準値より多少軽いものであれば、それを重くするのはあまり難しくありません。
製作途中でコーティングの回数を少し増やしてやれば、0.3g程度までなら調整できる範囲です。
(0.5gまでいくと、動きの鈍化が気になります)
それに、カタログ値がボディ単体での値なのか、リングとフック込の使用時の重さなのかでも話は変わってきます。
ウチの場合は、パッケージから出した状態での重さになっています。
量産初め時に10個程度抜き出して合計を測り、平均値を記載しています。
市場に出回っているルアーは膨大な種類がありますが、カタログ値通りの製品は意外と少ないものです。私も興味本位で以前に何種類か測ってみたことがありますが、6g表記のスプーンがどちらかというと7gに近かったりとそういうものが珍しくありません。
それが表記されている重さと多少違いがあったからといって、実際に使用するときに困ったりだとか不具合が出たとか感じたりすることは中々無いんじゃないでしょうか。
極端な差(4gが実測5gになってたり)が無い限りはそれほど神経質になる必要はなく、大体これ位の重さなんだなという認識で問題ないと思います。
先週末、釣りに行ってまいりました。
陽が高くなってからの重役出勤でありましたが、御機嫌な山ガール(女)に遊んでもらえました。
この時期は陽がしっかりと当たる場所の方が反応がよろしいですね。
15時を過ぎてくると御機嫌↘になるようでした。
当日の様子はこちら。
バルサを削る際に何かコツがありますか?と質問いただきまして、そういうものがあったら私も知りたいですが、こんなのはどうでしょう。
削ったはいいものの、なんだか角ばったフォルムになってしまうそうでどうにかならんかと。
まず、四角い断面になっているブランクの角をナイフでしっかり削り落としてください。
私の場合は、基本16角までやって、デザインによってはもう少し追い込みます。
仕上りイメージに近いところまでナイフで形造ってしまいます。
紙やすりで全てやるよりも、ナイフを使った方が早いし精確に出来るはずです。
ナイフで右の状態にまでもっていきます。
そのブランクにマジックで色を塗ります。適当に赤とか、くっきりはっきりしてる色です。
20分くらい乾燥させてから、紙やすりで細かい角を落とし滑らかな曲面を目指します。
色を塗ったことにより削れたところと、そうでないところが一目瞭然です。
角が落ちて、断面が滑らかな曲線だけになると左の様になります。
ここまでくればほぼ完成で、あとはちゃんと左右対称になっているか等を確認して微調整して終わりです。
ここ数日はそれ程気温は下がらず、あまり寒いとは感じませんでしたが風は強かったりします。
先週金曜は特に強くて塗装の排気ブースから逆流しそうな勢いでした。
そろそろ来春の新製品の情報もチラホラ出てくるころですが、オフシーズンに入ってしばらく経ちまして、休日には手持無沙汰の方も居るのではないでしょうか。
シーズン中にはできないことをするのも良いですが、来シーズンのためにじっくり地図を眺めてみるのもどうでしょうか。
シーズン中に限らず、車で通りかかったりして見掛けた名も知らぬ川が気になってしまったりすることがありますよね。もちろん、これから開拓したいと思っている川も。
そんな時、私はパソコンを開きグーグルマップで確認します。
最初に地図で大きく全体を見て流程を確認。
流れ込んでいる支流や沢筋の数やその流程もチェック。
それから、衛星写真でヤマメが釣れそうな最下流と最上流に当たりをつけてみます。
この衛星写真がとても便利で場所によっては、ある程度渓相が分かるくらいに鮮明な画像を見ることが出来ます。運良く雪の融けた春先に撮られた画像ならば、周りがすっきりしています。
邪魔するものが無ければ、堰堤の有無も確認できます。
堰堤の多い川は候補として即除外。なるべく少ない川がいいですね。
何と言ってもグーグルの素晴らしいところは、ストリートビューがあるところです。
舗装されているところなら、よほど細い道でない限り撮影されています。
農家のおっちゃんが私用に使ってるような小さい橋は無理ですが、一般道に掛かる橋のところから覗けば川の規模が一目瞭然です。
釣りにかなり活用できます、グーグル。
ちょっと不便だなと感じるところは、グーグルマップでは川の名前が表示されない場合が多い事です。
その時は国土地理院地図を引っ張ってきます。
これならば、さらに詳細に等高線やらで地形を詳しく読むことが出来ます。
一般の地図には乗らない林道や堰堤も記載されていたりして、これらを合わせて駆使すれば相当有益な情報を入手可能です。
無料でここまで色んなことが分かるとは凄い時代になりましたよね。
今夜はスーパームーンだとかで月がいつもよりデカく見えるそうです。
雲が少し出てますが北上は姿を拝むことが出来てます。
いつもより明るく見えている・・・ような気がします。
ミノー製作に限らず、ちょっとした補修や作業などで瞬間接着剤を使う機会があります。
短時間で硬化しますが、ほんとに直ぐにくっついてほしい時があったりしますよね。
その時はコレです。
硬化促進剤スプレーを一吹きしてやります。
接着剤を付けて押さえてずれないようにした直後に、シューです。
肉盛りしたい時なんかで特に効果を発揮します。
ですが、非常に体によろしくなさそうな臭いがしますので注意ください。
硬化剤は直ぐに揮発していきますが喚起はしっかりした方がよいです。
先日の事、毎年の楽しみですが遠征しまして山上湖まで行ってまいりました。
場所にも依るものの、姫様はちゃんと接岸しておりまして、あるポイントでは大群を確認。(しかも、貸切!)
射程内に軽く数百匹は居ても、簡単には口を使ってくれません。
そんな中にもお相手してくださる姫様が居まして、目標としていた40cmを何とか釣ることが出来ました。
サイズは出たものの、当日は思うようにヒットさせられない魚ばかりで、腕の未熟さとこの釣りの難しさと楽しさを再確認してまいりました。
(この時の模様はいずれ釣行記で)
上の魚はミノーで釣れましたが、金物で狙うのも楽しいこの釣り。
時間としてはスプーンを投げていた時間の方が長かったですが、未熟さゆえ、この日は根掛かりに泣かされました。
次回は、リベンジです。
効果があるかは何とも言えないですが、スプーン用シングルに小細工です。
中程にスレッドで玉を作り、オレンジのエポキシでコーティングして対象魚の卵大のアピールポイントを追加してみました。
簡単に騙せるとは思えませんが、バイトの最後の一押しになってくれればしめたものです。
ウチのミノーはトレブルフック設計なんですけど、シングルフックを巻くこともあります。
小さなミノーをシングルフックでバランスさせるのはナカナカ難しい事で、いまだに納得できるものは作れていません。(アレキサンドラって、凄いミノーなんですよ。)
ミノーはまだまだだけど、それに合せるシングルフックは良さげなのがあるフックメーカーから出ていて、形状が似たような餌針を探していました。
市販されているトラウト向けのシングルフックってネイティブ用のはなぜかチヌ針ベースのものが多くて不思議に思っていましたし、性能的にもちょっと不満な部分がありました。
考えてみればチヌと鱒は口の形は違うし、餌はもちろん捕食の仕方も違いますよね。
それに釣り方も餌そのものを自然に喰わせることを重視した形が、激しく動くルアーにちゃんとマッチしているとは思えないんです。
シングルフックに関してはエリアが大きく先行していて、各種色々な形状のものが出ています。
ミノー用も幾つか種類があり、気になるモデルがあったので購入し、ある程度使ってみて従来の物より適している感触を得ました。
それと似た形状の餌針を探して購入し、巻いてみたのが上のものです。
針先はストレートに近く、ゲイプは広くありつつも全長は短めです。
この形状なら50mmクラスのミノーでも前後に絡むことはかなり軽減されますし、ゲイプは広めなのでチヌ針よりも口内深くにフッキングすることも期待できそうです。
実はこれ、頼まれ仕事で巻いたのですが、54本巻いて残りは自分用としてテストしてみる予定です。
アイの微妙な大きさをどうするか悩むのですが、材質はザイロンノットが一番使いやすかったです。
今回は手に入らなかったのでケプラーですが、ザイロンノットは張りと柔軟性のバランスが良く、潰れて扁平にならないのでリングに通しやすく好適です。
台風が来て、やっとまとまった雨が降ってくれました。
結構な降水量のところもあったようで避難勧告のでたところもあり、まだまだ増水と濁りの収まらない川もあります。
十分にお気を付け下さい。
あんまり暑いのも嫌ですが、冷房も少々苦手な私。
部屋ではクーラーなど掛けません。
マックスバリュが北上にあるのですが、いつも過剰に冷房を利かせてくれていて寒く感じるほどです。店内全体が冷蔵庫の様。
私は、夏場はあのお店には入れません。
岩手の夏なら扇風機で乗り切れます。
セルロースセメントの乾燥は気温が高ければそれは早くなりますが、同時に白濁しやすくもなります。
この白濁というのは結露そのもの、水分です。
あっというまに溶剤分が飛んでしまって気化熱で表面が冷えてしまっているのですね。
写真は30℃越えてしまっていますが、これでは高くて湿度もあり白濁してしまいます。
個人的には20℃あれば十分で、25℃以下湿度60%台以下がストレスなく進められる条件かなと思います。
塗装する場合は、ドブ漬けに比べると使用する塗料が少なく気化熱も大したことないので少々高くても問題ありません。
セルロースの瓶を開け閉めを繰り返しているとどうしてもホコリや小さなゴミが入ってしまいます。
ミノーの性能に影響は無いにしろ、美観を損ねて見つけた時には残念な気持ちになります。
厄介なのが衣服から出ているであろう繊維のクズです。
とても軽いため、どうしても舞ってしまうのです。
どうしているかというと瓶をもう一つ用意し、漏斗と濾紙を使って濾過しています。
時間は掛かりますが有効です。
小さなゴミや繊維でもほとんど取り除くことが出来ます。
ディッピングする場合、バルサを削りたての後の下地作りに使う瓶は別に用意すべきです。
表面に付いているバルサの粉を事前に取り去ることは不可能なので、何個も繰り返すうちにセルロースが必ず濁ってきます。
買ってきたセルロース原液の容器に直接入れるのだけは避けた方が良く、容器を別に3つくらい用意して使い分けた方が便利で仕上がりも良くなるはずです。
前回は、硬くて重い材でしたが今回は逆に柔らかくて軽いバルサの話。
渓流用ハンドメイドミノーは多くのものがこれを使っていることでしょう。
何回か製作したことある方ならご存知でしょうが、流通している板材は品質というか比重や硬さにかなりばらつきがあって1枚1枚違います。
見た目は綺麗でも中に筋が通ってたりするのも多いです。
追加製作しようと思って在庫の3mm材を取り出して蛍光灯の光を透かしてみました。
4mm程度までならこのようにして中の状態を見ることが出来ます。
上の写真のものは、筋も通ってなく均質でここまで良い材はなかなか見かけません。
おぉ!っと興奮したものですが、ちょっと薄く2.7mmしかなかったのでこのままでは使えず残念でした。
これは違う3mm材を透かしたものですが、表面からは分からない筋が通っているのが見えます。
普通はこんなもんです。
この程度ならそれほど問題ないと思います。
ですが、筋が大きく斜めに傾いていると貼り合わせた時にアンバランスになるので使えません。
何枚も触ってると指先の感覚で硬さや筋の違いが、ある程度分かってくるので購入する際は1枚1枚確認して好みに近いものを選別するようにしています。
たばこは吸わないが作業机の上にはコレがいつも置いてある。
アルミ箔を貼ったりした後のブランクは素手で触っちゃたりしてるもんだから、手の脂や汚れが付いてたりします。
それらを取り除かなければならないのだけれど、シンナーでは背と腹のコーティングが溶けてしまって具合が悪いし、アルコールでも溶けることがある。
いくつか試してみたところで現在はジッポーオイルで拭きあげることに落ち着いてます。
これならばコーティングは溶けないし、脂もちゃんと落とすことが出来ます。
ジッポーオイルは直ぐに揮発してしまいますし、付いたところがシミになってしまうようなこともありません。
テープの糊なんかも拭き取れるし、ミノーに限らずちょっとした汚れ落としに便利です。
ボディの表面にアルミ箔を貼りますよね。
ウチのミノーは一般的なキッチン用アルミ箔を単目ヤスリで鱗目を刻んだものを貼っています。
それでアルミ箔に鱗目を転写するときに使うのが、ゴムのローラー。
たぶん本来は壁紙を貼ったりするときに使うものだと思いますが、適度な弾力のローラーがアルミ箔をしっかりとヤスリに押し付けてビシッと転写できます。
結構これを使っている人は多いんじゃないかな。
なかなか使えるヤツです。
これなんですが、ローラーがゴム製だからか小さなゴミやホコリなんかがくっつきやすいんですよね。
ゴミがアルミに付いてしまうのはよろしくないので、アルコールやシンナーで拭きあげて綺麗にします。
そうするとですね、今度は転写して転がしたときにアルミ箔がピタッとローラーに引っ付いてきます。
いちいち剥すのも面倒で新たに問題発生です。
これを経験した人も少なくないかも。
ハンドメあるあるですね。
で、どうしてるかというとローラー面にマスキングテープを貼ることによって防止できます。
巻始めと終わりが重ならないように隙間なくキッチリ1周貼ります。
重なったり、隙間があると転写した時に跡が出来てしまうので注意。
今までちょっとストレス感じていた人はお試しあれ。
YouTubeを代表とする動画サイトには様々なジャンルの動画が公開されていますね。
無料ながらも非常に質の高いものがあったりします。
ルアーメイキング関係にもたくさんの動画があります。
海外の方が公開しているものには、とても分かりやすく綺麗に撮っているものが多いです。
上の動画なんかは素晴らしい動画で、よくここまで丁寧に解説しているなと感心してしまいます。
英語で色々説明しながら進行していきますが、言っていることは大体分かると思います。
道具や治具の使い方や製作がとても上手い。
作業がスムーズに、仕上がりは良く、編集も上手くしてあるのでとても見やすいです。
ルアーメイキングに興味が有る方なら一見の価値ありです。
この方の動画は他にもいろいろ公開されています。
先日、岩手県に製作の拠点を構える某社のスプーンの動画を見ましたが、
さすが社長。なにもかもが圧倒的だ!
と唸らされる内容でした。社の代表があれほどの実力を持ち、現場に立っているメーカーというのは他には無いのではないかな。
動画にチラリと映るロッドは量産モデルではないですね。全長は分からないけどグリップが短くなってます。最初はフォアグリップだけかなと思いましたが、リアグリップも短くなっているみたい。
最後に、もうすぐアロー53Sが完成します。
大変お待たせしている販売店様には申しわけないですが、もう少しだけお時間下さい。
セルロースをドブ漬けしてコーティングしていく場合、コーティングの間隔が数日空いてしまう場合にボディにクラックが入ってしまう場合があります。
折角綺麗に出来ていたのにそれでは美観を損ねてしまいます。
下地の場合ならアルミや塗装で隠れてしまいますが、トップコートの段階でそうなったら大変残念なことに。
数社からセルロースが出ていますが、クラックが入らない安全な乾燥時間はまちまちのようです。
日を空けずにコーティングを進めていくのが理想ですが、そうもいかない時もあるはず。
そんなときに使う手として、次にドブ漬けするまでの間にジップロック等に入れて冷凍庫に保管しておくという手があります。
これならば乾燥が進行するのをかなり遅らせることが出来、1ヵ月くらいならば問題なく保管することが出来ます。
次のドブ漬けの際には、トレイ等に広げて解凍しミノーが室温と馴染むまでしばらく放置すればOKです。
現在のものは若干仕様変更がされているので何とも言えないですが、フェザーの以前のセルロース(トルエン入りタイプ)はクラックが入りにくく扱いやすいものでした。1週間前後ならばそのまま放置してもクラックが入ることはありませんでした。
もう月末ですね、いよいよシーズンも終わり。
明日は最後の悪あがきに行ってまいります。
人の手足には右利きと左利きとがある。
人間は右利きの方が大多数なのですが、魚にもこれがあるように感じられます。
前からなんとなくそんな感じがしていたのだが、左手で魚を支えてフックを外す時、顔の向きが同じことが多い事に最近改めて気付く。
過去の写真を見直してみると、やはりルアーが口の右側に掛かっていることが多い。
個人的な経験での話だけれど、少なくとも6割以上は口の右側にフッキングしている。
(口先の曖昧な場所は除いて)
これはどういうことなのかというと、バイトした次の瞬間に魚から見て左方向に反転、または首を最初に左に振ることが多いということだ。
当然、それを確認した直後にアワせることになり、反転した方向とは反対にルアーは引っ張られるわけだから口の右側にフッキングしやすくなるはず。
実際のバイトシーンを見ても左に反転する魚の方が多い印象がある。
特にこれはアップストリームや淵などの流れの緩いポイントで多いバイトの仕方だと思う。
どうやらヤマメは最初に左方向に反転しやすい傾向があるようだ。
クロスストリームでルアーを引いてヒットする場合、魚は流れを横切って進んでくるとしたら下流方向に向かって反転する方が楽なはず。
ということはルアーの引いている状態でのバイトの仕方がある程度予測がつくことになりますね。
バイトの瞬間を目視できなかった時にロッドを右にあおるのか左にするのか、どちらの方向がフッキング率が高いのか目安になるのではないか。
あとは、魚を寄せてきてもう少しでランディングできる距離まで近づいたときに、急に走ることがありますがこれも左方向(反時計回り)に反転していくことが多いように感じます。
月曜夜にやっとまともな雨が降りましたね。
それでも十分とは言えないですが。
最近は気温も下がってきて夜は涼しくなってきています。
稲穂も垂れてきているのでそろそろ秋を意識した釣りをしなければならない時期になってきたと感じます。
前記事にアイの変形について取り上げたが、今度はラインアイのお話。
もちろん、ぶつけた時にここもチェックしていただきたいのですがそれとはちょっと違った話を。
ここのアイをいじるとある程度ミノーの動きを変えることが出来るのだがご存知でしょうか?
左右に曲げれば片泳ぎを直すことが出来ることくらい知っているぞ!・・・という人は多いと思いますが、実際ここを微調整したことがある人というのは意外と少ないのではないかな。
それとは別に、上に曲げると泳ぎが大人しく潜るようになり、逆に下に曲げると動きが大きくなる代わりに浮き上がりやすくなる。
これを知らない人も意外と多いもので、或いは知識として知っていても実際は試してみたことが無いという人がほとんどではないのかと思います。
勝手な予想だけれど、アイの上下をいじったことがある人は1割も居ないのではないかと。
コンマ数mmでも、結構影響があります。
ある程度自由に調整できるようになると、現場のポイントに合わせてチューン出来ますのでこれは有効です。
もう少し潜ってほしいなと思ったら少し上に曲げればよいのです。
ですが、ぐいぐい曲げてしまうとコーティングが割れてしまったりするので、コンマ5㎜程度の範囲で調整するのがお勧めです。
たったそれだけの上げ下げでもミノーによってはかなりの違いを感じられると思います。
真っ直ぐ泳ぐのに、ぶつけた後に前と泳ぎが違ってしまったなと感じたらこれが原因だったということがあります。
こうなっているものはありませんか?
程度の差はあれど、アイが曲がっている・変形しているミノーが高い確率であなたのケースやワレットに入っていると思います。
ミスキャストしてヒットさせたり、引っ掛けたりした時に外そうとして変な方向に力が掛かって曲げてしまいます。
大変残念なことにぶつけた時にアイを確認してくれる人というのはなかなか居ません。
知り合いの人やユーザーさんと釣りを御一緒するときがありますが、ほとんどの人はぶつけた後も確認せずに次のキャストをしてしまっています。
変形していないのならそれで問題ないのですが、潰れたり曲がったりしていると横で見ている私は直接ミノーを確認しなくても直ぐに分かってしまいます。
片泳ぎしたり、動きがギクシャクしてしまっているから。
(それにも気付かない人というのも多いのだ。これは作り手として結構悲しい。)
自分で作ったものですから、どこがどうなったかなど直ぐに予想がつきます。
気付きにくいのが、ベリーアイの変形。
これは、キャストミスというよりは引っ掛けたり・根掛かりしたときに無理矢理引っ張って曲げてしまう場合と魚をネットインした後に暴れてフックがぐるぐると網に絡んだ場合が多いようです。
特にネットの場合は気付きにくいはずです。
釣れた魚に気を取られてミノーの状態などは二の次です。
軽い曲がりや変形ならばその場ですぐに修正できるのですが、何回もヒットさせ重症になった状態で明らかに変な動きになり初めて気付くという人が結構多いのではないでしょうか。
気付いた頃には、ワイヤーがボディに食い込んでいてコーティングが一部剥がれている状態になっていたり・・・。
厄介なのがアイが潰れてボディに食い込み、すっかり埋まってしまうケース。
そうなったらプライヤーで引き出して潰れたアイの形を整えて修正するのですが、一度大きく食い込んでしまうとボディ内部に空間が出来てしまっているので、次にぶつけてしまった時には以前よりも変形・潰れやすくなっています。
修正した時に液状の瞬間接着剤を流し込むと多少はマシになりますが元の強度まで戻すことは出来ません。
こういう故障は気を付ければかなり軽減することが出来るので、ぶつけたり根掛かりを外したときなどに確認お願いします。
慣れれば10秒あれば確認できます。
アイの変形や曲りがあるとミノーは本来の正常な泳ぎにはならないので確実に釣果は落ちています。
それでいい魚を落としてしまっていては悔しいですよね。
リップ修理で帰ってくるミノー達も程度の差はあれ、変形・曲がりのある状態のものが殆どです。
もちろんそれも可能な限り修正して送り出しています。
普段は大抵トレブルフックを使っているが、ミノーによって・レギュレーションのある釣り場においてはシングルを使うこともある。
最近はシングルフックも選択肢が増えてきていて助かるのだが未だに、これだ!という決定的なものには出会っていない。
性能的には問題なく無難に使えているのだけれど。
そう思って今まで何種類もの針を使ってシングルフックを自作してきた。
こちらも理想的なものにはまだ出会えていないが、いくつか思うことがあり・・・。
左はポピュラーなチヌ針のもの。
丈夫で貫通力も悪くなく、入手しやすい。
ミノー・スプーン両方とも使え、汎用的。今まで巻いてきた中ではこれが一番多い。
50mmクラスのミノーには既製品のシングルフックだと#8が適当かと思われ、チヌ針では約2号に相当する。
小型ミノーだとベリーとテールのアイの距離が近く、メーカーにもよるが2号のチヌ針だとお互いが絡んでしまうことがある。
これが頻繁に起きるようなものでは結構なストレスだ。
シングルを巻いたことがある人なら分かるでしょうが、アイの分だけ全長が長くなる。
大体3mm程だろうか。
針のサイズを単純に下げれば絡まなくなるが、掛かりが浅くバラし易くなるうえにミノーのバランスも悪化していく。
サイズが同じでもう少し短いものはないかと探していたところ目に留まったのが右のもの。
これは太軸のヘラブナ針。
スレ針で針先のテーパーも緩いため貫通力はバツグン。
今シーズン何回か使ってみたが、アワセが決まればほぼ確実に貫通していた。
ヤマメであれば強度も問題ないと思う。
長さはチヌ針に比べると1.5mm程度短くなり、50mmクラスのミノーであれば殆ど絡むことはないはずだ。
小さな差だがここに大きな違いがある。
短くする方法として、軸を少しカットするのを試したこともある。
確かに絡みも無くなるのだが、使用していて違和感があった。
フッキングが決まらないというか刺さりが甘くなったような気がしたのだ。
続けて何回かそういう事があり、これは気のせいではないだろうと思った。
何でだろうかと考えて、以前に簡単な実験をしてみた。
通常のものとカットして短くしたものをそれぞれ消しゴム(だったはず)に刺さる様子を横から見てみたのだ。
もちろんアイを引っ張って実際にミノーから力が加わるのと同じようにしてだ。
そうして観察してみた結果、針先が立ち、刺さっていく時の角度に違いが見られた。
(どういう感じなのかは興味が有ったら試してみるのがいいかもしれません。簡単な実験です。)
あ~なるほどである。
針先へのベクトルが変わっていたのだ。
今までと同じ力でアイを引っ張っても、針先に掛かる肝心な刺す力が小さくなっていたのだろう。
使用する針の種類にも因るだろうがノーマルの形状がやはりベストなのだと結論した。
以来、短くカットすることはしていない。
最初から軸が短めの針を利用するのが良ということで、未だにあれこれ探してみている最中である。
最近、良さそうなものを見つけたので来シーズン試してみよう。
ちょっと時間が空いてしまいましたが、52HSの紹介です。
新色とかはカラーチャートを見て頂くとして、構造的な特徴なんてのを御紹介します。
パッと見で気付くのは横アイでしょうか。
5g近いミノーの運動性能を上げるためと差別化のためにどうするかと考えた結論がこれです。
重量を活かしてロングキャストまたはフォールさせて深場を攻めるということが想定されるこの種のミノーを、流芯を越えた先で、水圧の掛かる水底で、水と自重による抵抗に負けないで動いてほしい。
そのために横方向に自由度のあるようにしてやって動きやすくしてやり、あえて安定性はある程度は犠牲にしてあります。
アイの内径は約2mm、これだけスナップは横方向自由に動けます。
実際の泳ぎを見て頂ければ分かりますが、お尻を振りながらのウォブリングはもちろんですがローリングが強い泳ぎです。
タダ巻きでベリーのオレンジが見えるほどにグリグリと力強くローリングし、側面のアルミとオレンジベリーのコントラストが強く出るようになっています。
暗明クッキリとチカチカさせて魚をイライラさせるイメージ。
ミノーの左右方向に水を流す割合が増えるため、逆にタダ巻きでは重量の割にそれほど深いレンジを泳いでくるわけではありません。ダウンでラフに早巻きすると飛び出すかもしれません。
これらについては、重さによるフォールで補えることと、水に馴染ませる意識をもってリーリングすれば対処可能であり不満の出るレベルではないと思います。
これは言われなければ気付かないかもしれませんが、テールアイは太軸ワイヤーを採用しています。
これくらいの重さになればキャストミスして岩盤にでも当たった時の衝撃は3gクラスの比ではなく、すぐにアイが変形潰れてしまう。
52HSでは、2ピースワイヤー構造を採用。
前2つを0.7mm、テールを0.9mmとしています。
0.2mmの違いですが、強度は格段に上がり衝撃による潰れにかなり強くなりました。
今まで何回も(下手さゆえ)ヒットさせてしまいましたが、スプリットリングが動かなくなる様な致命的な変形は一度も無く、ほぼ原形近くを保っています。
2ピース故に厳密には引っ張り強度は1ピースに劣る筈ですが、フロントに14lbリーダーを結びテールにスプリットリングを装着した状態で何回も引張り試しましたが、リーダーが切れルアーは無事でした。
実用上問題ない強度は確保してあります。
夏場に里に近い小河川を釣り歩いていると、必ずこれに悩まされることになる。
川原が無く両岸が葦原に覆われているような川では特にすごい。
イージスシステムばりの強力な対空網が敷かれている。
ヒドイ所では50cmおきに張ってあって、どんなにキャスティングの上手い人だろうと通せないだろうという区間もある。
大体川幅4m以下のところが酷くて、5mを越えると対岸に渡るのが困難なのかずいぶん少なくなる。
クモの巣が酷いからといって、その川を諦めることなんてことは無く、今できる範囲の中で何とか攻めてみようと頑張ってみている。
だって、そんな区間に好き好んで入る人は居ないから、数は多くないにしろ良い魚は残っているはずなのだ。
川幅なんて1.5m無くても十分釣りになるのだし、そのように狭くなっているところはその分深くなって懐になっていたりする。
実際、そんな川で今年最初の尺ヤマメをゲットすることが出来た。
クモの巣の何が困るかといえば、団子になってガイドに絡まったりしてキャスティングトラブルの元になったりするのもそうだけれど、一番はライン劣化による高切れだ。
こんな状態の川だから、結び替えは頻繁にしなければいけないからナイロン直結が一番ストレスは少ないと思うのだ。
半日で少なくとも20~30回は結び替えている。
団子が出来たら直ぐに、無くても15分おきにとか。
PEのシステム組みなんて、そんな回数はやってられない。
そんなに結び替えているにもかかわらず、高切れは起きてしまう。
厄介なのは、切れる部分が目視等では予測できないのだ。
(団子がずっと絡まっていた部分なのだろうが、団子は少しずつ移動したりする)
先日は3回もあった。運悪くヒットした時に切れると非常に焦るのである。
この日は上手く魚が針を外していってくれたので助かった。
そのままだったらミノーをロストするし、何より魚に申し訳ない。
クモの巣がラインを劣化させるのは確からしいのだが、まだ科学的には解明されていないらしい。
原因が分かれば対策品が作れると思うのでラインメーカーには期待したいのだが・・・。
クモの巣による高切れ防止!従来品より150%耐性UP! (当社比)
なんて商品が出てきたら、非常に魅力的なのだけれど。
でも、暫くそんなものは出来てこなそうなので、やっぱり地道に結び替えることにしよう。
ちょっとした時間で作っているアルコールストーブも3個作ってみて、もうすぐ実用レベルになるかというところまで来ています。
5月も後半になり水温も安定しつつあり、ヤマメやイワナの状態もかなり肉付きが良くなりプリプリというかブリブリです。非常においしそう。
雨の後には良い釣りが期待できそうです。
最近、そんなドンピシャのタイミングで釣行出来ました。この時の模様は後日、釣行記にて。
今回は小技の話。
ミノーを使っていてあとほんの少し安定感が欲しいとかそういう事があると思います。
例えば、アップにキャストしたミノーが手元に近づいてきてるとします。
そして、途中でターンさせてクロスで持ってきて喰わせたい。
そういうターンのタイミングで上ずってしまったり、飛び出さないまでもバランスを崩しがちになってしまう事。
誰もがこういう経験をしたことがある筈。
私の場合、写真の様にしてます。
スプリットリングを通常#1のところを#2に上げます。
大抵、ベリーのみで対応します。
これで安定感が少し増します。
劇的に改善されることはありませんが、違いは分かります。
板重りを貼るという手もありますが、大抵動きが鈍くさくなるので私はやりません。
これでダメなら違う種類のミノーに替えます。
Arrow53S の適合リングサイズが#1~#2となっていますが、こういう事も想定しての事です。
あとちょっと・・・と思ったら、試してみてください。
Arrow 53S の新色のご紹介です。
Rhetenor には無いカラーは、ヤマカガシ YKG ・ ワインレッド WRD ・ ワカサギ WS です。
ヤマカガシ
背中はダークグリーンにパール入り。
それに紫外線に反応する蛍光剤を混ぜてます。
室内で見ると分かりませんが太陽光の下で見るとほんのり青っぽく光を反射します。
これは、ヤマメとレッドパーでも同様です。
背中は地味目ですが視認性はむしろ良く感じられ動いているのがよく分かるカラーです。
背中が地味系なので、側面にアクセントでチャートグリーンのパーマーク。
お腹はいつものオレンジに蛍光レッドを混ぜて少し赤くしました。
トゥイッチした時は派手なオレンジベリーが見えるようになります。
ヤマカガシということでアイには以前のブログの記事にも紹介したようにマジョーラのように変化する瞳を。
オレンジも製作しましたが今回はグリーンを採用しました。
見る角度により、緑・青・紫へと変化します。
ワインレッド
背中はクリア系のマルーンレッドに蛍光ピンク入り。
これも良く釣れるカラーで、試作品を知り合いの方に貸していたら良いサイズのヤマメに誘拐されました。
それは残念ながら解放されず。
ここ最近は塗っていなかったカラーで、Arrow 53 の投入に合わせて採用しました。
どちらかというとイワナよりもヤマメの方が反応しやすいカラーだと感じます。
ワカサギ
定番のナチュラルカラー。
Rhetenor の扁平ボディにはいまいちマッチしないカラーリングも細身のArrow ではそれっぽく見えます。
これはアユも同様ですね。
アルミを貼るのが一番面倒なのがこのカラー。
他のカラーとは違ってワカサギでは通常のクロスの鱗目になっています。
アルミの面積は少ないですが、しっかり反射します。
手持ちのヤスリの中で一番細かいのを使って製作。
ナチュラルに流して、時折トゥイッチでキラリと誘ったり。
新色はこの3色ですが、Rhetenor のヤマメとは違ってArrow ではオレンジベリーにはなっていません。
レッドパーがオレンジベリーなので分けました。
Arrow とRhtenor では動きが結構異なります。
ボディデザインを見れば明らかで、Arrow は水の抵抗を受けやすく動きたがる形をしています。
トゥイッチを刻むと首を左右にキュンキュン振るような感じです。
この動きにやたらイワナが反応するときがあります。
泳ぐレンジはシャロー。下のレンジは考えてません。
沈めようとシンキングにしたのでなく、キャスタビリティ向上のためのウェイトです。
軽めですが、安定した姿勢でシューンと気持ちよく飛んでいきます。
あの時の紅いヤマメはArrow の試作品での釣果でした。
しばらく更新まで時間が空いてしまいました。
GWに突入ですね。
皆さん、釣りに行ってますか?
私は最近ずっとシューシューしてました。
手は放せないけど、ここ最近は天気が良いもんだから悶々とした日々を送っております。
ようやくゴールが見えてきました。
少し前になりますが釣りに行った際に改めて気付いたことがあります。
スナップの事です。
これにお世話になっている人は多いはず。
いつもは左のラウンドタイプを使ってます。
この時の前の釣行で根掛かりロスト(スプーンだったのがまだ救い)を2回してしまって、ケースの中のこのスナップの在庫があと2個しかなくなってました。
補充しておくのを忘れて、この日はこれ以上ラウンドスナップを無くしたくなかったので少し大きいかなと思いながらも右のクロスロックタイプをセットすることに。
キャストしてリトリーブ、トゥイッチすると違和感があります。
鼻先にいつもより重いスナップを付けているせいかミノーの動きがもたつきます。
それに加え、ダートやヒラ打ちの左右のスライド量が違います。
当然ですね。
クロスロックタイプのラインアイ可動域は左右対称になっていないのだから。
イメージした誘いと実際の動きにズレが生じストレスになります。
結局、30分くらいで我慢できずにいつものラウンドタイプに戻して釣りをしました。
この現象ですが70mmクラスのミノーになってくるとほとんど気になりません。
実際、本流ではクロスロックばかり使ってます。
ある程度の大きさのミノーになるとそれ自体の泳ぎに力があるため、少々の抵抗は問題にならないのでしょう。
ところが、50mmクラスのミノーとなると話は別でこんなちょっとしたことで泳ぎが乱れます。
それだけ繊細ということですね。
渓流ではせいぜい太くても6lbでしょうからスナップはそれほど強度を重視しなくても大丈夫な筈です。
経験的にライン強度の4~5倍クラスのスナップがマッチしていると思います。
もちろんラウンドタイプで。
先週は雪が降ったとは思えないほど今週は暖かい日が続いています。
歩道脇に盛られていた雪は殆ど融けてしまいました。
この陽気のお陰で河川は雪代で増水していることでしょう。
さて、写真はカーディナルのベールスプリングです。
治具の一部が損傷したので手直し中に記事を書いています。
前回納品した数が中途半端だったせいもあるかと思いますが(申し訳ないです)、お店から在庫が少なくなってきたとのことなので追加で製作してます。
個人的な興味で始めたものなんですが、それが誰か他の人様に使っていただけるとは有り難い事です。
これもハンドメイドで手巻きしてます。
チョー簡単な治具を使って一つ一つ巻いてます。
そのため縦方向の寸法には少しばらつき(コンマ数mm)が出ることもありますが、リールへはちゃんと組み込めて動作するようにはなっています。(直径はどれもほぼ同一です。カーディナルのベールスプリングの寸法は縦方向にはそこまでシビアではないのです。)
ハンドメイド~スタジオですから極力手作業でやります。
何個も続けてやると指が痛くなりますが・・・。
4月1日過ぎにはお店に並ぶようになってるはずです。
納品先は前回と同様、イーハトーヴ釣具店様になります。
今回は前回よりも多く納品しますので宜しくお願いします。
既に購入された方やこれから組み込んでみるという方へ。
カーディナルをセルフメンテされる方には基本かもしれませんが、組み込む際にはスプリング全体にグリスを塗って下さい。
ステンレス製のためサビには強くなっておりますが、スプリングは組み込む際に縦方向に圧縮されますので線材同士が擦れやすくなります。
グリスを塗ることにより摩擦が少なくなり動きがスムーズになり、応力が少なくなることによって寿命が長くなる効果が期待できます。
グリスは釣具店に並んでいるシマノやダイワのスプレーグリスが安価で手に入りやすくお勧めです。
納品から少し経ってしまいましたが先日納品分から2014年の新色を二つ追加してます。
RPYM レッドパーヤマメ
バックはオリーブっぽく。ベリーはオレンジ。
レッドパーとなっていますが実際はクリアピンクに近い感じです。
秋の婚姻色の出たヤマメをこんな感じのミノーで釣りたいと思って塗ったカラーです。
昨年、別の試作品のミノーにこのカラーを塗って得体の知れない魚を掛けラインブレイク。
今年はあの川へリベンジしたいところです。
CBRYM クリアブラウンヤマメ
CBRにパーマークを追加したものになります。
ある程度アピールしてほしいけど、CBRではギラツキが強いかなと思ったときに登場させる感じで使ってます。
CBRは結構見やすいし実績もあるカラーなので信頼のおけるパターンになるかと思います。
私のワレットにはいつもCBR系のミノーが入っています。
タイトルだけでピンと来た人はかなりのモータースポーツ通ですね。
今回は釣りとは直接関係はない話です。
かつて、短い期間(実質11年程)ながらも究極ともいえる長距離スポーツカーレースがありました。
私が一番好きなレース。
1982年から1993年まで、80年代後半にピークを迎えるグループCには当時、日本メーカーも参戦していてようやく世界の強豪と肩を並べようと急速に力をつけレースを盛り上げていた。
それはそれで魅力的なのだが、なんといってもグループCが他のカテゴリーと違っていたのはレースごとに使用できる燃料の量が厳しく制限されていたところ。
おおむねリッター2kmの燃費が求められていた。
車両寸法の細かい規定はあるもののエンジン形式は原則自由で、L型・V6~V12・水平対向・ロータリーとなんでもOK。
世界最高峰のル・マン24時間耐久レースでの勝利を最終目標として各メーカーが鎬を削っていた。
24時間でトップチームは約5,000kmの距離を走る。
平均時速は200kmを越える。
使える燃料は2,550Lしかない。
ただやみくもにアクセルを踏んでいては24時間走る前に燃料が尽きてしまう。
かといって、セーブして走っていては勝つことは出来ない。
如何に少ない燃料で速く走れるかを競う、究極の技術競争だったのですね。
表彰台の頂に上るという目標は同じですが、メーカー毎のアプローチがそれぞれ違っていてそれが最大の魅力なのです。
あるメーカーはお家芸の水平対向を高加給し、またあるメーカーは市販車ベースの大排気量エンジンに低加給。
ライバルはターボを使う中7000ccものV12大排気量NAで挑むもの。
極東の島国からはマルチロータリーが。
これらの車は700馬力以上の高出力を叩きだし350km/h以上のスピードを誇りながらリッター2kmもの低燃費を実現していた。
メーカーそれぞれの方法でパフォーマンスを競う。
結果が出ればどんな方法でも構わない。
そんな狂乱とも思えたCカーレースですが90年代に入るとグループCの燃費規制が一部クラスにて撤廃。
エンジンはF1と同じNA3.5Lが義務づけられ、TV放送枠に収めるため世界選手権のレース距離の短縮といった政治問題に巻き込まれました。
この様な変更にレースに魅力を感じられなくっためか参戦するメーカーは激減し、レースは急激に華やかさを失っていき、遂には93年を最後にグループC自体が消滅。
この燃費規制のレギュレーションは技術が発展途上だった時代だからこそ上手く機能し、レースがあれほどの盛り上がりを見せていたのでしょう。
20年以上経った現在では、このレギュレーションをそのまま採用しても各社、シュミレーションによって最適解が導かれ、同じような排気量の同形式のエンジンになってしまい個性が出てこない。
なんでもあり。
技術の戦争。
現在のLMPにCカーの面影を感じることは出来ますが、このようなレースは今後2度と実現することは無いでしょう。
私には現代においてもグループCが輝いて見えるのです。
ロスマンズポルシェ・シルクカットジャガー・チャージマツダ・ザウバーメルセデスがコースを泳ぐ様をリアルタイムで見てみたかった。
ハンドメにおいて使う道具の一つにポンチがある。
5cmクラスのミノーを製作するときに使う頻度が高いのは2mm~5mm前後だろう。
1mm、1.5mmも持っているがなかなか出番はない。
何百回も打ち抜いていると段々切れ味が落ちてくるのが分かる。
となると買い替えるか砥いでやるしかないのだ。
ホームセンターなんかでポンチを買う時に何本か見比べると仕上がりがかなりまちまちだ。
これは全然切れないだろうといったものもあり注意が必要だ。
セットものなんかは刃付けがされていないように見えるものさえある。
こんなもので革に穴が開くのか。
まともなものはないのかと馬具の加工・修理もしている革製品のお店(盛岡の)にポンチを買いに行った。
目当てのポンチ2種類を見つけて何本か購入した後に聞いてみた。
職人の方はポンチの切れ味が落ちたら砥いで使っているのでしょう?
返ってきた答えは、
高いものではないから次も買えばいいよ。
残念ながら論点が少しずれたものだった。
私は、職人と呼ばれる人ならば自分の道具の手入れが出来て当然であり、簡単に使い捨てる筈はないと思っているのだが。
そういう人ならば使い捨てにするようなものなど選ぶはずがないだろうと。
既製品だけではなく道具を特注したり自作したものを大事に手入れして使っているはずだ。
まだ幾つか伺いたいと思っていたこともあったのだが、期待した回答はあまり得られそうにないと判断してすぐお店を後にした。
お店で買ったポンチは専門店で扱っているものだけあって、仕上がりはソコソコ綺麗で悪くはない。
それで、今もそのポンチを使っているのかというとそうでもない。
買ったその日に少し使っただけだ。
お店での一言が気になって自分で元のポンチを研いでみることにしたのである。
砥石は持っていたので水砥ぎしてみた。
最初は上手くいかなかったが1時間もしない内に形を整えられるようになってきた。
そして、新品以上の切れ味を取り戻した。
切れ味なら専門店で買った物にも負けない。
ミノーをハンドメするには十分だ。
刃先の角度を鋭角に整えたので元よりも打ち抜きやすくなり使いやすくなった。
砥石が削れてもう限界だ。もうすぐ新しいのを買ってこなければならない。
次はもっと大きな砥石だな。
大工さんは鋸を何回も砥いで使っているそうです。
何回も研ぐうちに幅が狭くなり半分程度になってしまうそう。
ノミも満足に砥げるようになるまで数年は掛かるといいますから、それに比べたらこんなポンチを研ぐのはお遊びのようなレベルですね。
モノを作ることにおいてすべてが良品となることは無く残念ながら不良品が生まれてしまう。
外観については見る人によって基準が曖昧で、比較的大らかな人もいればデリケートな人もいる。
感覚的な問題でもあるので人によって様々だ。
しかし、機能面については基準が設けられているはずだ。
定規は正確に長さを計れなければならないし、真っ直ぐ線が引けなければならない。
それがどの程度正確に測ることが出来るか、どれだけ曲がりなく線が引けるのが問題でメーカーが設定した規格内に収まっていれば良品ということになるのだろう。
しかし、そうやって出荷され市場に出てきたものがユーザーが疑問を抱くような仕上がりである場合、はたしてそれが良品であるといえるのか。
ずっと以前に鱗目用に単目ヤスリを通販で取り寄せた。
左と中央の2本だ。右には比較に同じ単目のニコルソンを置いた。
さて使おうと思って作業机に置いてみたらカタカタと落ち着かない。
よく見ると捩じれるように歪んでいる。確認したらもう1本もそうなっている。2本共だ。
削るという本来の目的で買った物ではないのだが、これはどうか。
ユーザーがこれにどのような印象を抱くかは決まっていると思うのだが、メーカーから直接購入した2本ともこうなっているのだからメーカーはこれでも ”良品” と判断して出荷したのだろう。
だが、これでは綺麗に削ることは難しくムラが出来るに違いないし、手元がぶれて使用感も悪い。
工具なのだからきちんと加工できるものでないと良品とは言えないはずだ。
目に見えて歪んでいるのだから規格に当てはめるまでも無いと思うのだけれど。
これで勉強したと思って以来、工具等は極力直接自分の目で確認してから購入するようにしてます。
私はユーザーが疑問を持つようなものは規格内であろうとなかろうと良品とは言えないと思うのです。
この事についてハンドメイドルアーは手作業による仕上げによりどうしてもばらつきが避けられないことと、ビルダーの好みが反映される商品であるが故に難しい問題です。
色が流れている・傷があるといった外観問題は程度に依りますが誰の目にも見えること。
ですが、泳ぎに関しては正にビルダーの好みが反映される部分でしょう。
ビルダーが想定した状況から離れた使用条件で使えばあまり良い印象は受けないかもしれません。
ダウン用のミノーをアップで使っても使用感は良くはないでしょう。無理があります。
モルフォのミノーには適合使用ラインlb数やフック、シチュエーションを記載してあります。
その範囲内であれば本来の泳ぎ・パフォーマンスを発揮するということです。
このような条件で使っていただきたいという勝手なお願いではありますが、ばらつきを抑え性能向上を目指して製作しております。
今回発送したものに含まれていた2014年の新色です。
4色を予定してますが、まずはこの2色から。
GYM ゴールドヤマメ
ゴールドベースのヤマメパターンです。
黒金って定番のカラーですが、そんなに人気が無いみたいです。
シルバーベースのミノーを使う人の方が明らかに多いですね。
私はGベースも好きでよく使うし問題なく釣れるのでそれがちょっともったいないなというか、もっと使ってみてほしいと思ってカラーチャートに加えました。
GB 黒金のリニューアル。代替カラーになります。(GB はチャートから外しました。)
バックはカラメルカラーとしてその上にゴールドパールを吹いてます。
仕上げに全面に蛍光クリア。
見た目は室内では変化が分かりずらいですが太陽の下では蛍光クリアにより発色が少し明るくなり独特の反射が見られます。
OLYM オリーブヤマメ
こちらはYMの代替カラーになります。
(YMが無くなりますが同系統のBAMG・RBYMで十分カバーできると考えています。)
バックはオリーブです。
今回はブラウン寄りの調色で塗りました。
こちらもGパールを重ねて、トップには蛍光クリアです。
但し、こちらは蛍光クリアはバックのみに吹いてます。
パーマークはクリアのブルーとグリーンの混合で蛍光剤入りとなっています。
レテノールには他ではあまり見かけない柄の友禅紙を使用したパターンがある。
これを作ってみるきっかけになったのは、画材屋さんで何かルアーに使えるかモノが物色しているときに見掛けて面白そうだと思ったのが始まり。
見た目にも鮮やかで和風で、日本の鱒類をこれで釣ったら楽しいんじゃないかとやってみたのだ。
友禅紙はアルミ箔に比べると厚みがあるので貼り付けた後の段差消しには通常よりコーティング回数が多く必要となる。外殻がその分厚くなっているのでヒラウチの立ち上がりが通常モデルより若干マイルドになる。
友人なんかは問題なく釣っているのだが、横から見たりしていると作り手として改善したい・しなければという風に思ってしまう。
主にその部分を改善できないかと思って、最近はあるところをちょっと弄って製作している。
実釣面においてなのだがアルミモデルとはやはり刺激するポイントが違うのかなぁと思う時がある。
黒なんかは虫をイメージして夏に有効なんじゃないかと思っている。
渇水した渓流で魚の意識が水面を向いて落ちてくる虫ばかりに集中している場合がある。
恥ずかしい写真を晒すのだけれど(クリックして拡大してね)。
私は小渓流が好きなのでそんなところによく行くのだけれど、そんな所は夏場に晴天が続くとすぐに渇水になってしまう。(写真のポイントは川幅2mあるかないか)
そういう状況では水生昆虫よりも上から落ちてくる陸生昆虫がメインベイトになっていると思われる。
キャストして上流の瀬の始まりを狙ったのが思ったようなライナーにならず、枝を跨いでしまった。
下手くそだと思いながら、するするとリールを巻いて回収しようと枝を跨いだラインは吊り橋のワイヤーのようだ。
直後、ミノーは流れに押されるように水面を付近をフラフラと向かってくるときヤマメが水面を割って食いついてきたのだった。反射的に合わせて魚が宙ぶらりんになっていたところにシャッターを切った。
昆虫をイメージしてこの時は黒いミノー(BCT)を使っていたけれど、ここまでの餌への執着には驚いたのだった。
この日は半日で終えるつもりだったので、適当な堰堤で上がることにした。
渇水で堰堤下は流れの押しは弱く案の定目立った反応は帰ってこなかった。
もしかするとと思って、先ほどのミノーを結び流れの弱いところに落としてやる。
潜らせないようにロッドを高く掲げ、細かくシェイクしてみる。リールは極力巻かない。
落ちてきた甲虫(コガネムシやカナブンとか)が水面でモゾモゾしている様をイメージして誘う。
このボリュームの虫は頻繁には落ちてこないだろうから餌だと認識してもらえれば我先にと・・・。
すると、今までシブかったのに2度も水面が割れたのだ。
残念ながら2度もすっぽ抜けだったけど(アワセが早かったかな)。
別の機会にも似たようなことをやって確かにこのやり方に好反応する魚が居たのを確かめたのだった。
こういう時にはやっぱり黒や緑がベースのルアーが有効だ。
こういう時にレテノールでは友禅黒モデルYZBK(あるいはBCT)はピッタリじゃないかと思ってる。細かく動かせば友禅の柄が複雑怪奇に変化して見えるのではなかろうか。
甲虫の脚や外殻に光が反射している様を演出できないか。
この使い方に限って言えばベリーも黒や緑に塗ってしまえば良いのかもしれないがそうはしない。
それでは見た目があんまりよろしくないと思うのと通常の様にヒラを打たせてオレンジで興奮させてバイトに持ち込んで釣りたいというビルダーの都合。
ピンクや紫のモデルは意外と視認性がイイ。
こちらから見える割にはギラギラとしているわけではないので、アピールを少し押さえたい時に好都合だ。
こんな柄のミノーは普段見たことないだろうから魚にとって新鮮に見えるかもしれない。
そして、こういうので釣れたら楽しいのである。
前回からの続きであります。
しかし、ここ最近ネットの調子があまりよろしくなくブログの更新等が遅れ気味で上手くいかないことが有ります。
結構不便で早く回復してくれるといいのですが。
私はルアーは動けば動くほどリアルではなくなっていくと思っているのだけれど、ハイピッチでヒラを打つミノーなどにはヤマメがよく反応してくれる。
活性の高い時にはジグザグに追ってきてくれたりして見ていて魚だけでなく、こちらも興奮してしまう。
そんな時にはあまりルアーの色だとか動きの質に拘らなくてもヒットしてくれて、アピールの強いミノーの方がテンポ良く釣れたりする。
でも、都合良く活性の高い時に巡り合う時はあまり無いわけで平熱というかそれ以下の場合も多い。
私は、そんな時は魚になるべく違和感とか警戒感を抱かせたくないと思っているのだ。
ミノーの光の反射によるアピール。
ミノーの表面にアルミにしろメッキにしろ何らかの仕上げがしてあるその状態による反射の仕方。
一番良く光を反射し遠くまでアピールするのはメッキ仕上げだと思う。それも鱗目を付けないもの。
よくソルトミノーなんかに見られるヤツである。
個人的な意見としてこれは反射が過剰すぎると思う。
あれは広いフィールドで魚にまずルアーを見つけてもらわなければならないから必要なのであって、その場所(海)であるから有効なルアーなのだと思う。
以前、こんなシーンを何回も経験した。
瀬でも淵でもどちらでもあったのだが、狙うべきポイントは奥の方でそちらは日陰になっていて直射日光は当たらない。手前は日向になっていて明るくなっている。
奥の方にキャストするとやはりヤマメは居て、ミノーに反応してくれた。
でも、それほど活性は高くは無いようでそのままこちらに向かってチェイスしてくる。
徐々に興奮してきたのかミノーとの距離が縮まり、もうすぐバイトするかと思われたところでミノーが日向の部分に入ったらUターン。
結局その魚は釣れなかった。
何でかなぁ?と考えた結果、日向に入ったことによってミノーのギラツキが急に大きくなったために警戒したのではないかと考えるようになった。
その時に使っていたのは、通常の鱗目のアルミを貼ったミノーだった。
普通の鱗目でさえこうなのだからメッキでは目の前でいきなり鏡を向けられたようなものだろう。
眩しくてたまらない。
さて、どうしようかと思って考えてみたのが上の写真のものだ。
通常は裏表に2回ヤスリ目を転写すればクロスの鱗目になり完成なのだが、私の場合は6~8回転写している。そのため、鱗目が重なり細かい皺や凹凸が出来ている。
これをレテノールには貼っている。
細かい模様になっているので光が当たると様々な方向へ拡散するように反射する。
これをミノーを泳がせて見てみると、アユや小魚が反転した時のきらめきに似ているように見える。
魚に取ってこのきらめきは普段見ているものなので、それほど違和感はないはずだ。
実際、以前に比べるとあの時のようなUターンは減った。
普通の鱗目よりも反射が遠くまで届かなくなっているが全く問題ないと思う。
渓流ではミノーの周り半径2,3mにアピールできれば十分だ。
魚がミノーを見つけたからといって、お気に入りの付き場から5mも離れてわざわざ追ってくることは非常に稀であるからだ。
このアルミは人の目からみれば潰れたように見えるかもしれないが、魚にとってはクロスの鱗目よりもリアルに見えているのではないかと思う。
前回のものからかなーり時間が開いてしまいましたが2回目です。
今度はミノー編ですよ。
私が思っていることを書き連ねていきます。
ルアーというかミノーはリアルであるほど釣れるのか?
これは明確に否であります。
ハンドメイドに限らずインジェクションミノーでも最近のものは精巧に出来ている。
金型技術が上がったのか、ユーザーのニーズに応えたのか。
おそらく両方でしょう。
手に取ってみてみると、「よくここまでやるなぁ」と感心してしまうインジェクションもある。
エラや鱗の線の作り込みなどリアルだ。
でもそれは人間が手に取ってみて静止した状態で見た印象であって、魚からのリアルではない。
魚を釣る時にはミノーは小刻みに激しく動いているのだ。
その時、魚にはミノーの顔の作り込みなど見えているとは思えない。
そもそも一般的な渓流でのメインベイトは虫であって小魚であることは稀だ。
ベイトが小魚であったとしても、実際の魚の動きとミノーの動きは結構違う。
魚はブリブリとウォブリングなんかしないし、グリグリとローリングもしない。
ましてや連続でヒラを打つこともしない。
そんな風に泳いでいたら水の抵抗が大きくなりすぎて大変だ。エネルギーの無駄だ。
以前、本流でヤマメを狙っていたがあまり釣れないので近くに居たウグイを観察したことがある。
彼らは泳ぐときには体をあまりくねらせずにスーっスーっと進んでいた。
動いて見えたのは尻ビレから尾ビレにかけての部分位のものである。
ミノーは動けば動くほど本物から遠くなっていく。
どんどんリアルじゃなくなる。
でも、ミノーで釣れる。
ということは、そのミノーが見た目がリアルだからで釣れたわけではないと考えられるのだ。
これは私の独断と偏見が反映されています。
製作者によっては、「ここは違うんじゃない?」と思うことはあるかもしれません。
それを踏まえて読んでください。
基本的に私は丈夫な製品が好きだ。
性能だけを追い求めて耐久性をある程度犠牲にして・・・というのは好みじゃない。
バルサミノーはセルロースやウレタンで強化されるが、下地で滲み込む深さは高が知れている。
表面のコーティング剤の厚さはコンマ数mmしかない。下地で滲み込んだ分を足しても1.5mmも無いのではないか。
なのでミノーの強度をコーティング材だけに頼るのではなく、バルサにもある程度の硬さが欲しい。
柔らかいほど比重が軽くレスポンス面では有利になるけれど、耐久性や衝撃に対する強度はあまり期待できない。
ビルダーそれぞれに使いやすいというか美味しい状態のバルサがあると思うけれど、個人的な目安として親指と人差し指で強く挟んでも潰れたり痕がつかない程度の硬さは欲しい。
ある程度の硬さはボディの強度だけでなくリップの取り付けにも関わってくる。
柔らかいバルサはスカスカだったりするので暫く使っていると根元がグラつきやすくなるのだ。
バルサの板材を何枚か見比べると質の違いというか色や筋の多さに随分と差があることに気付く。
基本的に白っぽいものは軽く柔らかく、色の濃いものはある程度の重さがあり硬い。
板材の両端で色が違うものがあるが、これは比重や硬さに偏りが大きいので避けた方が良い。
稀に節の跡が見えるものがあったりするのでこれも避けたい。
それと表面に細い筋が多数走っているものがある。
これは導管で水や養分が通っていたところ。導管は周りに比べると硬いのでボディの仕上げ削りの時に多少引っかかることがあるので、これがなるべく目立たないものを選んでいる。
主にこんな事に注意して買う時に選んでいる。
お店に並んでいる必要な厚さのバルサを1枚1枚すべて確認する。
好みのものが無ければ基本的に買わないし、良さそうだと思うものが何枚かある時はその時にまとめて買ってくるようにしている。
好みのバルサがいつも有るわけではないので見つけた時に買っておくのだ。
ちょっとあやふやなのですがデビュー戦では釣れなかった記憶があります。
2,3回目でやっと20cmにも満たないヤマメを釣り上げました。釣ったというよりも気付いたら掛かってたというレベルですが、それはもう嬉しくて、よくぞ自分の不細工なミノーに掛かってくれたと感謝のような気持ちになりました。
こうして病気が発症しました。
最初の数年は進行は緩やかでしたが、引っ越したことと行動範囲が広がったことによりここ数年で悪化の一途を辿るわけです。
最初はリアル系を目指していましたが最近はそうではなくなり、如何にイメージした泳ぎを再現できるかということにベクトルが向いてきています。
投げるのが楽しいとか、これで釣りたいと思うようなミノーが作りたい。
やればやるほどこの遊びは奥が深くて底が見えないけれど、そうであるからのめり込んでしまう。
あなたも少しでも深く知りたいのなら何か自分の手で作ってみると良いと思います。
プラスになることはあってもマイナスになることは何も無いはず。
今までよりもちょっと世界が広がって見えるかもしれません。
だって、自分で作ったものでこんなのが釣れたら絶対嬉しいでしょう?
できれば最初に作った作品はダメなやつでも取っておいた方がいい。
後で振り返った時に、こんなひどいモノを作っていたのか!と自分への励みになります。
私のも捨てずにまだ残ってますよ。
その1より続き。
とまぁ、こんな感じでハンドメイドをスタートするわけです。
きっかけを作ったものがリアル系であったことからそういうものを自分も作ってみたいと思うわけですが最初の作品はそれは酷いものです。デザインも不細工だし、当然アルミ箔なんてまともに貼れませんからアルミシールで代用です。一応、トップコートまでしましたが仕上がりの悪さにげんなりしリップは付けませんでした。
最初の作品は泳ぎも見ないままボツとして封印です。
2回目は少しはマシになりましたがこれも最終的にはリップは付けず。
3回目は大分ミノーらしい形になりやっとリップを付けて泳がしてみました。確か10本くらい作った記憶がありますが、まっすぐ泳いだのは6本有るか無いかだったはず。
でも、川で実際に投げた記憶はあまりありません。
やっぱり、仕上がりに納得がいかないのですね。
そういうものでは釣りたくなかったのでしょう。変な意地があったのかも。(今もそうかな。)
何回か作り直して川でもなんとか泳ぐものが出来上がり、よし!釣るぞ!と思うわけですが、この時より前にロッドとリールと釣りを何とか出来る装備は持っていたにもかかわらず殆ど釣りには行っていませんでした。
おかしな奴ですね。
普通は道具が揃ったらすぐ行ってしまいそうなものですが、自分のミノーで!ということが前提であるため出来上がるまでには川にまともに立っていないわけです。
一応、市販品のミノーやスプーンを持っていたにもかかわらず。
当時は川から遠い環境だったことも理由としてはありますが。
やっとこさ、川で自分のミノーがデビューします。
その3へ続く
ここ何年かでトラウト系に強いお店を覗いてみると個人ビルダーのハンドメイドミノーが置いてあるようになりましたよね。
私は釣り歴はそこそこの年数ですがルアーに本格的に手を出したのはそんなに前ではありません。
なので10年20年前の品揃えがどうであったのかはっきりとは分かりませんが、そういうものが増えてきたのは確かだと思います。
ということはハンドメする人が増えてきたということでしょう。
私もその中の一人です。
インターネットにもその手のサイトが結構あるので情報が手に入りやすくなったのは良い事です。
私がハンドメイドをするきっかけになったのはたまたま手に取った雑誌の特集のハンドメイドミノー記事を見たことです。
すごい衝撃でした。
有名な方のリアルなハンドメイドミノーが紹介されていて、こんなものが作れるのか・・・と思いながら何度も読み返したものです。
しばらくすると自分でも作ってみたい、それで釣りをしたいと思うようになります。
この時から私のルアー歴が始まります。
私の場合、ミノーを作ることが最初に前提として始まったわけです。
それから情報と工具・材料を少しずつ集め出します。
その2へ続く
前々から一眼レフが欲しいなぁと思っているのだけれど。
渓に持っていきたいからなるべく軽量でコンパクトな方が良い。
精密感がありつつ操作が軽く、カチカチとダイヤルを回したりするのが楽しめる奴が欲しい。
シャープな描写やまろやかなボケ味が表現できるレンズがマウントできて・・・。
最近はデジカメによる写真しか見かけなくなった。雑誌やWebに載っている写真はすべてデジカメによって撮られたものだろう。
私は銀塩フィルムによる写真の方が好きだ。デジカメの描写はシャープすぎるというか色味が鮮やかすぎる感じがするのだ。デジタルは0と1の組み合わせだからか、黒は黒くといった強調されているという風に私には見える。
フィルムによる描写は、良い意味で曖昧な色合いが出ているような気がする。その時その時でしか表現できない描写というか、極端に言えば2度と同じ仕上がりにならない感じというか。
10年位前はフィルムもまだ現役であったから釣り雑誌に載っている写真もそれで撮られたものが結構あったはず。
その当時の雑誌を読み返し、鱒や風景の写真を見るとグッと引き込まれるような感じがする。
最近の雑誌にも素晴らしい写真が載っているのだが、なぜだかそうはならない。
もしかしたら当時と現代の紙質や印刷技術による違いなのかもしれないのだけれど。
デジタルによって利便性を手に入れたけれど、その代わりに”何か”を失ってしまったのかもしれない。
その何かを知りたくて今時銀塩に興味を持っている私はマイノリティーなのでしょう。
長くなりましたが今回が最終回。
ディピングの際のさらなるポイント。
これをやっている人は少ないんじゃないかと思う。
セルロースの温度。
ディッピングの前にセルロースのボトルを冷蔵庫にしばらく入れて冷やしておくのだ。
この方法に気付く前に私は逆をやってみたことがある。
とにかく早く乾燥させたくてセルロースを温めてディッピングしてみた。温度を上げれば早く溶剤が飛ぶと思ったからだ。
結果は悲惨なもので、ミノーをボトルに漬けるともの凄い勢いで色止めのセルロースが溶けていくのが見えた。良く考えてみれば当然なのだけれど、水に塩を溶かす場合だって温度が高い方が良く溶ける。
しかし、結果的にこの失敗のお陰で逆転の発想をすることが出来た。
逆に冷やしたら色止めをあまり溶かさずにコーティングできるのではないか?
これは確実に効果があった。温度が高い時に比べて明らかに色流れしにくくなった。
以上が私が製作の際に気を付けているポイント。
これを全てやったからといっていつも色流れが防げるとは限らない。
これからもさらに良い方法を探していかなければなりません。
最後に一言。
ハンドメイドで結果を急ぐとロクなことが無い
ということです。
先を急ぐと何処かに必ず不具合が起きます。
さて、塗装が一通り終わったところである。
これから色止めになるのだけれど、その前にしっかり乾燥させた方が良い。
私の場合、せわしなくやってしまっているのであまり時間をおかずに色止めに入るのだけれど、2日間位ほったらかしにしていてもいいと思う。
色止めだがセルロースを溶剤で薄めたものを噴き付ける。私の場合は原液を2倍位に薄めている。
最初の2回くらいは極少量を噴き付ける。あまりブラシを近づけてブシューとやると流れてしまうかもしれない。
表面が万遍なく湿った感じになれば十分。
それ以降は普通に噴き付けても大丈夫なはずだ。
それを何回も繰り返す。
色止めが終わった後も十分に乾燥させる。最低1日。余裕をもって2日から3日あればなお良いと思う。
いよいよ、セルロースへのディッピングだ。
ココが重要なのだ。
ミノーをセルロースに浸けた後、引き上げるのはゆっくりと時間を掛ける。
その方がミノー表面に付いてくるセルロースの量を抑えることが出来る。一気に引き上げてしまうと大量のセルロースを引き連れてきてしまってポタポタと滴がいくつも流れ落ちる。
当然乾くのに時間が掛かるので、それでは乾燥するまでに色止め分以上に表面が融けてしまいやすくなる。
お風呂でも湯船から一気にざばっと上がれば多くのお湯が身体から流れ落ちていきます。あるいはカレーやシチューを掬ったお玉を鍋からすぐに引き上がれば皿に盛る前に垂れてしまいますよね。
それと同じこと。ゆっくり引き上げてやればセルロースもカレーも滴を垂らすことは無いのです。
私の場合、引き上げるのに20秒位は掛かっていると思います。
そうすれば1滴も滴を垂らすことが無い。時間は粘度によっても変わるだろうけど、滴を垂らすほどのセルロースの量はいらないのだ。
こうなるともうダメである。商品にはならない。残念ながら私のワレット行き決定。
塗装の後のディッピングでの色流れだ。
オールセルロースでラッカー系塗料を使った場合、こいつとの戦いは避けては通れない。
今回は色流れ防止の方法について私なりに気を付けていることを書いてみる。
まず、セルロースの特徴として、
前回のコーティング表面を溶かしながら一体化し最終的に1つの層となる。
これが、セルロースの長所であり色流れを起こす厄介な原因でもある。
ということは単純に考えるなら、ディッピングした時に溶かすコーティングの厚みより分厚く色止めしてやれば良いということになる。
これは確かに効果がある。製作の条件は人それぞれなのではっきりとは言えないが色止めの噴き付け回数は5回では足らないはず。私はもっとやっています。
塗装の際にも気を付ける点がある。
厚塗りしないことはもちろんだが。塗料を希釈する溶剤(ラッカーシンナー)は必ず第1石油類を使用すること。第2石油類を使ってはいけない。セルロースの成分表を見れば大抵、第1石油類と書かれているはずだ。
溶剤の溶かす強さは、
第1石油類 > 第2石油類 なのだ。
第2石油類のシンナーを使っても希釈は出来るが、塗装した際に下地のセルロースをあまり溶かすことが出来ないので食いつきが悪くなる。それだけでなく後でディッピングした際に、セルロースは強い第1石油類なので余計に色流れしやすくなってしまう。
塗装の食いつきをなるべく良くしたいので塗料にはリターダーを少量入れることもポイント。
白濁防止でも役に立つものだけれど、リターダーはラッカーシンナー以上にセルロースを溶かすのでそれを塗料に混ぜることによって下地との食いつきが良くなるのだ。
今回の納品分から追加した新色の紹介です。
CBR ベースのカラー。
CBR はクリアーブラウンにオレンジベリーのパターンですが、新色のCZB カッパーゼブラはより色を濃くした感じでしょうか。
背中は飴色のようで腹はより濃厚なレッドベリーにしています。
CBR は好きな色なのですが、スレが蓄積された状況や活性がそれほど高くない時に使うと追いきれてないというか光の反射に警戒しているように見える場合がありました。
(アルミの反射面が大きいですからね)
そんな状況では少し反射を抑えてやって、よりミノーの動きを見やすくしてやった方がバイトしてくれるのではないかと思うのです。(活性が高ければあまりカラーに関係なく魚はアタックしてきますよね)
ギラギラしたミノーは遠くまでアピールできる反面、その反射によって輪郭がぼやけて見えているのではないかと。それに縞模様を入れて反射を和らげてやり、動きを掴みやすくしてやる。
ベリーはオレンジより濃厚なレッドにしてコントラストをはっきりさせる。
魚は普通、ミノーと同深度か下に居る場合がほとんどでしょうから、側面とお腹をよく見ているはずなのです。
この少しの違いがバイトさせる最後の一押しになってくれるかもしれません。
今、釣具屋さんのラックに架かっているミノーはシンキングミノーばかりです。フローティングは少なくなってきました。
シンキングでもヘビーシンキングといわれる重めのものが多くリリースされてます。
それだけニーズがあるということなのでしょう。
では、ヘビーシンキングとはどれくらいの重量のものを指しているのか。
これについて明確な答えを持っている人はいないと思われる。
ミノーはただ単に重さだけで比べても意味が無いのだから。
ミノーは比重が1を越えればシンキングになるのだから、種類の違うミノーがそれぞれ3.0gと4.0gだったからといって両方ともシンキングとは限らない。
3.0gはシンキングで4.0gはフローティングかもしれない。
どちらもシンキングだった場合でも、当然4.0gの方が重いけれどズングリムックリのボディだったら浮力と抵抗が多いわけでそんなに速くは沈まない。
軽い方の3.0gは細かったり薄いボディならそれらは少ないわけで4.0gのミノーよりも早く沈むかもしれない。
ちょっと難しくなってきたかもしれないけど。
ミノーが速く沈むかどうかは比重とボディデザインの兼ね合いで決まるものだと私は思う。
写真はレテノールと50mmのヘビーシンキングと53mmのシンキングディープだ。
レテノール以外はどちらもプロトタイプだ。50ssはボディを太くしているのだが浮力は不足気味であり引き抵抗も重い。釣れることは釣れるのだけれど使い心地が好みじゃないので実際使うことは少ない。
それに比べると重さはどちらもほぼ同じだがディープはロッドアクションには軽快だ。
リップが長いのでタダ巻きでは引き抵抗がそれなりにはあるのだけれど、体高のあるボディが浮力に余裕をもたらしているのだ。
体積はレテノールの2倍はあるだろう。
それぞれの比重は
ディープ < レテノール < 50ss
の順になる。軽くは無いのだけどディープの浮力の余裕は大きい。
ヒラを打って倒れた後、浮力が起き上がるのを助けてくれる。ディープとは思えないヒラウチを見せてくれる。ダートじゃなくてヒラ打ちする。
今までの渓流用ディープミノーとは違うもの、アクションさせるのが楽しいディープだ。
既に改良点は幾つか浮かんでいるのだが、もっと使い込んでレギュラーモデルに昇格できるようにさせたいものだ。
塗装が終わりました。
6日から天候が荒れる予報だったので、それまでになんとかかんとか間に合わせしました。
雨が降れば当然湿度が上がってしまうし、風があまり強いと塗装ブースからの排気の出が悪くなってしまうのです。
私の塗装のやり方は我流なのですが、周りにそういうことに詳しい人は居ませんでしたから他人に教えてもらったことはありません。
始めは多少調べはしましたが、自分に合う条件は結局自分で見つけ出すしかないのです。
実際使ってみなければ分かりません。調べた知識だけは多い頭でっかちよりも、少しでも手を動かして実際に使ってみた方が得られるモノは多いと私は思っています。
塗料の濃度
コンプレッサーの圧力
ブラシの調整
etc
最初の頃はそれぞれの条件を少しずつ変化させて、塗装にどんな影響があるのか試したりしてました。
使用感や目に見える変化が面白くて楽しくて、ずっと弄ってました。
しばらくすれば方向性というか各条件が固まってきます。
下地の塗料と本塗装ではコンプレッサーの圧力を変えた方が良い事、色の違いでも圧力やブラシの絞りを調整した方が綺麗に吹けるということが分かってくる。そうなるとさらに楽しい。
その筋に詳しい方から見れば私のやり方は基本を無視したり、適切ではないところがいっぱいあるのかもしれません。
たぶん他の人はやらないだろうな思うのが塗料の濃度(粘度)を調べる方法。
私は写真の様に手の甲というか左手の親指のところに吹いてみます。
よく見ると肌の表面には細かいヒダがあります(角質?)。そこへ吹付けてやると、ヒダへ毛細管現象で塗料が滲み込んで広がっていく。
その滲み込み具合を目視で確認して、濃薄を判断してます。
ジュワーと行き過ぎたな、薄いみたいだから原液を足した方が良いかなとか。
微妙な違いなのですが、これを各色吹く毎に繰り返す。
そうすると写真の様になってきます。これはまだ少ない方で、一日通してやると手の甲が凄いことになっている。
作業中は気付きませんが終了してから改めて見てみると自分でもびっくりします。悪い病気にでもなったのかと。
実際、このやり方は体に良い筈がないので真似しない方が良いです。
でも、これからもこれでやっちゃうのだろうな。
これは所有している1本のロッドのリールシートである。
現在のロッドのリールシートは殆どがスクリュータイプのものだと思う。
私はアップロック式、リングが下にあって上に向かって締め上げていくものが良いと思っているのだけれど。
親指や人差し指が常に金具に触れるダウンロック式だと長時間振っていると痛くなってきてしまうのだ。
(トゥイッチを多用するミノーイングでは想像以上の負荷が掛かっているのかも)
でも、そうならない人やデザインの好き好きもある趣味の道具なので、気に入ったものを使えばいいのだ。
そういったこととは別に純粋に機能の面で感心したのが写真のリールシートだ。
リールフットに被せて押さえつけるパイプ(なんて言うのだろう?)の内側に黒い樹脂のリングがはめ込まれている。
スクリューを締め上げていくと、リールフットにリングが当たる。さらに締めこむとリングが潰れるような感触が伝わってくる。後はダブルナットの要領でスクリューを止めればいい。
リングが弾性変形して戻ろうとする力とダブルナットの効果でほとんど緩まない。
非常に使い心地が良いのである。
リールフットにアルミパイプが直接は当たらないのでリールフットに傷がつきにくいのも嬉しいところ。
この部分は覗きこまないと見えません。使っている人でも気付かない人がいるでしょう。
他とは差別化しようとして特徴的なデザインにしたり高級感を狙っているデザインの製品は、目に見える部分にコストを掛けているのだけれど、使い心地や機能を優先して直接は見えない部分にお金と手間を掛けるのは賢い感じがして好きです。
こういった製品を作るメーカーには開発の現場にちゃんとした 釣り人 がいるのでしょう。
このロッドの会社は日本のメーカーでもかなり老舗です。
こういったノウハウが豊富で、釣り人から信頼される道具として優れたモノを造ってきたから生き残ってきたのでしょうね。
皆さんはミノーとラインをどうやって繋いでいるのでしょう。
ラインアイ⇒リング⇒スナップ⇒ライン ?
ラインアイ⇒リング⇒ライン ?
私はセッティングはこれ。
アイ⇒スナップ⇒ライン
ミノーにおいてラインアイ周りというのは出来るだけシンプルな方が良いと思う。
今までいくつもミノーを作っては潰してきたから言える確かなこと。
アイにリングを通し、それにスナップを通す。
これよりもアイにスナップでライン直結で泳がせた方がミノーはロッドアクションに軽くレスポンスよく反応する。力を伝えるラインとミノーの間にはなるべく余計なものが無い方が良い。
途中にリングがあると力の入力と動きに干渉してギクシャクする。リングは2重巻なのでアイやスナップよりも結構太いのでアイの自由度を妨げているのだ。
ルアー交換をしやすいようにという理由もあるのだけれど、アイとの接点は小さくしてやった方がミノーの自由度が高くなるはず。リングよりもスナップの方がずっと細い。
使うスナップの大きさ・強さというのも基準があるのだけど。
私の場合はライン強度の4倍位で選んでいる。
渓流なら 5lb ⇒ 20lbスナップ
サクラ 16lb ⇒ 50~60lbスナップ
これくらいが使いやすさと強度のバランスがいいと思っている。
強度だけならもう少し落としてもいいのかもしれないけれど、スナップのワイヤーがあまり細いとラインとの結束強度が落ちてしまう。
例えば、同じラインで小さいスナップとそれより少し大きいサイズのスナップに同じノットで結んで固定し、ラインを手で引き千切ってみてください。差が分かる筈です。(手を切らないように手袋とかしてください)
時々、川を歩いていると誰かがロストしたルアーを見つけることがありますよね。
よくみるとスナップからラインブレイクしているものがある。その使われているスナップがとても小さい場合、これは結束強度の足りなさで切れたのだと思います。
これでは人にも自然にも良くないですね。
ミノーの製作が遅れまして申しわけありません。
現在、ピッチを上げて製作しております。もうしばらく時間を下さいますようお願いします。
3D EYE の手持ちが少なくなってきていました。
しばらくぶりに作ることに・・・。
どうにもこの作業は好きになれませんねぇ。
ポンチで打ち抜いて貼って、打ち抜いて貼ってを只ひたすら繰り返していく単純作業ですから。
ある程度の数になったところで、透明な樹脂を盛っていきます。
最初の頃は、定番のエポキシを使ってました。
しかし、エポキシは混ぜるときにどうしても泡が入ります。それをいちいち取り除くのが余計な手間です。
それに混ぜ合わせた時から硬化が始まるので作業を途中で止められません。
結局、段々硬くなってきて使えなくなってしまう量がかなりある。
はっきり言って無駄が多すぎる。
なのですぐに別な素材に変えました。
今のは化学反応型じゃないので作成途中で固まってきてしまうことが無い。
好きな時に作業を中断しても大丈夫。
高価な素材だが無駄なく使えるので結果的に安く上がる。
時間がかかる場合があるが、エポキシのような混合率のミスによる硬化不良が無い。
今のこちらの方が明らかに適していますね。
ようやく全てに樹脂を盛り終えた後に悲劇が・・・。
固まっていない樹脂の上にビニールが乗ってしまい数十個が殉職!
終わったと思って気を抜いたらこれだ。
取り敢えずは生き残った分で足りそうだからいいけれど、近い内にまた作らなくてはいけなくなりました。
ミノーを作っていると、市販品を買わなくなります。
一年に3つくらい。多くても4、5個か。
お店に行くと新製品が並んでたりしますが、ボディデザインとリップの形と角度を見ればおおよそどんな動きか見当がついてしまいます。
シンクレートと重量もヒントになっているし。
塗装やメッキが薄いミノーだと天井の照明に透かせばウエイトの大きさと位置も分かるので、ルアーの重心も分かります。
(だからと言ってマネはしないほうがいいですよ。店員さんに怪しい客だと思われるかもしれません。)
そうやってこのミノーの設計の狙いはこうなのか? とか、あれこれ思うわけです。
(色々想像しますが、ここでは書けません。)
結局のところ、自分のミノーが一番使いやすいという理由で買わなくなってしまうのですが・・・。
ミノーと違って、スプーンは泳ぎを読むのがかなり難しい。
ミノーというのはヘビーシンキングであってもそれなりの浮力があって、水を受け止めるリップがある。
極端なデザインと重さにしなければ、ミノーは取り敢えず泳ぎます。
それと違ってスプーンは金属板ですから、浮力は少ないし水を積極的に掴むリップもありません。
ミノーはリップで水をかき回していく感じですが、スプーンはカップで受け流すイメージで捉えています。
シルエットと微妙なアールの組み合わせでそのスプーンの動きが生まれるのでしょうが、予想を裏切られることも多い。まだまだ作り手として釣り人として未熟であると思い知るのですが、ミノーは動きの法則をある程度把握できているのに対し、スプーンに関してはそれがまだまだ掴めていない。
今となっては主役の座をミノーに譲ってしまったスプーンですが、私の釣りに欠かすことが出来ないスプーンについても研究していきたいと思います。
ブレットンは良いスピナーだ。
そして、カーディナルも良いリールだ。
でも、この二つの組み合わせには困った点が有る。
勢いよく回るブレットンをしばらく投げていると糸撚れが酷いのだ。。
カーディナルをミノーで使っている分には殆ど気にならないのだけれど。
これをどうにかしよう。
そう思って改造してみたのが上のもの。
後ろの真鍮(たぶん)のシンカーにエポキシでタングステンウェイトを接着する。
重いタングステンで重心を偏らせ、ボディを下方向へ押さえつけるようにしてやる。
こうすれば撚れにくくなるはず。
しかし、ただ接着しただけではWウェイトにブレードが当たってしまって回転しなくなってしまう。
それを防ぐために、シャフトを切ってシンカーの前にビーズを足して嵩上げしブレードと干渉しないように作り直した。
これで快適に使えるようになったはずなのだけれど、残念ながら川で投げられませんね。
接着を除けば、シャフトを切って曲げるだけなので5分もあれば出来ます。
渓流用のミノーは50mm前後のものが殆どですね。
これはなぜなのでしょう。
渓流用とされているミノーでは、ハンドメイドも大手のインジェクションも揃ったようにこれ位の大きさです。
既に市場に出ている商品が50mm前後であるから、後発商品もそれに合わせてくるというのも理由としては少なからずあると思いますが。
モルフォのレテノールも48mmであり、50mmに近い大きさです。
どうしてこの大きさになったのか。
私が新たにミノーをデザインする(落書きみたいなものですが)時に意識することは・・・。
そこら辺に転がっている試作品とかを並べてみました。
下から 43mm Rhetenor48S 50mm 53mm 55mm 60mm(没になったRhetenor60S) Arrow67S
先ず考えるのが対象となる魚の大きさとフィールド、それから導かれるフックの大きさ。
レテノールの場合、対象は渓流のヤマメであるから、そのサイズは20cm~20後半がメインであるとして、大きく見積もっても35cmを越える位。
となるとフックは中軸のトレブル#12が適当か。
渓流であるから飛距離はそこまで重視しなくていいが弾道は安定してほしい事と、着水後の水馴染みを良くしたいから軽めのシンキングに決定。
・・・となるわけです。
それから、レテノールはヒラ打ちを重視するため体高を上げた扁平ボディにしたかった。
となると体高が高めなのでフラッシング面積が大きいから、過度のアピールを避けるためボディの長さは少し短めに。
それでいて、12番フックが絡まない前後のアイの距離を確保した全長が48mmでした。
前後のフック同士・ベリーフックとリップの根元が絡まないというのは結構重要と考えています。
泳がせているときに絡んでしまったりしたら魚は釣れませんし、キャストを止めて直すのもストレスです。
市販のミノーでそういった問題を抱えている製品が時折見かけます。勿体ないですよね。
メーカーならCADの段階で寸法から簡単に割り出せるはずですし、実釣テストを1度でもやれば必ず分かる問題です。
使う人のストレスが少ない方が良いに決まってます。
Arrow67の場合も同じように。
本流と湖を想定して対象サイズは30後半から50弱。フックはトレブル#10~8となる。
広いフィールドであるから飛距離が必要で、ボディにはそれなりの重みを持たせる。
空気抵抗を考慮してストレートに近いデザインが有利。
しかし、流水抵抗の少ない湖で、ある程度のスローリトリーブにも対応してほしいからベリーに緩いアールをつけてアクションしやすくする。
そのほか色んなことをあれこれ考えて決定したのが67mmとなった。
とこんな感じでデザインと寸法が決まっていくわけです。
こういう風に考えていくと渓流用ミノーが50mm前後に収まっているのは必然なのです。
市販されている渓流用ミノーが45~55mmの範囲にほぼ全てが入っているでしょう。
あなたのルアーケースやワレットに入っているミノーもそうであるはずです。
ルアー・ミノーのコーティング材にはセルロースセメントを使っている。
性能的には大きな不満は無くて、こればかり使ってきたから慣れてしまっている。
代表的なコーティング材にはウレタンもあるけれど、個人的には好きになれないのです。
色流れがし難くて艶が出るのが魅力だけど、塗装の剥離が許せない。
ドブ漬け前にヤスリで足付けしてやればマシになるけれど、どうしても渓流で使う場合は岩なんかに当たってしまうことが避けられない訳で。(私なんかはまだまだ未熟者ですので)
小さなヒビなんかは仕方ないとしても(ヒビが全く入らないコーティング材はないと思います)、割れて剥がれてくるのは困りますね。小さくて浮力の余裕が少ない渓流ミノーはアクションも変わってきてしまうし。
その点、今使っているセルロースは悪くないと思います。私が今シーズン使ったミノーでは、コーティングの剥がれたものはありませんでした。
悪くは無いんですがもっと強いコーティング材が欲しいとも思うのです。
ミノーを手にしてくれた方がどのようなシチュエーションで使うかは様々なわけです。
ならば、丈夫であればあるほど良い。
来シーズンは新しいコーティング材を試してみようかなと思っています。
厳密にはセルロース系の一種になると思うのですが、釣具屋さんの材料コーナーにはまず置いてありませんね。ちょっと特殊なヤツです。
楽しみです。
釣りに行った時に、あるポイントに遭遇して普段使っているミノーでは攻めきれない時が有る。
或いは、セオリーを多少無視して不利になろうとも自分の好きな釣り方を通したい時が有る。
そのためのミノーが必要だ。
例えば、サクラマスでは何とかして瀬で掛けたいと思っている。
ホームともいえるある川に惚れ込んでいて、その川の瀬で掛けたい。
出来ることならチェイスからバイトまで目視してヒットさせたい。
そのためのミノーを2年ほど前から少しずつ作っている。
あの川のために作るスペシャルミノー。
ポイントが限定されているのでそのミノーに汎用性はいらない。サクラがボトムについていても、それを浮かせてチェイスしバイトさせることが目標だ。だから、そのミノーはすごく潜っても40~50cmというところで狙いとしては20~30cmの表層を泳いでくれればいい。だから当然、フローティング。
飛距離もいらない。20mも飛べばそこでは十分だ。
別に特別大きな魚が掛からなくても構わない。
そうして釣れた魚は、私にとって特別な1尾になる。
局地戦仕様ともいえるミノー。
他にも、ある場所のヤマメやヒメマスに照準を合わせたものもある。
上の写真のミノー達がそれだ。
来シーズンはこれらのモデルの中から、アレンジしたものをお届けできればと思っている。
300万円
ある楽器職人のバイオリンの価格。
我々一般人からしたら楽器にそれ程の大金を出すことは容易なことではないがプロの奏者が使うのであれば安い方らしい。
小学生だったか中学生だった頃、あるバイオリン職人を取材した番組をTVで観た。
バイオリン職人が1人アトリエで喋らずに木を削り出していた。
後ろにはカメラのレンズが有り、おそらく集中しづらい状態だったはずだ。
それでも彼は、目の前の作品に自分の持てる技術を注ぎ込んでいた。
その後ろ姿からは、気というかオーラを放っているように私には感じられた。
そのバイオリン職人は年に5本のバイオリンしか作らないのだという。
というか作れない。
自分の持てる技術のすべてを注ぎ込んで、現時点で最高のものを目指して作っているので5本が限界だというのだ。おかげで何年も先までオーダーが溜まってしまっているという。
なんとか早く仕上げてくれないかと頼まれても、それは出来ませんとお断りする。
早さを優先すると自分の納得した仕上がりにならない。そんなものをお客様に渡してしまっては失礼だ。
もう少し数を増やすことも出来るかもしれないが、お金のためにやっているのではないのだと。
価格は300万円だがこれより頂くことはない。今までよりも手間が掛かるようになろうとも自分の技術を磨くためにやっていることだからこれからも値段は上げない。
そう語る彼は誇りに満ちていて、そして幸福そうに見えた。
300万円
彼の作るバイオリンならけっして高くないと思う。
前回の記事でスピナーベイトの紹介をしました。
ルアーメーカーさんでこのトラウト用のスピナーベイトを発売しているのを私は見たことが有りません。
これって何でなんでしょうか?
私が思うにトラウトの世界って良くも悪くも保守的だからだと思う。ネイティブの場合は特に。
前回の記事で、
なんでバス用のルアーでトラウト釣るんだよ!
と、つっこんだ人もいるのではないかと。
トラウト用ルアーはミノー・スプーン・スピナーが3種の神器の如く絶対で、他のルアーは受け入れられにくい世界になっていると感じます。
だから、メーカーさん側も企画が出てきても商品化されることはなく埋もれてしまう。販売しても数は出ない(儲からない)だろうからそんなものに開発予算は出せないという判断が少なからずあるのではないか。
つまり、メーカー側にそう思わせてしまうユーザー側の保守的な意識に理由があると思う。
保守的なことが悪い事ではなくて、既存のジャンルの中でメーカーが切磋琢磨し、ミノーやスプーンの性能が向上して熟成されていく。
だけれど私はもっとトラウト用ルアーは他のものを認めて受け入れてもいいと思う。
今後も主力はミノーでありスプーン・スピナーの3種の神器が変わることは無いだろうけど、色んなものを使えばいいと思う。
スピナーベイトは本来はバス用のルアー。ルアーフィッシングの世界においてバスの道具がトラウトよりもずっと先(5年も10年も)を進んでいるのは間違いなく、色々なやり方があってそれ専用のリール・ロッド・ルアーをメーカーが開発し供給している。
私はバスはやりませんが、色んな可能性を試して提案するメーカーとそれに応えるユーザーの関係は素晴らしいと思います。
食わず嫌いはやめて私たちも色んなことを試しましょう。
可能性を試さないなんてもったいないし、きっとその方が面白いですよ。
よくこの時期になるとTVニュースや新聞で鮭が産卵のために遡上してきたことが取り上げられてますよね。
生まれた川にちゃんと帰ってくるなんて凄いなぁ・・・とか、やった!!新鮮なイクラが食べられるぞ!とか人によって感じ方は様々だと思います。
私は鮭鱒の成長や成熟について興味が湧いてきます。
11月も半ばになるとヤマメやイワナの産卵も終盤になっていることだと思います。
イワナは秋に産卵してもそのまま冬を越して来年以降も複数回成熟するものが多いといわれるのに対してヤマメは産卵した後には疲弊して死んでしまうことが殆どだといわれていますがこれは本当なのか。
個人的には春先に前年に産卵に参加したと思われる疑わしい個体を何度か釣ったことが有る。
尻びれや尾びれが破れてはいないがギザギザになっている個体。
この個体は雌で、おそらく秋に産卵床を掘る際にボロボロにになったものがひれの筋が繋がり回復したもの。しかし、冬場は餌が少なく栄養状態が良くないので、回復に時間が掛かり綺麗に戻らなかったのではないかと思っている。
個人的な考えでは、ヤマメの多くは産卵後に死んでしまうが少ないながらも越冬し次の年以降も複数回成熟し産卵する個体がいる。
他にも、
鮭は海に下って成長するが淡水のままの(つまり川で)環境に置かれた場合ではどうなるのか。
ちゃんと成長し、最終的には成熟するのか。それとも成長不良になったり死んだりしてしまうのか。
逆に、鮭やサクラをずっと同じ環境下(水温、塩分濃度、日照時間等を一定にコントロールする)、海水で飼育したら何年生きるのか。成熟するのか。
ヤマメやイワナの場合、淡水ではどうなのか。
こんな感じで色々と気になることが有るのだけど、不思議なことが多いから私たちは彼らに魅力を感じてしまうんでしょう。
水産試験場とかでは上記のような実験を行っていて結果が出ているのかもしれないけど、知らないままの方が夢があっていい気がしますね。
今回はルアーの輝きについて考えてみます。
ルアーは大抵、光をよく反射するように加工がしてありますよね。
メッキだったりホログラムが貼ってあったり、そしてハンドメイドミノーにはアルミが貼ってある。
例としてスプーンの場合を考えてみたいと思います。
スプーンには鏡面のようなメッキがしてあるものが殆どだと思います。
私はこの鏡面メッキの状態って好きじゃないんです。
理由はアピール力にムラが大きいと感じることとギラついた反射に魚が警戒することも多いから。
写真右のものが鏡面メッキされた状態なのだが、斜めに光が2本強く反射している。眩しい。
(ワザと光を当てて撮影しています。)
しかし、その周りは、周囲の景色を映しこんでいるように目立たない。
ムラとは、これは予測なのだけれど、明るい状態ではこのスプーンはギラギラと反射して強くアピールするがライトの様に収束された直線的な光を放つ。
逆に、暗い状況では光が反射することなく、鏡面故に周囲の景色を映しこんでしまってカモフラージュされてしまうという状態ではなかろうか。
そして、現在のフィールドではスレた魚やルアーに警戒心を持った魚が珍しくない。
そういう魚を相手にしてメッキのスプーンを使用した時、魚が逃げるように泳いでいくのを見たのは数多い。
途中まで追っていたのにトゥイッチした途端、反転していく。これはいきなり、強く光が反射してしまい驚いたり嫌がったりしたように私には見えた。
それが嫌で何とかしようとしたのが隣のスプーンだ。
メッキに紙やすり(#600位かな)を掛けた後にピカール(研磨剤)で磨いたもの。
光の反射にムラが無くなるわけではないが眩しい感じはしない。表面に細かいキズがついているので色々な方向に光が拡散している。メッキがライトならこちらは電球の光に近いだろうか。
鏡面ではなくなり景色が映り込まないので暗い状況でもスプーンのシルエットが見えるようになっているはずだ。
左の二つはハンマートーンとダイヤカット加工されたものだが、おそらく同じような効果を狙って作られたものだと思う。実際、これらの加工を施したものの方が現在のフィールドでは強いと感じている。
実はレテノールのアルミにもある考えが有って、あの模様にしているのですがミノー編はまた別の機会にご紹介します。
先月、とある湖に行ってきました。
もちろん釣りです。
(釣行記は次回アップしますね。)
湖なので場所にもよるけれどミノーの射程内に魚が居ない(届かないという方が適切か?)ということも珍しくないので、飛距離の稼げるメタル系のルアーも当然ベストのポケットに入れていきます。
スプーンやジグです。(私は湖ではスピナーをあまり使わない)
その日は、水深20~30m以上のディープレンジを探ってみたくてジグやスプーンをメインに釣りを組み立て、ポイントを選びました。
数種類のジグを投げ比べ、一旦ボトムまでフォールさせ、アクションさせながら巻き上げてくる。
ヒットして何匹かを釣り上げる。
そんなことをしばらく続けながら、色んなことが頭に浮かんできます。
これはトラウト用に作られたものではないから、あーしたい・こうだったらどうなんだ?という具合に。
15g前後が使いやすいな。(私の場合)
今使っているのはセンター重心とリア重心だがフロント重心ならどうなる?
鉛ではフォールが若干速すぎてシャクった後の間が取りずらいと感じるから、真鍮や亜鉛・ステンレスで作った方ががトラウトには合っているのではないか。
もしくは、鉛の周りを発泡樹脂やウッドで包んでしまって、幾らか浮力を増してやれば・・・
ジグのシルエットや表面に特徴的な窪み或いは盛り上がりを持たせたりして形状に変化を付ければ、アクションをコントロール出来るのでは?
etc,,, .
こんな風に現場で色んなことを創造します。
それに帰りの運転中にも、あーでもない・こーでもない と考えたりして。
今日は、まぁ釣れたけれどアレが気になったから、次回はこうすればもっと釣れるだろうと夢想したり。
でも、中々思い通りにならなくて これだけじゃダメだ!あれも追加しよう とか。
モノを造るうえでこういうことが一番重要だと思うんです。
創造することが。
やっぱりこのアイデアはフィールドでしか思いつかないだろうなと感じることも多いです。
スプーンやスピナー使っていてミノー製作のヒントが得られたりもする。
机に向かっているだけではダメなんです。
でも、本当は釣りに行きたいだけだったりして・・・。
先日、湖でジギングを楽しんできました。
岬からブレイクの向こう側までフルキャストする爽快な釣りは、渓流とは違った面白さが有り新鮮でした。
(詳細は近日中に From Stream and Lake にて紹介しますね。)
ジグやらスプーンを投げて釣ってきたのですが、水深数十mのディープレンジを狙う釣りですので根掛かりが珍しくない。
ロストしたりもしましたが、PEの強度を活かしてフックを引き伸ばして回収出来た時にはアシストフックの針先がダメになっている。
もちろん、そんなことは想定の上で替えのアシストフックを数日前から巻いていたのだ。
巻いていた時に、ふと思ったのだがこれらを上手く収納するケースが手元にない。
トレブルフックを入れているプラケースは厚みが有って使い勝手が悪そうだ。
思うところが有って、形状とサイズ違いで数種類巻いてある。
出来れば、種類・サイズ別に分けてコンパクトに収納したい。
ベストのポケットに無理なく収まる大きさで取り出しやすいものを。
幾つか思いついた中でこれがイイのではないかと。
手帳型のカードケース。
アシストフックを種類別にパッキン付きのポリ袋に入れてカードケースのスリットに収める。
これなら選ぶ時にも迷わないし、小さなベストのポケットにもするりと入る。
まだ使い始めたばかりだけど使い勝手は悪くありません。
先日のとある釣行での話。
その日は知り合いの方と3人での釣行だった。
川近くの県道沿いで待ち合わせ、入渓点へ車を止め釣りを始めた。
交代しながら3人で先頭を交代しながら釣り上がる。
だが、この日の魚の機嫌はあまり良くないようだった。
ここぞと思われるポイントでもまばらな反応ばかり。
前日に人が入ったのだろうか?
交代して私の番だ。
ポイントは上流からの落ち込みから続く深瀬。
アップでレテノールをキャストし、トゥイッチで誘う。
すると数m先の流芯底でヤマメがチェイスするのが見えた。
続け様に何回かアプローチするも、そのヤマメは見切ってしまったようだ。
相変わらず下手だなぁ。ちゃんと釣れよ、まったく。
と思いながらルアーチェンジしようとワレットを取り出す。
さて、どうしよう。
こういう時、私はルアーのサイズを上げたり、アクションが大きくなる様なものを選択することが多い。
ヤマメは今結んでいるレテノールのアクションを見切って警戒してしまっている。こういう状況ではヤマメはルアーをベイトとして認識してることは無いだろうからサイズダウンしてアピールを抑えたりするよりも、逆にアピールを大きくしてリアクションバイトを狙った方が良い結果が出る気がしている。
そして、出来れば魚にとってシルエットがはっきり見えた方が良い。
そんなわけで交換するのは、試作品の薄型55mmだ。
最初はフラッシングを狙ってパッションオレンジにしようと思った。ところがフックがワレットのファスナー付近に貫通していて中々取れない。なのでブラックチャートをスナップにセットした。
先程と同じラインを狙って薄型55mmのブラックチャートをトレースさせる。
レテノールの時よりも1回1回のヒラを大きく打たせる。若干ジャークさせるイメージで。
すると3投目位だろうか、ヤマメがバイトし横に走った。
合わせが僅かに遅れフックに乗せることは出来なかった。食いも浅かったと思う。
でも、一度は沈黙したヤマメが口を使ったのだ。
口を使った理由をはっきりと確かめることは出来ないけれど、少なくともルアーチェンジの方向性は間違ってはいなかったと考えることが出来る。
その時々のケースバイケースではあるけれどルアーチェンジの際の黒への私の信頼は厚い。
ミノーを見るということにおいて、魚とアングラーは全く別の状態になっている。
魚は水中から水面方向を見上げている。
アングラーは上から水中を見下ろしている。
だから、川底をバックに見るアングラーはミノーが地味なカラーだと見づらいと感じ、反対にチャートやピンク・赤だったり光を良く反射するカラーならはっきりと目で追うことが出来る。
ところが下から見上げる魚にとって明るいカラーはシルエットがぼやけてさせてしまっているのではなかろうか。そのおかげでミノーへのバイトをためらってしまうことが少なからずあると思う。
トラウト用ミノーにおいてヤマメパターンは定番とされていてモルフォにもいくつかのバリエーションが有る。
要はパーマークが有るか無しかなのだけれど、私はヤマメやイワナがヤマメカラーのミノーを同族の幼魚だと思ってバイトしてくる場合は稀だと思っている。彼らは、これは魚じゃないとすぐに御見通しになるはずだ。
それでもこのヤマメカラーが定番であり良く釣れるのは、側面に濃い色のパーマークが入ることによりミノーの動きが魚にとって見やすくなっているためではないかと思う。
それとオレンジベリーも有効とされているパターンだ。確かに鱒達はオレンジや赤系統の色に反応しやすいと感じるけれど、お腹を塗りつぶすことによって魚にとってミノーの動きが捉えやすくなっているはずだ。
魚の見ている世界とアングラーの見ている世界は違う。
我々にとって見やすい色は魚にとっては見難いものかもしれない。
そんなことを考えながらカラーを考えたり、エアブラシを吹いたりしています。
人にはそれぞれ好きなカラーや信頼しているカラーが有ると思います。
個人的には見やすい色が好きなのでチャート系・ピンク・オイカワ・CBRといったカラーを投げることが多くて主力となっているのだけれど、カラーローテの最後の一手として最近はブラックチャートを選ぶことが多い。
渓流でよくあるシチュエーション、水深は膝上程度で数mの瀬でヤマメがミノーに反応した。
最初は勢い良く反応してくれたけど口は使ってくれない。
そうして何投かしているか内に沈黙していく・・・。
そこで色を変えてみる。
シルバー系からゴールド系へだったり。
或いはその逆だったり。もっと別な色だったり。
もちろんそういうことも試すけれど最後はブラックを結んで投げる。
するとどうだろう。ヒットまでするかどうかは別としてまた反応してくれることが多いのだ。
これはどういうことなのだろう。
この理由は予測するしかないのだけれど、
先ずひとつは今までこんな色のミノーを見たことがないために魚に取って新鮮に映り、興味を取り戻してくれた。トラウト用のミノーでは珍しいカラーでこれを主力として投げる人は殆ど居ないであろうということ。
それと、黒という色は魚にとっては最も見やすい色なのではないかということ。
ミノーは通常、魚と同深度から上を泳いでいる場合が殆どであるだろうから、魚は前方向・左右の水中の景色と水面方向、つまり上の方を見ていることになる。魚の頭と眼の付き方から考えても下方向を見るのは重視されていないと思う。
ミノーが魚より上のタナを泳いでいる場合は、魚は水面方向にミノーを見上げているわけだから空の青白く波立つ水面をバックに黒いミノーを認識する。
白っぽいバックに黒い物体が動いている状況。これは魚にとって一番ミノーがはっきり見えているはずだ。
これがお腹が白いシルバーベースのミノーだったら、輪郭がぼやけてしまっているのではないか。
分かりやすい例として、ハエが天井に止まっていても比較的簡単に見つけることが出来る。
たった数mmしかない虫なのに 「あそこに居る」 と分かるのは、ハエの体色が黒く天井の色とのコントラストが強いからだ。
この黒いミノーが周りの情景よりも圧倒的に濃い色であるから魚はミノーをしっかり認識することが出来るのだ。
これが重要なのだと思う。
今日はミノーの泳ぎについて、ちょっとためになるお話を。
このブログをご覧になって下さっている方は少なからずバルサミノーに関心を持っている方々だと思います。既に幾つか持っていて使用している方、又は興味があってこれから試しに買って使ってみようかと思っている方、いろいろでしょうけど決して安くは無いバルサミノーですから "いいモノ" を買いたいですよね。
私は自分でミノーを作り、それで釣りをしますが、他のビルダーさんのいろんな作品を見るのが好きです。
ボディのデザインとリップの形で大体の泳ぎは想像出来たりしますが、面白そうなモノがあったら購入して使ってみることにしています。
それで購入するときにミノーのどんなところを見て、どれを選ぶかが重要です。
カラーは各自の好みを優先しても良いと思います。
私は、ヤマメパターンかチャートや見やすい色にしてます。ヤマメカラーはビルダーさんの様々なパターンがあって面白いです。
それで何が一番重要なのかというと、ラインアイとリップの状態だと思います。
どちらともミノーの泳ぎ・動きに直接関係するデリケートな部分です。
上の写真の様にミノーの中心からラインアイが伸び、リップの中心と一致していることが望ましいです。
それと違う角度から、
下から見てみて、リップが斜めになっていないなるべく真っ直ぐに近いモノを。
このようなものはおそらくビルダーさんが望んでいる泳ぎをしてくれるはずです。
どういうことかと言うとハンドメイドミノーは出荷前にスイムテスト及びラインアイ調整をしているはずです。
左右どちらかに傾いて泳いでしまった場合、ラインアイを曲げて調整するわけですが、この曲げる角度が少なくて済むものは簡単に言えばいくらか限界が高くバランスが良いものなのです。
もちろんスイムテストを合格しているものなのですから少々曲がっていても不良品ではなくちゃんと泳いで使えるものなんですが。
でも、どうせなら少しでも "いい泳ぎ" のものが欲しいですよね。
リップが傾かずに中心についていてアイが真っ直ぐが理想なんです。
私はバルサミノーを買う時はここを見て選ぶようにしています。
見た目がどんなに綺麗でもアイやリップが大きく曲がっていたらそれはやめて、他のものを選ぶようにしています。
ミノーは現場での泳ぎが一番重要ですからここは外せないポイントです。
リップとアイが綺麗に整っているものは、例えばミスキャストしてぶつけてアイが曲がってしまったとしても再調整が楽なことが多いです。
今回難しい理屈は置いといて、ミノーを選ぶ際のポイントをご紹介しました。
もちろん MORPHO のミノーはスイムテストしてますよ。
先日のサクラ釣行にて本命ではなく54cmのニジマスが釣れてしまったのですが、その時に鱒のファイトの強さを思い知らされました。
鱒を流れに戻した後、ラインシステムを組み直しているときに気付いたのですがリアフックのアイが90度捩じられていました。
これを見た時は結構、ドキッとしました。
インジェクションミノーの場合、もしかしたら亀裂が入ってバラバラにされたかもしれません。
MORPHO のミノーはすべてステンレスの貫通ワイヤー構造にしてあります。
引張り強度に余裕を持たせるため長めのワイヤーを使用してあります。
通常の使用において、ワイヤーが抜けてくるということはないと思います。
昨年、Rhetenor48S にてサクラマスを釣り上げたお客様もいます。
そして、サクラマス用のミノーはバルサ4枚構造にして曲げ強度も高めてあります。
通常は2枚構造であり、その場合は接着剤が1層になりますが4枚構造では接着剤が3層となりますので強度がかなり違ってきます。
今回のワイヤーは捩じられましたがアイの根元のボディはほとんど亀裂も入っていませんでした。
これらの大物に対する対策が正しかったことを今回のニジマスは証明してくれました。
以前紹介したリール、コンプレックス2500HGSですが、ちょっとハンドルが長いなと感じていました。純正は55mmありますがもう少し短くてして手首で軽く回すようにしたかったのです。
ですが、このリールはハイギアなので回転の立ち上がりが少々重いのです。短くしたら今度はそこが気になるかなと思っていたところ先日、シマノからヴァンキッシュ Vanquish (英国の高級車みたい)なる新製品がデビューしました。
なにやら見てみると新開発のローターと軽量ハンドルを搭載しています。折り畳み機構を排し軽量化を優先したハンドルとのことで、こりゃ良さそうだと2500番のハンドル軸(50mm)を取り寄せました。
写真は既にコンプレックスへ交換移植したもので右が今までの純正55mmハンドルです。
交換したところ感触は上々です。短くなっているのにもかかわらず立ち上がりの重さも少なくなったと感じるほどです。折り畳み機構が無くなり構成部品が少なくなってよりガッチリとドライブギアに繋がっている感じです。ハンドル単体での剛性は間違いなく上がっているでしょう。
ヴァンキッシュはMgボディとかギアがステラと同じだとか話題が多いリールだと思いますが、軽量化されたローターとハンドルが一番のトピックでしょう。
回転するリール部品の中で一番大きく重いローターとハンドルを軽量化して低慣性を実現しています。ヴァンキッシュを実際見てみましたがローターを軽くするだけでなくコンパクトにしてありました。低慣性にするために徹底しています。感心しました。
小さな力で回転し始め、小さな力で止められること。
これが道具としてのリールの価値を大きく高めてくれます。リールはギアがそんなにシルキースムーズでなくてもいいんです。渓流でトゥイッチングしているとき回転のシルキーさなんて大した問題じゃないと思います、実際。
こういった改良には好感が持てます。
ちなみにこのハンドル軸交換ですがツインパワーやバイオマスターでも可能だと思います。ねじ込み部分は共通の設計にしてあるはずです。オススメです。
今回はハンドル軸のみを交換したのでノブを移植するために上の写真のようなものを作ってみました。ステンレスバネ線で作ったハンドルキャップ外しです。2分もあれば出来ます。
昔のカーディナルには純正工具が付いてましたがこういうのが付属してきてくれたら親切ですよね。
ライン・ルアーからの振動が魚に伝わっているとして実際のフィールドでの事を考えてみます。
先ず、渓流での流れとして、
1.ルアー(ミノー)をキャスト
2.着水
3.リトリーブ開始
4.トゥイッチ等のアクションを加える
5.魚がチェイス
6.ヒットまたは見切られる
といったものとして話を進めてみます。
では魚はどの段階でルアーに気づくのか。振動によることを考えると 2.の時点で近距離にいる魚は視界にそれを捉えていなくても気付くはずです。さらに3.~4.になると当然ルアーからの振動は大きくなるので2.の段階では気づかなかった距離の魚にも存在を知らせることができる。ルアーの存在を知り、それが何か確認するために接近し、ルアーを確認、ヒラ打ち等のアクションによって興奮しバイトに至る。
この理屈がある程度当たっているとすれば、最近流行りのトゥイッチングメソッドが釣れる理由の一つだと思います。渓流では複雑な流れがあって、水中にはいろいろな振動・雑音があるはずです。
そうした状況の中ではトゥイッチによって大きくアクションさせてより大きな振動(波動)を発生させ、ただ巻きよりも広範囲にルアーの存在をアピールできるのです。
さらに濁りがきつく視界が利かない状態でも釣れてくることがありますがこれも説明できます。
何やら他とは違う振動のするものが感じられた、濁っていて遠くまでは見えないため接近、至近距離でルアーを確認してバイトに至るといった具合です。
次に湖での場合。
湖では水中雑音の影響はあまり考えられないためそれ程大きくアクションさせなくてもある程度の範囲にアピールできることになります。実際に渓流でやるような激しいトゥイッチしている人はあまり見掛けません。
激しくやって興味を持つ魚もいるでしょうが逆に警戒するものもいるかもしれません。普段そんな大きな振動(波動)を発するものがないからです。
予想以上に長くなってしまいましたが管理釣り場での体験からフィールドに仮説を展開してみました。
実際当たっているのかどうかはっきり確かめることは出来ませんがこんなこと考えながらやっていると現場での新たな発見に繋がったりするものです。
おそらくルアーが見えていないのにも拘らず明らかにルアーを避けていく。
何回か同じ反応を見ているうちに分かったのはルアーは見えていないと思われるがその魚の近くをラインが通っているということとトゥイッチした時にその反応が出やすいということでした。
そのことから考えられる仮説なのですが魚は近くを通るラインからの振動及びルアーの振動に反応している。その時は視覚からの情報はあまり重要ではない。(あくまでこの時、この管理釣り場の条件からです)
この時のタックルは渓流ロッドにPEライン8ポンド。管理釣り場に8ポンドの強度は必要ないと思いますが替えのラインがありませんでしたので湖用のものを使っていました。
PEですのでトゥイッチした時の振動がよりダイレクトに魚に伝わっていたのではないでしょうか。この管理釣り場はあまり放流をしていないようなので魚は何回か釣られているはずです。魚の記憶力がどれほどなのか分かりませんが経験的に危険な状況を覚えていたのかもしれません。キャッチ&リリースが前提の釣り場ですからスレが蓄積されていくのだと思います。
近年の管理釣り場で使用されるラインはどんどん細くなってきました。3ポンド以下なんてのも珍しくないでしょう。アングラーも増え魚にプレッシャーが常に掛かるシビアな状況です。
細くなってきたのはそうした状況の中で釣るためにラインからの振動の影響をなるべく抑えたいというのが理由の一つにあるのだと思います。
今度は実際のフィールドでのことを考えてみます。
その3へ
昨年の渓流シーズンが終わってしばらくした頃、トラウトの引きが味わいたいということで管理釣り場に行ってきました。その管理釣り場は規模が小さく魚影も濃くありませんでした。放流されているのはレインボーとイワナでサイズは20~50㎝程といったところでした。
開園直後に入ったのですが既に地元常連と思われる方が二人やっておられましたが状況は渋いようであまり釣れていません。そのまま2時間ほどでその二人は帰っていきました。
こちらもあまり釣れていませんが自由に場所を移動できるようになりましたので単発ながらレインボーが掛かるようになりました。スプーンやらスピナーもありましたがその日はすべて同じミノーでの釣果となりました。
すべて同じモノでということでそれはそれで興味深かったのですがよく見ていると魚のある反応が目につきました。
その日はミノーを魚の前でトゥイッチしてリアクションバイトに持ち込むパターンが主でしたが、それを嫌がって避けていく魚も当然いました。魚の視界にルアーが入っている中でその反応が見られるのは分かるのですが魚とルアーにそれなりに距離があり見えていないのではないかいう状況でもそのような反応を示す魚が居たということ。そしてその魚はルアーに対して背を向ける位置関係になっていたのです。
その2へ
PEラインを使い始めたことによってそれまでの問題が改善されました。
そして今まで通りに釣っていたのですがナイロンとはちがった問題が顔を出しました。
ある日、いつも通りにミノーを流していたところ、ガツっとした手応えが伝わってきました。反射的に大きくロッドを煽って合わせを入れました(私は釣りにおいて合わせを重要視しているため思い切りよく合せるのが癖になっています)。
残念ながら手応えは川の女王様ではなく岩か何かに根がかりしたものでした。こんな事はよくある事ですのでラインをそのまま手繰って力ずくで引き剥がします。フックを伸ばしながらも回収できるPEの強度に感心しました。
フックを交換して続けているとまたも手応えを感じて合わせますが悲しいかな先ほどと同じでした。今度はルアーは一瞬ではずれ回収できましたが何やらリトリーブする手元の感触に違和感がありました。確認するとトレブルフックの1本が折れていました。PEに変えてからこの折れを何回か経験しました。ナイロンの時にはあまり無かったことです。
折れるほどの力をフックに加えていたことになります。このときは岩に根がかりだったからよかったもののサクラだったら口を破壊してしまうかもしれません。スレだとしたら肉を引き裂くことになるでしょう。どう考えてもその後生きていけるとは思えません。これは痛まし過ぎます。
原因はドラグの締めすぎでした。ナイロンの時とそう変わらない設定にしていたのです。PEはほとんど伸びないためドラグが滑る前に瞬間的に相当な力がかかってしまいます。ナイロンは適度な伸びによってこの問題は起きなかったのでしょう。要は合わせる力を少なくすればいいのですが大きく合せる癖はなかなか直せません。そうなるとドラグを緩めて対処するしかありません。いろいろと試してみましたがショートリップのミノーを軽くジャークした時に滑る程度の設定になりました。ナイロンの時より大分弱いですがフックアップに問題は無いようです。
この事はタックルバランスやセッティングを考えさせられる出来事でした。
写真のリールは本流域と湖で主に使用しているリールです。
ラインはPEを巻いてあります。
元々、私はナイロンラインばかり使用していました。
今は渓流はナイロン、本流・湖ではPEと使い分けています。
PEを使い始めたのはここ2,3年になってからです。使い始めるきっかけになったのはサクラマスを狙うことでした。サクラマスでもナイロンを使用していて強度で不満はありませんでしたし、中小規模河川で狙うため飛距離も問題ありませんでした。
ではなぜPEに変えることになったのか。それはミノーを操る操作性を重要視したからです。
それまでのナイロンではミノーに思い通りのアクションを加えることが難しかったのです。サクラロッドは7ftクラスですがティップまでハリがあってパワーの余裕のあるトゥイッチングロッドでした。それでもロッド操作とミノーアクションに後れを感じていました。太さのあるナイロンが水流の抵抗を大きく受け、ミノーに伝えたい力が半減しているみたいでした。ミノーを引いているのではなくナイロンラインを動かしていると感じたのです。
思い通りのアクションを演出するためには大きくロッドを動かす必要があり余計な体力の消耗もしてしまうのが気になっていました。
そんなこともあってPEラインを使ってみたのですが、この問題は大幅に改善されました。ラインの伸びが極端に小さくなりミノーをダイレクトに動かせるようになりました。ロッドアクションも小さくて済み疲れにくくなったので集中力も長く保てるようになりましたし、感度も素晴らしく良いことづくめかと思われたのですがナイロンとは違った問題も潜んでいました。
その2へ
シングルフックとトレブルフックにはそれぞれにかかる抵抗に大きな差がある。
実はこのことがシングルフック標準のルアーが少ないということの理由なんじゃないだろうか。
メーカーがルアーを販売する時、トラウト用です・シーバス用といった対象魚という大まかなジャンル分けをしたとしても川専用です・港でのみお使い下さいといった説明はあまり見掛けない。そのルアーをどこでどんな風に使うかはアングラーの自由であるため、メーカーはどこでも使えるように安定性をある程度重視しなければいけないのだ。そのためにはトレブルフックの抵抗の大きさを利用してルアーを安定させるのだ。それにトレブルのほうがシングルよりも針に掛かる確率は高い訳であるし、合わせたけれどすっぽ抜けてきたというのはアングラーにとって気分が悪い。当然確率は高い方が良いに決まっている。このように書くとシングルフックはトレブルに対して劣っているという風に感じてしまうかもしれないけれどこれは形状による性質の違いであってフックの優劣ではない。
フックは魚を掛ける以外にも大きな役目をはたしているということ。
フック交換でトレブル⇒トレブルが理想なのだけどトレブル⇒シングルにしたいという人も少なくない。
シングル化によるメリットとして、リリースし易さによるダメージ軽減や力が一点に掛かることによる貫通力の高さ・根掛かりのし難さ・ボサや枝に絡んだ時の回収率upなどが挙げられる。何を目的にするかは人によってそれぞれ。
問題はシングル化によって少なからず失われている安定性だ。気にならない程度ならいいがそうでない場合はそれを補ってやる工夫が必要ある。
シングル化によって減少したフックの重みと抵抗を高めるのだ。
重みを増やすには太めのフックを選ぶこと。太軸によって刺さりが悪くなることが心配されるが一点に力が集中するシングルフックではそこまで心配する必要はないはず。
もう一つはスプリットリングのサイズを一つ上げること。リングというのは2重巻であるため直径の6倍以上のワイヤー長があり見た目以上に重みがあるし、サイズupによる抵抗増にもいくらか期待できる。
抵抗を補う方法として写真の様なスイミング仕様にするとフックの抵抗を高めることができる。バレ難さを語られることが多いものだけれどこういう効果もあるのだ。
最終手段としてミノーのベリーに重りを張り付けるという方法もあるけれど、これはミノー自体の重量upになるので動きのキレが悪くなってしまいます。
シングルフックへの交換の際に参考にしてください。
ルアーには当然フック、針が付いている。
これは魚に直接コンタクトする部分であるから拘っている人も多いはず。
好みのフックに交換して釣ろうという人も多いんじゃないでしょうか。
そうじゃなくてもフックは消耗品であるから交換する必要が出てくる。
このとき、以前ついていたのとは違うものをつけると困ったことが起きることがあります。
特にトレブルからシングルに変えるとアクションが大きくなりすぎたり、強い流れで飛び出してしまったりということが起きたりする。 原因として良く言われているのはフックの自重の差。シングルは文字通りワイヤーが1本だけであるが トレブルは単純に見ても3本もある。単純に3倍の重量ではないにしても、常にフックの重みがルアーを 下方向に引っ張りルアーを安定させている力にはそれなりの差があるはず。
しかし、それとはまた違う理由もあると思うのです。
ルアーが泳いでいるとき当然フックは水中にある。当たり前のことなのだけれど何が言いたいのかというと フックには水の抵抗が常に掛かっているということ。一目瞭然トレブルフックにはシングルフックより かなりの抵抗がかかることになる。
また、流体の抵抗は速度の二乗に比例する。 速度が2倍になれば抵抗は4倍になってしまう。シングルに交換したミノーでトロ場は問題なかったけれど 瀬をダウンで流したら 使いものにならなくなったという経験した人が少なくないんじゃないでしょうか。その時の理由は これだと思われます。流速の差がフックにかかる抵抗に極端な差をもたらした。
トレブルフックには抵抗が大きくかかりルアーの過度なアクションを抑えることが出来たがシングルでは 抵抗が小さくそうはならずに暴れて飛び出してしまう。
この抵抗こそが重さ以上に大きく影響しているのではないだろうか。
その2へ続く
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